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共感出来ると号泣必至。全ての働く人へ送る、人生賛歌。
 
2017年5月27日公開
監督:成島出
出演:福士蒼汰・工藤阿須加・黒木華 他
 
【賛否両論チェック】
賛:疲弊した青年が、謎めいた主人公と出逢い、少しずつ変わっていく様子が、微笑ましくも感動的に描かれていく。青年がやがて知ることとなる、〝子を想う親心”にも、泣かされること必至。
否:展開は予定調和の範囲内で、ある程度先読みは出来てしまうので、真新しい感じはしない。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・少しだけ怖そうなシーンがあり
 
 
 小説の実写映画化です。ブラック企業で疲弊した会社員が、亡くなったはずの青年と出逢います。主演は福士蒼汰さんと工藤阿須加さん。
 
 会社員の青山隆(工藤阿須加)は、肉体的にも精神的にも追いつめられていました。就職した先はいわゆる“ブラック企業”で、過酷な営業ノルマのためにサービス残業に追われ、部長の山上(吉田鋼太郎)からは執拗なパワハラを受ける毎日でした。その日も取引先からのクレームを山上から怒鳴られた隆は、謝罪に駆けずり回っていましたが、その精神状態はもはや限界。帰宅途中の駅のホームでも、山上からの着信が鳴り続け、全てがどうでもよくなってしまった隆は、通過電車の前に身を投げ出そうとします。しかし次の瞬間、駆け寄ってきた青年が、隆を助けます。その青年は、
「俺や、ヤマモトや!!小学校以来ちゃうん!?」
と、親しげな様子で笑いかけてくるのでした。半ば呆気に取られながらも、調子の良いそのヤマモト(福士蒼汰)に飲みに連れ出された隆。やがて打ち解けた2人は、電話番号を交換するのでした。
 
 その後もヤマモトは、事あるごとに隆を連れ出し、スーパーのカートで走り回ったり、新しいネクタイを選びに行ったりと、隆を元気づけていきます。そんなヤマモトに触発されるように、少しずつ仕事にやる気が出てきた隆は、やがて大口の案件の取り付けに成功し、先輩社員の五十嵐(黒木華)にも、
「最近変わったね。」
と言われるようになるのでした。しかし一方で、小学校時代の友人からの情報で、
「小学校の同級生の“ヤマモト”は、今は海外にいる。」
と知った隆は、ヤマモトを問いつめます。するとヤマモトは、
「最初は勘違いやったけど、今は知り合いやろ?」
と、素直に認めます。こうして隆は、その青年・山本純と改めて友人となるのでした。
 
 ところがそんなある日、事件が起こります。隆がようやく契約まで漕ぎつけようとしていた案件で、発注ミスが発覚したのでした。隆が何度も確認していたはずの発注書が間違っており、先方はカンカン。当然山上も激怒し、隆は担当を外されてしまいます。失意に暮れる隆でしたが、その後外回りをしていたある時、何故か霊園行きのシャトルバスへと乗り込んでいく、山本の姿を見かけます。そういえば彼のことは何も知らないと思った隆は、その夜パソコンで“山本純”を検索。同姓同名のアイドルの画像ばかりが出てくる中で、ようやく山本の顔写真を発見します。しかし、そうして辿り着いたブログの記事や、インターネットニュースに書かれていたのは、
「山本純は3年前に自殺した。」
という、衝撃の内容でした・・・。
 
 仕事に追い立てられ、何もかも投げ出したくなった隆が、謎めいた底抜けに明るい男・山本に感化されて、次第に少しずつ変わっていく姿が、時に微笑ましく、時に涙ぐましく描かれていきます。
 
 そして何より感動させられるのは、
「人生は誰のためにあると思う?お前を大切に想ってる人のためや。」
というセリフです。
「自分なんか親不孝者だから・・・」
と思っていた隆が、山本に促されて知る両親の本当の親心に、思わず目頭が熱くなります。
 
 生きていくことがちょっと重荷になった時、心の清涼剤になるような、そんなステキな作品です。是非ご覧になってみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※工藤阿須加さん・・・本作では福士蒼汰さん演じる山本によって変わっていく、会社員の隆役。工藤公康さんの息子さんで、最近の映画では「1/11 じゅういちぶんのいち」でのサッカー部に入部する不良役や、「百瀬、こっちを向いて。」での先輩役、「近キョリ恋愛」での同級生役や、「アゲイン 28年目の甲子園」でのかつての高校球児役、「夏美のホタル」での有村架純さん演じるヒロインの恋人役や、「恋妻家宮本」での阿部寛さんの若かりし頃の役等々、話題作に多数出演していらっしゃいます。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>
 
 
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