怪物はささやく | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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決して綺麗事だけでは語れない。“怪物”がこじ開けた、少年の心。
 
2017年6月9日公開
監督:J・A・バヨナ
出演:ルイス・マクドゥーガル
フェリシティ・ジョーンズ
シガニー・ウィーバー 他
 
【賛否両論チェック】
賛:心を閉ざした孤独な少年が、夢に出てきた怪物が語る物語によって、自分の本心と向き合っていく様が、不思議な雰囲気の中で描かれていくのが印象深い。ラストも感動的。
否:展開は非常に静かなので、気をつけないと思わず眠くなってしまうかも。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・少しだけあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・急に驚かせるシーンが少しだけあり
 
 
 孤独な少年の夢に出てくる怪物が、3つの物語を語ります。主演は「PAN ネバーランド、夢のはじまり」のルイス・マクドゥーガル。
 
 毎晩のように悪夢にうなされる少年、コナー・オマリー(ルイス・マクドゥーガル)。両親が離婚し、現在は母親のレジー(フェリシティ・ジョーンズ)と暮らしているコナーでしたが、レジーは重い病気が続いており、身体的にも精神的にも不安定な毎日を送っていました。コナーはというと、学校では授業を聞かずにイラストを描いてばかりで、イジメっ子達からは殴られてばかりいる日々でした。
 
 そんなある日の夜、自室で机に向かっていたコナーは、ふと誰かに呼ばれたような気がして、振り返ります。特に誰もいないようでしたが、卓上の時計が12:07を示した次の瞬間、地響きが起こり始めます。そして部屋の窓から見える丘の上の墓地にあるイチイの樹が、巨大な怪物(声:リーアム・ニーソン)へと姿を変えると、コナーの目の前へとやって来るのでした。怪物はコナーに、
「これからお前に、3つの物語を聞かせる。その3つが終わった後に、お前が4つ目の物語を語るんだ。」
と、謎めいた言葉を残します。そして次の瞬間、コナーが目を覚ますと、元の机で眠っていたことに気がつくのでした。
 
 その後しばらくして、2人の家を祖母(シガニー・ウィーバー)が訪れます。祖母はなんとかレジーを説得して入院させ、しっかりとした治療を受けさせると共に、コナーを自ら預かるつもりでやって来たのでした。しかしそんな祖母の申し出に、コナーとレジーは当然反発をするのでした。 その夜、自室を祖母の宿泊に使われてしまったコナーは、リビングで寝ることになりますが、また12:07になると、あの怪物の夢がやって来ます。その中で怪物は1つ目の物語として、かつてこの地にあったという王国にまつわる、恐ろしくも哀しい話を語り出すのでした・・・。
 
 学校でイジメに遭って孤立し、唯一の拠り所であるはずの母親は重い病で不安定。そんな孤独な少年の夢に姿を現した怪物が語る、「善悪」「信念」「存在」にまつわる物語が、少年の閉ざした心から、その本当の感情を引き出していきます。
 
 やがて母親の容態が悪化し、少年の心もすさんでいってしまった時、3つの物語を語り終えた怪物が、少年がずっと想いながらも表に出すことを許せずにいた“心の叫び”を解放させるシーンは、本当に印象に残ります。
 
 決して明るい気持ちで観られるストーリーではありませんが、人としてどう生きていくかの道標になるような、そんな作品です。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※フェリシティ・ジョーンズ・・・本作では、コナーの母親・レジー役。最近の映画では、なんといっても「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」での主演が有名なところですが、他にもエディ・レッドメイン主演の「博士と彼女のセオリー」や、ニコラス・ホルト主演の「アウトバーン」、そしてトム・ハンクス主演の「インフェルノ」等でのヒロイン役でも出演していらっしゃいます。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>
 
 
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