いぬやしき | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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救う力VS奪う力。真の強さと家族愛を問う異色アクション!!
 
2018年4月20日公開
監督:佐藤信介
出演:木梨憲武・佐藤健・本郷奏多 他
 
【賛否両論チェック】
賛:突如得た力を、「救う」ためと「奪う」ためという対極の目的のために使う2人の戦いが、最先端のCGで描かれ、その迫力やリアリティに圧倒される。一本気な家族愛にも、思いのほか感動させられる。
否:どうしてもストーリー上のツッコミどころは多く、そもそもの設定にも無理がありすぎる。大量殺戮のシーンも、好き嫌いは分かれそう。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・殺害シーン多数あり
アクションシーン・・・メッチャあり
怖シーン・・・雰囲気は少しだけ怖いかも
 
 
 人気コミックの実写映画化です。居場所をなくした中年サラリーマンが、ある日突然機械の体になり、同じ能力を持つ高校生と対峙します。主演は木梨憲武さんと佐藤健さん。
 
 新居へと引っ越してきた主人公・犬屋敷壱郎(木梨憲武)の一家。しかし彼の収入では、豪華な住宅は手に入らず、高校生の娘・麻理(三吉彩花)と息子の剛史(福崎那由他)は、早速日当たりの悪さに閉口します。その日壱郎は、引っ越し祝いにと奮発し、昼食に寿司とキャビアを用意していましたが、妻の万理江(濱田マリ)と子供達はそれを無視して、途中で見かけたロイヤルホストへと出かけてしまうのでした。仕方なく犬屋敷は、日の当たらない縁側で1人淋しく昼食をとることに。軟弱で頼りない彼は、既にこの家での居場所をなくしているのでした。その日の夜、ふと犬屋敷家の狭い裏庭に、捨てられた「はなこ」という柴犬が迷い込んできます。万理江はすぐさま壱郎に、
「捨ててきて。」
と指示しますが、心優しい壱郎にはそれが出来ず、はなこは裏庭に居続けることに。そんな壱郎は職場でも窓際で、度々ミスをしては年下の上司にどやされる日々を送っていました。気弱な彼は、帰宅途中にオヤジ狩りを見かけても、静かにその場を立ち去ることしか出来ないのでした。
 
 ある日のこと、健康診断の結果が悪く、病院へ行った犬屋敷は、医師から
「ステージ4Aのガンだ。」
と告げられます。しかもたまたま診察室に携帯電話を忘れ、取りに戻った彼は、医師と看護師が
「もって後3ケ月くらい・・・」
という会話を聞いてしまうのでした。しかし家では立つ瀬がない彼は、その事実をなかなか家族にも言えないまま、ずるずると毎日を送るしかありません。そんなある夜、はなこをまだ捨てていないことを万理江にどやされた壱郎は、泣く泣くはなこを捨てるため、散歩へと連れていきます。しかしはなこは、壱郎が逃げても逃げてもずっと後を追いかけてきて、そばを離れようとしません。やがて辿り着いた公園で途方に暮れる壱郎でしたが、ふと横のベンチに、1人の青年が腰かけていることに気がつきます。・・・と思った次の瞬間、突如謎の光が2人を包み込むと、壱郎は気を失ってしまうのでした。
 
 次に壱郎が気がつくと、時刻はすっかり朝。狐につままれたような気分のまま、はなこを連れて家へと帰った壱郎は、万理江に急かされながら朝食のテーブルへと着きます。しかし何故か、いつものように味噌汁の味を感じることが出来ず、喉だけが異様に乾くのでした。食欲もなく、そのまま自室へと戻る壱郎でしたが、ふと左手に違和感を覚えます。何かと思って押していると、突然中指の爪の先が開きます。仰天する壱郎をよそに、続いて手首の部分が開くと、先ほど食べた味噌汁が噴き出してくるのでした。さらには彼の顔も割れ、中からは金属のパーツが見え隠れし、壱郎はパニックになります。どうやら彼は、既に人間の体ではなくなっているようでした。一方、公園で同じ光を浴びた高校生・獅子神皓(佐藤健)は、いじめられて不登校になっている親友・“ちょっこう”こと安堂直行(本郷奏多)の下を訪れると、
「面白いものを見せてやるよ。」
と、直行をベランダへと連れ出します。その後獅子神が指鉄砲で、飛んでいるカラスを撃つマネをすると、なんとそのカラスが本当に撃たれたように墜落。実は彼もまた壱郎のように、人間の体ではなくなってしまっていたのでした・・・。
 
 突然の不可思議な事故に巻き込まれ、機械の体となった2人の登場人物達。そんな2人が辿る正反対の道の行方に、まずは考えさせられます。片や、家庭や職場で居場所をなくし、余命もわずかと宣告され、生きる意味を見失っていたところで機械の体となり、見ず知らずの人々の「命を救う」ことに存在意義を見出していく犬屋敷。片や、幸せな家庭への憎悪に囚われたまま機械の体となったがために、最愛の家族を失い、人々の「命を奪う」ことに取り憑かれてしまう獅子神。2人の意志の果たしてどちらが強さを生むのか、その戦いから目が離せません。
 
 アクションも非常に痛快です。ともすればB級感が出かねない設定を、ド迫力かつ繊細なCGで見事に体現しているので、荒唐無稽なストーリーでも自然とその世界観に入っていけるのがスゴいです。
 
 そもそもの話の根底から好き嫌いが分かれそうなストーリーではありますが、大切な家族を守ろうと奔走する父の姿も感動を誘う本作ですので、是非観てみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※三吉彩花さん・・・本作では、主人公・犬屋敷壱郎の娘・麻理役。最近の映画では、南大東島の中学生を描いた「旅立ちの島唄 十五の春」での主演や、大泉洋さん主演の「グッモーエビアン!」での、麻生久美子さんの娘さん役等が有名なところです。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>