デトロイト | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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目を逸らしてはいけないリアル。まさに鬼気迫る群像劇。
 
2018年1月26日公開
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジョン・ボヤーガ
ウィル・ポールター
アルジー・スミス 他
 
【賛否両論チェック】
賛:事件をリアルに追っていく様子が、まるで追体験しているようで、“差別”というものの現実をハッキリと突きつけられるよう。
否:事件の顛末を淡々と追う形で進んでいくので、関心が持てないと退屈してしまいそう。リアルであるが故に、観ていて痛々しいシーンも多い。
 
ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・少しだけあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・雰囲気は結構怖いかも
 
 
 アメリカで実際に起きた大規模な暴動と、その最中に起こった白人警官による暴行事件を描いた作品です。主演はジョン・ボヤーガ。
 
 全ての発端は、1967年7月23日でした。デトロイト市警が深夜、違法な酒場の取り締まりを強行。酒場にいた人々が護送車で連行されることとなり、現場に居合わせた人々がパトカーに投石を始めました。やがてそれは商店への投石・強奪へと変わっていき、大規模な暴動へと発展していってしまいます。日を追っても暴動は拡大する一方で、ついには州警察・州兵も出動する事態に。街は無法地帯と化してしまうのでした。
 
 そんな中、白人至上主義の白人警官・クラウス(ウィル・ポールター)は、パトカーで警ら中に、強奪をしている黒人男性を発見。制止を聞かずに逃走する男性に向けて、クラウスは容赦なく発砲。結局逃げられてしまいますが、その後男性は、近くに停めてあった車の下で死亡してしまうのでした。この一件はすぐに上層部へと伝わり、クラウスの行為は“殺人”だと認定されますが、警察は暴動への対応で精一杯。既に警察署は連行された黒人でごった返しており、とても人手が足りません。結局クラウスは正式な処分も下されぬまま、再び現場へと戻っていってしまうのでした。
 
 一方その夜、音楽でメジャーデビューを夢見る黒人グループ「ザ・ドラマティックス」は、音楽堂でのライブに出るまさに直前でした。この日のライブには、レコード会社の関係者も観に来ており、ラリー(アルジー・スミス)を始めとするメンバー4人は、気合が入っていました。ラリーの友人・フレッド(ジェイコブ・ラティモア)も駆けつけますが、いざ彼らの出番が来るその時になって、
「暴動が起きたので、ライブは中止する。」
との知らせがあり、ラリー達は落胆。しかも帰りに乗ったバスが暴動に巻き込まれてしまい、5人はバラバラになってしまいます。やむなくラリーとフレッドは、ちかくにあった「アルジェ・モーテル」へ泊まることに。
 
 アルジェ・モーテルには他にも、家出をしてきた白人少女のジュリー(ハンナ・マリー)とカレン(ケイトリン・デバー)や、退役軍人のグリーン(アンソニー・マッキー)ら5人の黒人達、総勢9名が宿泊していました。、一方、夜間警備員をしているディスミュークス(ジョン・ボヤーガ)も、近くの商店に勤めており、通りかかった警官隊にコーヒーを差し入れていました。そんな中、遂に事件が起こります。宿泊客のカール(ジェイソン・ミッチェル)が、悪ふざけのつもりで警官隊にオモチャのピストルを発砲したのでした。しかし、オモチャとは知らない警官隊は、
「狙撃手が『アルジェ・モーテル』に潜伏している!」
と判断。その後、現場にいち早く駆けつけたのは、あの白人至上主義者のクラウスだったのでした・・・。
 
 大規模な暴動の最中で、実際に起きた事件を淡々と描いていく作品なので、その分事件を追体験しているような恐怖感があります。建前上は平等が認められていても、人間の価値観からはなかなか無くならない“差別”という存在の根強さが、浮き彫りになる気がします。
 
 窓から外を見ようとした少女が、狙撃手と間違われて銃撃されてしまうシーンや、自白をさせるために、別室で仲間を銃殺したように見せかけるシーン等、リアルさゆえに胸が痛むような場面が次々と描かれていくのも、観ていて辛いものがありますね。
 
 ハッキリと好き嫌いが分かれそうな作品だと思いますが、目を背けてはいけない現実を、是非この機会にご覧になってみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※ウィル・ポールター・・・本作では、事件の引き金となる白人警官・クラウス役。最近の映画では、レオナルド・ディカプリオ主演で、息子を殺されて置き去りにされた猟師の復讐劇を描いた「レヴェナント 蘇えりし者」や、謎の迷路に捕らわれた主人公達の活躍を描いた「メイズランナー」シリーズ等にも出演されています。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>