関ケ原 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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真っ直ぐすぎたその生き様。淡々と語られる歴史絵巻。
 
2017年8月26日公開
監督:原田眞人
出演:岡田准一・有村架純・平岳大・役所広司 他
 
【賛否両論チェック】
賛:乱世にあって己の正義を貫くために、あまりにも真っ直ぐに生きた石田三成の不器用な生き様を、その人間臭さも交えながら、重厚な雰囲気の中で描かれていくのが味わい深い。
否:かなり早口で、何を言っているか聞き取れないセリフが多い。登場人物も多く、勢力関係も予備知識が必要不可欠で、淡々と進むストーリーも教科書のようで退屈か。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・殺害シーンが多数あり。生首のシーンもあり
アクションシーン・・・あり
怖シーン・・・基本的にはなし
 
 
 司馬遼太郎さん原作小説の実写映画化です。歴史上もっとも有名な関ケ原の戦いを、石田三成に焦点を当てて描きます。主演は岡田准一さん。
 
 物語は、豊臣秀吉と石田三成との出逢いから始まります。戦国時代、長浜城城主となった秀吉はある日、領内で鷹狩をしていました。その帰り道、あまりに喉の渇きを覚えた秀吉は、近くにあった寺に立ち寄り、お茶を出してもらいます。すると応対した寺の小姓は秀吉が飲みやすいようにと、1杯目はぬるめのお茶を茶碗一杯に入れて出し、2杯目はやや熱めのお茶を少し小さめの茶碗に、そして最後には熱いお茶を小さな茶碗に入れて出したのでした。この粋な計らいを気に入った秀吉は、その小姓を連れて帰り、家来としたとのこと。この小姓こそが、後の石田三成だったのでした。
 
 それから月日は流れ、十数年後。三成(岡田准一)は秀吉(滝藤賢一)の側近として、辣腕を振るっていました。そんなある日のこと、豊臣秀次の突如謀反の疑いが持ち上がり、秀次は切腹。その後も連座を強硬に主張する家康(役所広司)の意見が通る形となり、三条河原で側室や侍女等多数が斬首に処せられることとなるのでした。その処刑に立ち会っていた光成でしたが、ふと見物人の中に、名将と名高い島左近(平岳大)の姿を見かけます。するとその直後、事件が発生。侍女の中にいた1人の伊賀者の少女が、縄を解いて短刀で役人達に斬りかかったのでした。少女はすぐに取り押さえられますが、元々この処刑には異を唱えていた三成は、その心意気を買い、少女を保護します。
 処刑場の後を大谷刑部(大場泰正)に任せて、三成は左近の後を追い、竹林で竹に処刑の怒りをぶつけていた左近と出逢います。そこで三成は、左近に仕官するよう要請。これまで幾多の要請を断ってきた左近は、当然今回も断ろうとしますが、そんな左近を三成は、自身の俸禄の半分である2万石をもって召し抱えると打診します。かくして島左近は、三成の側近として召し抱えられたのでした。
 
 その後三成は、三条河原で保護した少女・初芽(有村架純)を手厚く介抱させ、初芽は三成の下で働くようになります。しかし秀吉の亡き後、家康と三成との対立は、やがて決定的なものとなっていくのでした・・・。
 
 原作が司馬遼太郎さんというだけあって、かなり重厚でダイナミックな時代絵巻に仕上がっています。劇中でも、
「将の上の将になるには、純粋すぎるやも知れぬ。」
と言われていた通り、戦国時代を生き抜くにはあまりにも愚直で、何事にも義をもって貫こうと戦い続けた石田三成の姿が、雄々しくもどこか切なく描かれていく様子が、観ていてグッときます。
 
 しかし逆に言うと、まるで歴史の教科書を読んでいるかのように、関ケ原の戦いまでの過程が淡々と描かれている印象なので、興味がないとかなりの高確率で眠くなってしまいそうです(笑)。セリフもかなり早口で難解なのも難点です。
 
 良くも悪くも歴史の好きな方向けの作品と言って、間違いなさそうです。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※堀部圭亮さん・・・本作では石田家の家臣・八十島助左衛門役。最近の映画では、「HiGH&LOW THE MOVIE2 END OF SKY」での警察官僚・波多野役で出演されているほか、阿部寛さん主演の痛快ミステリー「疾風ロンド」や、阿部サダヲさん主演の時代劇「殿、利息でござる!」、内野聖陽さんと吉本実憂さん主演のサスペンス「罪の余白」等にも出演していらっしゃいますね。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D
 
 
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