スリー・ビルボード | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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琴線に触れるかは観る人次第。想像を絶する悲しみの果てに。

 

2018年2月1日公開
監督:マーティン・マクドナー
出演:フランシス・マクドーマンド
ウディ・ハレルソン
サム・ロックウェル 他

 

【賛否両論チェック】
賛:娘を奪われた母親の悲しみが、人々の心に一石を投じ、止まっていた歯車が少しずつ動き出していく様が、重々しくも人間らしさを感じさせる。
否:主人公の人柄や行動は、見方によってはかなり利己的で、受け入れられない部分も多い。終わり方もやや消化不良か。

 

ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・少しあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・雰囲気は少しだけ怖いかも

 

 

 娘を惨殺された母親が、町外れに看板を立てたことから巻き起こされる、人間ドラマを描きます。

 

 物語の舞台は、ミズーリ州の田舎町・エビング。町外れの道を車で走る1人の女性、ミルドレッド・ヘイズ(フランシス・マクドーマンド)の姿がありました。彼女はふと、道路沿いに立てられていた3枚の古びた看板を見て、何かを思いつきます。ミルドレッドはその足で、看板を管理しているエビング広告社へ向かうと、担当のレッド・ウェルビー(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)に看板を出す旨を告げるのでした。その3枚の看板は、1984年が最後の契約となっていて、道自体迷った者かゴロツキしか通らないような所でしたが、ミルドレッドは前金の5000ドルを払い、1年を目処に広告を出すことにするのでした。

 

 その後のある夜。パトカーでその道を通りかかった警官のディクソン(サム・ロックウェル)は、業者が看板を貼り替えているのに気がつきます。1枚目の看板には、
「何故だ?ウィロビー署長。」
と書かれており、2枚目には、
「犯人逮捕はいつ?」
との文字が。ディクソンは業者を問い詰めますが、のらりくらりとするばかり。しかし3枚目を見たディクソンは納得し、眉をひそめます。そこには、
「レイプされて殺された。」
と書かれているのでした。実はその7ヶ月前、ミルドレッドの娘のアンジェラ・ヘイズ(キャスリン・ニュートン)は、この通りで乱暴され、焼死体となって発見されていました。ミルドレッドは、一向に進まないエビング署の捜査に業を煮やし、看板を立てたのでした。

 

 看板はすぐに地元メディアによって話題となり、連絡はエビング署署長のウィロビー(ウディ・ハレルソン)にも知らされます。末期の膵臓ガンを抱える彼は、早速ミルドレッドの下を訪れると、事件の進捗状況を報告。DNAも前歴者と一致せず、目撃証言も未だにない旨を伝えますが、当のミルドレッドは、
「それなら国中の男達のDNAを採ればいい。」
と、聞く耳を持ちません。そんなミルドレッドとは対照的に、地元住民の多くは人のよいウィロビーに同情的で、その後ミルドレッドの周囲では、トラブルが頻発するようになるのでしたが・・・。

 

 一言でいうと、「ザ・観る人を選ぶ映画」です。

 

 愛娘を殺された母親の悲痛な叫びが、狭い町の人々の閉鎖的な心に一石を投じる重厚な作品ともいえます。一方で見方によっては、母親の行きすぎた言動によって、町に生じた不協和音が大きな歪みを生んでいくという、観ていてどこか不快な印象を受ける向きもあると思います。

 

 いずれにしても、観る人によって受けるイメージが全く異なりそうな、そんな作品といえそうです。

 

 

【ワンチャン・ポイント】
※ウディ・ハレルソン・・・本作では、末期ガンに苦しむエビング署署長のウィロビー役。最近の映画では、「グランド・イリュージョン」シリーズでのメンタリスト・メリット役や、「ハンガー・ゲーム」シリーズでのヘイミッチ役、「ファーナス 訣別の朝」でのギャング役や、「トリプル9 裏切りのコード」での刑事役、そして「ある決闘 セントヘレナの掟」での説教師役等、そのコワモテを活かしたキャラクターで多く出演されています。

 

オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>