巫女っちゃけん。 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

<ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

観たい映画に迷った時は、このムービーナビをご活用下さい。現在公開中の映画の中から、目的や好みに合わせた映画を探せます。

※「声に出して読みたい映画のセリフ in 2018」 4月8日発売♪

不思議と心に染みる物語。改めて考えさせられる、女性の生き方。
 
2018年2月3日公開
監督:グ・スーヨン
出演:広瀬アリス・山口太幹 他
 
【賛否両論チェック】
賛:無気力だったヒロインが、心を閉ざした少年との交流を通して少しだけ成長していく姿が、どこか心に響く。女性としての母親の在り方にも、思わず考えさせられる。
否:結構重たいテーマが盛り込まれているので、あまり気軽には観られなさそう。描写も淡々としているので、眠くなってしまうかも。
 
ラブシーン・・少しだけあり
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・雰囲気が少しだけ怖いシーンがあり
 
 
 ただなんとなく巫女のアルバイトをしているヒロインと、心を閉ざした1人の少年との、交流を描いた作品です。主演は広瀬アリスさん。
 
 物語の主人公は、就職活動中の女性・しわす(広瀬アリス)。彼女は、父(リリー・フランキー)が宮司をしている須賀神社で、巫女のアルバイトをしていましたが、就職が決まればすぐにでも辞めるつもりでいました。そのためやる気はゼロで、参拝客の応対も適当、礼節の指導を受ける時も面倒くさがってばかり。そんな彼女を、周りも半ば呆れて見ているのでした。
 
 そんなある日のこと、境内でカップ麺を食べていたしわすは、ふと近くにあったゴミ箱が燃えているのに気がつきます。幸い火はすぐに消し止められますが、放火の可能性が高いとのこと。その後も神社では、食べ物がなくなったり、さい銭箱のお金が抜かれたりする事件が頻発。しわすはその度に疑いをかけられ、閉口するのでした。
 
 一方、神社としても放火を放ってはおけないと、当番制で夜中の見回りをすることになり、しわすも強引に駆り出されることになってしまいます。ところがある夜、見回りをしていたしわすは、今まさにゴミ箱に火を点けようとしている少年を発見。必死の追跡劇の末、手をカッターで切りつけられながらも、なんとか捕まえます。しかしその少年・健太(山口太幹)は何も話そうとせず、らちが明きません。母親もなかなか見つからないため、やむなく健太は神社で保護され、その面倒をしわすが見ることになってしまうのでしたが・・・。
 
 就活はしているものの、やりたいことが特にないヒロイン・しわす。「神社」という特殊な空間にあっても、そのやる気のなさを遺憾なく発揮していた彼女が、母親からの愛情を受けられずにいる孤独な少年・健太に出逢い、ほんの少しだけ変わっていく姿が、どこか清々しく映ります。最初は礼節を小馬鹿にしていたしわすが、健太と一緒に朝食を食べる際に、思わずその礼節を注意するシーンなんかが、とっても印象的でした。
 
 そんな中でテーマとなっていくのは、「母親である前に1人の女性」という普遍的なことです。それを変に否定も肯定もせずに、あるがままを描かれていくのが、かえって新鮮に映ります。
 
 内容的には、クスッと笑えるシーンもあったりはしますが、家庭内暴力や暴行未遂なんかもあったりするので、意外と重たく感じてしまいます。描写そのものも淡々と進むので、眠くなってしまうかも知れませんが、一風変わった人間模様を、是非観てみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※回想シーンの団地の公園・・・本作の回想シーンで、幼い頃のしわすが泣いていた公園は、「みなさん、さようなら」や「クロユリ団地」、「中学生円山」や「gift」、そして「ロマンス」や「ピンクとグレー」等々、様々な映画で登場する団地の公園かと。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>