羊の木 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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疑心暗鬼の果てに。不気味な雰囲気のヒューマン・サスペンス!!
 
2018年2月3日公開
監督:吉田大八
出演:錦戸亮・木村文乃 他
 
【賛否両論チェック】
賛:「他人を信じる」という難しいテーマが、元殺人犯達の生活を通して、どこか不気味に描かれていく様に、思わずハラハラさせられる。サスペンスとしても良質。
否:かなりストーリーが淡々と進むので、惹かれないと眠くなってしまいそう。展開も結構ご都合主義か。
 
ラブシーン・・・少しあり
グロシーン・・・殺害シーンあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・雰囲気は少し怖いかも
 
 
 元殺人犯6人を極秘に受け入れた市の職員と、その周りで起こる事件を描いたサスペンスです。
 
 物語の舞台は、寂れた港町・魚深市。市役所職員の月末(つきすえ)(錦戸亮)は、課長の神崎(鈴木晋介)から、新しい住民6名の受け入れを担当するよう指示されます。早速1人目の男性・福元(水澤紳吾)を駅まで迎えに行き、改札口で待っていた月末は、福元がスーツ姿の2人の男性に連れられてくるのを見かけます。彼を車に乗せ、市内を回る途中、
「お見送りにいらした方々は、お友達ですか?」
と聞いてみたものの、福元は怯えたように首を振るばかり。その後に立ち寄った食堂では、福元はラーメン・餃子・チャーハンと矢継ぎ早に注文し、貪るように食べ続けるのでした。
 
 その後も月末は、太田(優香)や栗本(市川実日子)らを出迎えに行きますが、彼女達もまた、どこかとっつきにくい雰囲気を漂わせているのでした。そして4人目の老人・大野(田中泯)を出迎えに行った時、月末はとうとう、今まで感じていた違和感の正体を確信することになります。指定されたのは、とある刑務所の塀の外。しかも大野を車に乗せた直後、ヤクザ者の車がやって来ると、ヤクザ達が大野に一緒に来るよう声をかけます。しかし大野がその誘いを一蹴すると、ヤクザ達は渋々引き上げていくのでした。
 
 事ここに至って、6人が元受刑者ではないかと気づいた月末は、神崎を問いただします。すると神崎いわく、これは市長直轄の極秘案件で、
「自治体が受刑者の住居・仕事等を斡旋し、仮釈放の要件を緩和することで、刑務所の経費削減と過疎対策の一石二鳥になる、画期的プロジェクトだ。」
とのこと。その後も月末は、横柄な物言いをする男・杉山(北村一輝)や、律儀な好青年・宮腰(松田龍平)らを受け入れます。時を同じくして、魚深市に月末のかつての同級生・文(あや)(木村文乃)が帰ってきたため、月末は同じく同級生の須藤(松尾諭)と共に、3人でバンド練習を再開するのでした。しかしこの時、月末はまだ知りませんでしたが、実は引っ越してきた6人は、全員が殺人罪や過失致死罪で実刑判決を受けた者達だったのでした・・・。
 
 「元殺人犯を普通の新住民として受け入れる」という、非常に難しい仕事を任された市職員。そんな主人公の姿を通して伝わってくるのは、「他人を信じることの難しさ」という普遍的なテーマです。劇中、極道で生きてきた大野が語る、
「人が肌で感じることは・・・大概正しいです。」
という言葉が、どこか不気味に、またどこか切なく響いてくるようです。
 
 ストーリーそのものはかなり淡々としていて眠くなりそうですが、後半で明らかになっていく真実は結構ショッキングで、そこからの怒涛の展開には、観ていてハラハラさせられます。
 
 終わり方はややご都合主義な感も否めませんが、重いテーマを意外な切り口から問いかけてくるサスペンスです。是非チェックしてみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>