劇場版 猫忍 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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癒され感は100%。猫に教えられる、“変化の術”の真意とは。
 
2017年5月20日公開
監督:渡辺武
出演:大野拓朗・佐藤江梨子・藤本泉 他
 
【賛否両論チェック】
賛:圧倒的な存在感を見せる猫達の魅力に、打ちのめされる(笑)。「変わることの大切さ」を問うストーリーにも、それとなく考えさせられる。
否:チャンバラシーンが極めて少なく、展開もご都合主義でコメディタッチなので、好き嫌いは非常に分かれそう。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・小用のシーンがあり(笑)
アクションシーン・・・少しあり
怖シーン・・・基本的にはなし
 
 
 「猫侍」のスタッフが送る、猫と忍者の異色の時代劇です。主演は大野拓朗さん。
 
 時代は戦乱の世が終わりを告げ、天下泰平の江戸時代になった頃。忍びの里・霧生で暮らす少年・陽炎太(鈴木福)は、去っていく父・久世剣山(船越英一郎)の背中を追いかけていました。剣山は陽炎太に、
「忍びとしてやるべきことがある。」
と告げると、煙と共に姿を消します。後を追った陽炎太は、そこに剣山に似た“赤鼻”をした猫を見かけるのでした。
 
 それから時は流れ、15年後。抜け忍となった陽炎太(大野拓朗)は、里の忍び達から追われる身となっていました。里の頭・桂木(麿赤兒)の命を受けた青目(渋川清彦)達に執拗な追跡を受ける陽炎太でしたが、その懐にはあの猫がいるのでした。実は陽炎太は、
「父上は“変化(へんげ)の術”を使い、猫へと化けたのだ。」
と信じて疑わず、今日までその猫を父上として慕ってきたのでした。なんとか追っ手を振り切った陽炎太でしたが、脚を負傷したため、近くで宿をとることにします。同じ頃、里にいる陽炎太の幼馴染みの忍び・燕(藤本泉)は、桂木から、
「陽炎太の父親・剣山が15年前に出奔した際、私が持っていた『変化(へんげ)の巻物』を盗んでいった。」
と、陽炎太を追い続けさせる理由を明かされるのでした。
 
 一方、陽炎太が泊まることにした宿屋には、仲居として働く紅葉(佐藤江梨子)の姿がありました。彼女の正体は、抜け忍をたぶらかして追っ手に引き渡す、“追い忍”でした。しかし真心を知らず、血も涙もなかったはずの紅葉は、自由気ままに振る舞う猫の〝父上”に、すっかりペースを乱されてしまいます。そこで紅葉は、自らも猫好きを装うために、野良猫を拾い、陽炎太へと近づくのでしたが・・・。
 
 忍者モノの時代劇ではありますが、メインはあくまでも“猫”。その迫真の名演技(?)には思わず圧倒され、胸キュンすること間違いなしです(笑)。
 
 そうした猫達の癒しと同じくらいに、作品を通して伝わってくるのが、「変わるということの意義」というテーマです。父の変化(へんげ)を受け入れ、元に戻すために出奔した主人公もしかり、そんな彼らに影響され、少しずつ変わっていく紅葉や燕、そして里の者達の姿から、「変わっていくことの大切さ」が問われているようです。暗くならない明るい雰囲気の中で、生きる上での普遍的なテーマを投げかけてくるのが、とってもステキです。
 
 チャンバラシーンも想像以上に少なく、展開もかなりコメディテイストなので、好みは分かれるかも知れません。それでも、そんなことはこの際関係ないほど、圧倒的な魅力を振りまく猫達の存在感を、是非体感してみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※藤本泉さん・・・本作では、主人公・陽炎太の幼馴染みの燕役。最近の映画では「小川町セレナーデ」での主人公の娘役や、「紙の月」での女子大生役、そして「アオハライド」での主人公の親友役や、「劇場版 神戸在住」での主演、そして「珍遊記」での溝端淳平さん演じる龍翔を支える腹心の部下・奈落役等々、要所要所で存在感を発揮されています。これからもその活躍に要注目です。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<癒されたい>
 
 
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