ハクソー・リッジ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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戦時下で貫いた信念の強さ。戦争の中で痛感させられる、命の尊さ。
 
2017年6月24日公開
監督:トム・ハンクス
出演:アンドリュー・ガーフィールド
サム・ワーシントン
ルーク・ブレイシー 他
 
【賛否両論チェック】
賛:“武器を持たずに負傷者を助ける”という信念を、どんなに虐げられても決して曲げなかった主人公が、極限状態の戦闘下の中で、多くの命を救っていく姿に、深い感動を与えられる。命の儚さや尊さを痛感させられるのも印象的。
否:戦闘による人体の損壊等、かなりリアルでグロテスクなシーンが多いので、苦手な人は観られない。
 
ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・かなりあり
アクションシーン・・・あり
怖シーン・・・急に驚かせるシーンがあり
 
 
 トム・ハンクス監督最新作です。第二次世界大戦末期に、武器を持たずに衛生兵として75人の命を救った、実在のアメリカ兵の姿を描きます。主演はアンドリュー・ガーフィールド。
 
 主人公のデズモンド・ドスは、ヴァージニア州の田舎町で生まれ育ちました。幼い頃から兄のハロルドと共に森を駆け回り、たくましく育っていたデズモンドでしたが、そんなある日のこと、ハロルドと殴り合いのケンカになったデズモンドは、ついカッとなってレンガでハロルドを殴り、気絶させてしまいます。慌てた母・バーサ(レイチェル・グリフィス)によってハロルドは介抱され、大事には至りませんでしたが、この事件がきっかけとなり、デズモンドは暴力に嫌悪感を抱くようになります。また、そんな彼の父・トム(ヒューゴ・ウィービング)は、先の大戦で出征し、旧友達に先立たれてしまった悲しさからアルコール中毒となっており、バーサやデズモンド達に暴力を振るうようになっているのでした。
 
 それから月日は流れ、15年後。信仰心の厚いデズモンド(アンドリュー・ガーフィールド)は、教会へと熱心に通っていました。そんなある日、教会の近くで起きた交通事故の現場へ駆けつけたデズモンドは、居合わせた人々と協力し、脚に重傷を負った青年を近くのリンチバーグ病院へと運びます。そこでデズモンドは、献血係をしていた看護師・ドロシー(テリーサ・パーマー)と出逢うのでした。すぐにお互いに惹かれ合い、恋人同士となった2人でしたが、戦時下にあってその幸せも長くは続きません。兄・ハロルドが勝手に入隊したため、トムは不快感を露にしますが、そんなハロルドに感化されたデズモンドは、〝良心的兵役拒否者”だったにも関わらず、衛生兵として入隊することを決意するのでした。
 
 複雑な想いのドロシーの見送りを受け、訓練兵となったデズモンドでしたが、彼は訓練の時でも、武器を持つことを拒否。そんな彼の信念が理解されるはずもなく、同僚達はデズモンドを“臆病者”と罵り、いたずらに暴力を加えます。そして上官であるグローヴァー大尉(サム・ワーシントン)やハウエル軍曹(ビンス・ボーン)も、早くデズモンドに音を上げさせて除隊させようと、雑用を押しつけるのでした。しかしどんなにボロボロになっても、デズモンドは自身の信念を曲げようとせず、次第に周りの彼への評価も変わっていきます。ところがそんな中、休暇前にやってきた中佐は、デズモンドに
「ライフルの訓練を終えていない。」
と、その場でライフルを持たせようとします。そして、それでも武器を持つことを拒否したデズモンドは、とうとう軍法会議にかけられてしまうのでした・・・。
 
 人を殺すことが当たり前の戦場にあって、己の信念を貫き通し、どんなに虐げられても武器を持つことを拒み続けて、負傷者を救うことに専念し続けた実在の主人公・デズモンド。師団が撤退し、敵だらけの孤立無援の中で独り奔走し、1人助けるともう1人、もう1人助けるとあと1人と、命ある限り歩みを止めないその姿には、敬意を越えて畏怖すら感じさせるような雰囲気すら漂います。
 
 そんなデズモンドを最初こそ軽んじていた周りの戦友達が、次第にその信念の強さに気づかされ、敬服していく様子も、また感慨深いものがあります。
 
 しかし同時に、人が人を殺す戦争の真の悲惨さも、かなりリアルな描写を通して描かれていきます。劇中で語られる、
「平時には息子が父を弔い、戦時には父が息子を弔う。」
という言葉が印象に残ります。
 
 全く軽い気持ちでは観られませんが、命の尊さを思い知らされるような、そんな作品です。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※ヒューゴ・ウィービング・・・本作では、主人公のデズモンドの父・トム役。「マトリックス」シリーズのエージェント・スミス役や、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのエルロンド役でお馴染みの方ですが、最近の映画では、実際に起きたヘロイン密輸未遂事件を描いた「ブレイキング・ゴッド」や、ニコール・キッドマン主演で、子供達が失踪し壊れていく母親の姿を描いた「虹蛇と眠る女」等にも出演されています。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>
 
 
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