たたら侍 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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主人公に感情移入は難しい?大切なものを守る、本当の強さ。
 
2017年5月20日公開
監督:錦織良成
出演:青柳翔・小林直己・AKIRA 他
 
【賛否両論チェック】
賛:軟弱でも侍を目指した主人公の姿を通して、大切なものを守る“強さ”の本当の意味を訴えかけるのが深い。戦いの無慈悲さや命の尊さが如実に表れているのもまたしかり。
否:展開は結構グダグダ感が否めない。主人公の優柔不断な性格も、なかなか共感は得られないか。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・殺害シーンが多数あり
アクションシーン・・・あり
怖シーン・・・雰囲気は少し怖いかも
 
 
 EXILEのHIROさんプロデュースの時代劇です。たたら場の跡取りだった青年が、武士を夢見て村を出ます。主演は青柳翔さん。
 
 戦国時代の末期、出雲の国の山奥にある〝たたら村”を、山賊の一団が襲います。まだ幼かった主人公・伍介は、母・八重(宮崎美子)によって逃がされますが、八重はそんな伍介の目の前で斬られ、重傷を負ってしまいます。伍介も危ういところでしたが、すんでのところで幼い武将・尼子真之介によって助けられます。その後真之介は果敢にも家臣を率い、山賊を制圧するのでした。
 
 時は流れ、現在。成長し、村に伝わる製鉄技術〝たたら吹き”を受け継ぐ村下(むらげ)の息子として暮らす伍介(青柳翔)は、幼き日に見た真之介(AKIRA)らの雄姿が忘れられず、侍への憧れを捨てきれずにいました。そんな伍介は、村長(むらおさ)の息子で幼馴染みの新平(小林直己)と共に、新平の兄・平次郎(豊原功補)から、剣術の稽古をしてもらっているのでした。
 そんなある日のこと、出来上がった鋼を馬に積み、得意先へ届けに行った平次郎が、道中で山賊に襲われてしまいます。騒ぎを聞きつけた伍介達が駆けつけると、平次郎が山賊とにらみ合いになっているところでした。必死に積み荷を守ろうとする平次郎でしたが、侍ではない彼は木刀しか持っておらず、なす術もなく斬られ、鋼は馬と共に奪われてしまいます。そして凶行を目の前にしながら、伍介は呆然と立ち尽くしたまま。何も出来ませんでした。結局平次郎は、そのまま帰らぬ人になってしまいます。
 
 平次郎の一件以降、侍への憧れが強くなる伍介でしたが、そんな中、村に見慣れない商人がやって来ます。近江の国・高浜からやって来たというその金物問屋・惣兵衛(笹野高史)は、噂に名高い出雲の鋼を取り扱わせてくれるよう頼みますが、村長はこれを固辞。惣兵衛は仕方なくきびすを返すことになりますが、そんな惣兵衛に伍介は自らの夢を伝え、どうすれば叶うかと問いかけます。すると惣兵衛は、伍介が侍になるための口利きをしてくれると申し出ます。かくして伍介は、密かに持ち出した出雲の鋼を交換条件に、侍になるべく、豪商・与平(津川雅彦)の下を訪れるのでしたが・・・。
 
 命を救われた武士への憧れから、立身出世を目指した主人公が、戦という殺し合いの現実を痛感し、大切なものを守ることの本当の意味を知っていく様が、淡々とした展開で描かれていきます。
 
 そこで同時に訴えかけてくるのは、命の儚さや尊さ、そしてそれを守る本当の強さのなんたるかでもあります。劇中で真之介が伍介に語る、
「強い心が争いを避ける。弱い心が力を持てば、それが奢りとなり、災いをもたらす。」
という言葉が印象に残ります。
 
 この手の時代劇にしてはかなり静かで、主人公も最後まで優柔不断なので、
「想像していたのと違った・・・」
という向きもあるかも知れません。時代劇が好きな方にはオススメ出来そうです。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※石井杏奈さん・・・本作では、伍介に好意を寄せるお國役。E-girlsのメンバーとしても有名な方ですが、最近の映画では「ソロモンの偽証」を始め、「ガールズ・ステップ」や「世界から猫が消えたなら」、「四月は君の嘘」等の話題作に出演していらっしゃいます。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>
 
 
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