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グロさは覚悟して。全てを奪われたヒロインの、静かで壮絶な復讐劇。
 
2018年4月7日公開
監督:内藤瑛亮
出演:山田杏奈・清水尋也 他
 
【賛否両論チェック】
賛:いじめとその行き過ぎによる事件、そしてすべてを奪われたヒロインの壮絶な復讐を通して、人間の愚かな部分がこれでもかと描かれていく様に、思わず考えさせられる。
否:前半は執拗に陰湿ないじめのシーンが繰り返され、後半はかなりのグロシーンが連続するので、苦手な人は絶対に観られない。
 
ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・メッチャあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・雰囲気は結構怖いかも
 
 
 コミックの実写映画化です。いじめの行き過ぎで家族を殺されたヒロインが、壮絶な復讐に身を染めていきます。主演は山田杏奈さん。
 
 物語の舞台は、とある山奥の田舎町。父親の仕事の都合で、最近この町へと引っ越してきた中学3年生・野咲春花(山田杏奈)は、クラスでの壮絶ないじめに苦しんでいました。その日も春花は、履いてきた靴を持ち去られ、吉絵(中田青渚)が率いるグループに裏山へと呼び出されてしまいます。その場にいたのは、吉絵の取り巻きの理佐子(紺野彩夏)とゆり(櫻愛里紗)を始め、一匹狼の久賀(遠藤健慎)や、サバゲーオタクの真宮(大友一生)と池川(遠藤真人)、そしてかつては春花と親友だったはずの小黒妙子(大谷凜香)。吉絵達はいつものように、春花をゴミ溜めへと突き落とすと、彼女のノート一式を破り捨て、去っていくのでした。
 
 泥まみれで帰宅した春花を、母と妹の祥子(玉寄世奈)は温かく出迎えます。父と母も我慢の限界に達し、2人は翌日、担任の南(森田亜紀)に相談することに。ところが、翌年の3月で廃校が決まっている学校にあって、事なかれ主義の南は素知らぬ顔で、全く取り合おうとしません。その後も春花へのいじめは続き、学校へ来た父が久賀に画びょうの付いた靴で蹴られ、階段から突き落とされるという事件も発生。春花の両親は、
「もうあの学校には、卒業するまで行かなくていい。」
と、春花に言ってくれるのでした。
 
 翌日から春花は、自宅で過ごすことになりますが、面白くないのは吉絵達。彼女達はかつていじめていたクラスメイト・流美(大塚れな)に、
「野崎を学校に来るよう説得して。出来なかったらまたアンタをターゲットにする。」
と宣告します。怯えた流美は野崎家を訪れ、なんとか春花を説得しようとしますが、失敗。翌日からは流美がいじめられるようになってしまい、流美は春花への憎しみを募らせていくのでした。
 
 一方クラスには、それまで唯一春花をかばってきた同級生・相場晄(清水尋也)もおり、彼は春花が学校に来なくなってからも、親身に彼女の面倒を見ていました。ある日のこと、相場に遊びに誘われた春花は、2人で山を散策。冬を間近に控えた麓の景色を見ながら、2人はお互いに惹かれ合っていることを再認識するのでした。ところがその日の夕方、帰宅した春花は、自宅の方から黒煙が上がっているのを見て、慌てて駆け寄ります。人ごみをかき分けていくと、そこには炎に包まれた我が家の姿がありました。すると相場は、絶叫する春花を野次馬に任せると、独りで家の中へと飛び込んでいき、変わり果てた姿の祥子を救出します。相場のお陰で、祥子はなんとか一命をとりとめますが、焼け跡からは両親の遺体が見つかり、
春花はショックで声を出すことが出来なくなってしまうのでした・・・。
 
 さすがは内藤瑛亮監督作品、「ザ・観る人を選ぶ映画」です。陰湿ないじめシーンから始まり、特に後半はグロシーンがこれでもかと繰り返されるので、人によっては観ていて不快になる以上に、ヘドが出ると思います。
 
 非道ないじめの延長で、遂には大切な家族をも奪われてしまったヒロインが、その人間性と引き換えに壮絶な復讐へと突き進んでいく様には、思わず考えさせられてしまいます。まさに「毒を以て毒を制す」という言葉がピッタリで、その復讐劇を通して、人間の愚かさや浅ましさといった負の部分が、改めて浮き彫りになっていくようです。
 
 内容が内容なだけに展開は今1つで、メッセージ性もあまり伝わって来ないのが難点ではありますが、全てを奪われたヒロインが辿り着く結末を、是非その目でご覧下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※中田青渚さん・・・本作では、春花をいじめる主犯格・吉絵役。最近の映画では、実写映画化された「3月のライオン」で、清原果耶さん演じる少女を本作のようにいじめる主犯格役で出演されています。
 
※紺野彩夏さん・・・本作では、いじめグループの理佐子役。最近の映画では「恋妻家宮本」での、阿部寛さん演じる教師のクラスの優等生・明美役が有名なところです。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>