祈りの幕が下りる時 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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親の愛が持つ強さ。哀しすぎる真実の果てに。
 
2018年1月27日公開
監督:福澤克雄
出演:阿部寛・松嶋菜々子・溝端淳平 他
 
【賛否両論チェック】
賛:謎多き事件の裏にある哀しすぎる真相と、親が子供を想う力の強さに、思わず感動させられる。
否:人物関係がやや分かりにくいほか、遺体のシーンは結構グロいので、ミステリーが苦手な人には向かない。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・少しあり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・雰囲気は少し怖いかも
 
 
 ドラマ・映画化もされた東野圭吾さん原作ミステリーの最新作です。主演は阿部寛さん。
 
 始まりは1983年の仙台でした。着の身着のままで一軒のスナックへと転がり込んできた1人の女性・田島百合子(伊藤蘭)。なんとかそこで働かせてもらうことになった彼女は、すぐに町へと馴染んでいきますが、誰にも本当に心を開こうとはしません。しかしただ1人・綿部という男性にだけは、スナックのママ・宮本(烏丸せつこ)から見ても、お互いに心を開き、愛し合っているように見えたのでした。
 
 やがて時は流れ、2001年。百合子は心不全で亡くなり、事情を知った一人息子が生前の彼女の様子を聞きに、宮本の下を訪れます。その息子こそが、若き日の主人公・加賀恭一郎(阿部寛)だったのでした。自分の下を去ってからの母の暮らしぶりを、初めて知った恭一郎。なんとか綿部からも母のことを聞きたいと望みますが、あいにく綿部とは音信不通になってしまっていたのでした。
 
 時はさらに流れ、現在。東京葛飾区のアパートの一室で、死後20日ほど経つと見られる女性の変死体が発見されます。遺体は腐敗が進んでいましたが、死因は絞殺と推定されるのでした。現場検証後も独自に現場を調べていた、捜査一課の刑事・松宮脩平(溝端淳平)。日本橋署の刑事・恭一郎の従兄弟でもある彼はふと、部屋のカレンダーに「柳橋」と書き込まれているのを見つけます。不審に思いカレンダーをめくってみると、他の月にも荒川周辺の橋の名前が書き込まれているのでした。早速柳橋へ出向き、橋の下を調べた脩平は、先日そこで起きたホームレス焼死事件を思い出します。その事件も、被害者の死因そのものは絞殺だったのでした。脩平は捜査会議で2つの事件の関連性を指摘、捜査はその線で進められることとなります。
 
 アパートの変死体の身元は、滋賀に住む女性・押谷道子と判明。すぐに滋賀へと飛んだ脩平は、押谷が生前会っていた人々の証言から、現在は老人ホームに居候を決め込んでいる浅居厚子(キムラ緑子)の実の娘で、舞台演出家として脚光を浴びる浅居博美(松嶋菜々子)が、今回の事件に関係していると睨みます。その後、事情を聞きに博美の事務所へと赴いた脩平は、部屋に飾ってある写真の中の1枚に気づき、驚きます。それは剣道場で撮られた写真で、子供達と一緒に写っているのは、他ならぬ恭一郎と博美の姿だったのでした・・・。
 
 予備知識は勿論あるに越したことはありませんが、最悪無くても大丈夫そうです。
 
 パズルのピースが埋まりそうで埋まらない、真実が見えそうで見えない、謎めいた変死事件。その裏にあるのは、あまりにも哀しすぎる親子の絆です。あまり言うとネタバレになってしまいますが、子供のためなら親はそこまで出来るのかと、頭か下がるというか畏怖の念すら抱いてしまいます。そして【あの方】の演技は圧巻です。
 
 最初は字幕のナレーションで進んだり、遺体のシーンが結構グロテスクだったり、どうしても似たような捜査のシーンが続いたりするので、ミステリー好きでないと惹かれないかも知れません。それでも、子を想う親の気持ちに思わず涙が出てしまう、そんな感動作でもあります。是非ご覧になってみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※土居志央梨さん・・・本作では、松嶋菜々子さん演じる博美の事務所の社員役でご出演。最近の映画では、奥田瑛二さん主演の「赤い玉、」での学生役や、三浦貴大さん主演の「マンガ肉と僕」での主人公のバイト仲間役、森田剛さん主演の「ヒメアノ~ル」での被害者OL役等で出演されています。吉沢亮さん・二階堂ふみさん主演の「リバーズ・エッジ」にも出演していらっしゃるそうなので、そちらにも注目です。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>