15時17分、パリ行き | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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ラスト30分の緊迫感。運命に導かれた青年達の勇姿。
 
2018年3月1日公開
監督:クリント・イーストウッド
出演:スペンサー・ストーン
アレク・スカラトス
アンソニー・サドラー 他
 
【賛否両論チェック】
賛:3人の若者達が、導かれるように事件へと至っていく過程に驚かされると同時に、いつ起きるか分からない非常事態に対し、自分ならどう行動するべきなのか、改めて考えさせられる。
否:テロ事件そのものの描写はラスト30分くらいなので、期待しすぎて観ると拍子抜け&退屈してしまいそう。
 
ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・少しあり
アクションシーン・・・ほんの少しだけあり
怖シーン・・・事件のシーンは少し怖いかも
 
 
 クリント・イーストウッド監督最新作です。2015年に起きた「タリス銃乱射事件」と、犯人を取り押さえた青年達が、そこに至るまでの半生を描いた作品です。
 
 2005年。キリスト教系の私学に通っていたスペンサー・ストーンとアレク・スカラトスは、家も隣り同士の親友でした。しかし厳格な校風は2人には合わず、度々校長室へと呼び出されては、厳重注意を受けてばかりいました。そんなスペンサーとアレクのことを、共にシングルマザーであった2人の母親は、むしろ温かく見守っており、面談で子供達の精神疾患を疑う担任に対しては、頑としてその話を聞こうとはしませんでした。
 
 そんなある日のこと、いつものように校長室へと呼び出されたスペンサーとアレクは、同じように呼び出されていた少年、アンソニー・サドラーと出逢います。校長は2人に対し、
「あの少年とは関わるな。」
と言い聞かせますが、アンソニーと馬が合った2人は、すぐに仲良くなっていくのでした。ところが、そんな楽しい日々も長くは続きません。アレクが、離れて暮らす父親の下へと引っ越すことになり、アンソニーも転校していってしまいます。それでも3人は、その後も固い絆で結ばれ続けるのでした。
 
 そして時は流れ、成長した3人。空軍基地の向かいのカフェで働いていたスペンサー(スペンサー・ストーン)は、店に来たエアレスキュー隊員から話を聞き、その仕事に魅力を感じます。すぐにエアレスキュー隊に志願すると決めたスペンサー。そんなスペンサーの決意を、アンソニー(アンソニー・サンドラー)は半信半疑で見ていましたが、スペンサーの決意は固く、空軍に入隊して過酷なトレーニングを積むのでした。一方、アレク(アレク・スカラトス)は州兵になり、アフガニスタンへと派遣されることになります。そんな彼らがやがて、休暇中の旅行で事件に遭遇することになろうとは、この時はまだ誰も想像していませんでした・・・。
 
 まず何よりも特筆すべきは、犯人を取り押さえた青年達本人が、自身を演じているという点です。そのため、エピソード1つ1つにも、自然とリアリティが感じられるようです。一方、肝心のテロ事件そのものを描いたシーンはラストの30分くらいで、映画のメインはあくまでも3人の若者達が育ってきた姿なので、事件そのものの過程を期待しすぎて観ると、思わず拍子抜けして退屈してしまいそうです。
 
 それでもよくよく観ていると、スペンサー達3人の決断や行動の1つ1つが、運命づけられているように事件へと繋がっていることに気づかされます。
「もし彼らが酔っ払いに勧められずに、アムステルダムに行かなかったら・・・?」
「もし彼らがパリに行くのをやめて、列車に乗らなかったら・・・?」 
「もし彼らが、列車の座席を移動していなかったら・・・?」
考えれば考えるほど、事件を最小限で食い止めた3人の存在の大きさに驚かされます。
 
 そしてフランス大統領が語っていたように、
「危機に瀕した時、誰もが行動することが大切。」
という言葉にも、改めて考えさせられます。いつ何時、誰の身にも起こりうる非常事態に、自分がどう行動出来るのか。そんなことを問いかけてくる作品です。是非ご覧下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>