3月のライオン 【前編】 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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〝家族”を知った孤独な少年の戦い。その壮絶なる前哨戦。

 

2017年3月18日公開
監督:大友啓史
出演:神木隆之介・有村架純・倉科カナ 他

 

【賛否両論チェック】
賛:将棋の知識は最低限で大丈夫そう。生きるため、将棋で孤独な戦いを続けてきた主人公が、〝家族愛”に触れて成長していく様や、苦しみながらも更なる高みを目指していく姿に、思わず感動させられる。
否:どうしても同じようなシーンが淡々と続くので、興味がないと飽きてしまいそう。展開もかなりのご都合主義か。

 

ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・基本的にはなし

 

 

 人気コミックの実写映画化・その前編です。将棋に全てを懸ける高校生棋士を描きます。主演は神木隆之介さん。

 

 とある葬儀場。幼い少年(大西利空)の両親と妹の葬儀が、しめやかに営まれていました。参列者の間で囁かれているのは、少年が今後どうなるのかということ。そんな周りを知ってか知らずか、斎場から逃げ出そうとした少年は、1人の男性と出逢います。その男・幸田柾近(豊川悦司)は少年に、
「君は・・・将棋、好きか?」
とたずねるのでした。

 

 それから9年の月日が流れました。少年・桐山零(神木隆之介)は高校生になり、将棋界では新進気鋭の五段として注目されるまでになっていました。しかし一方で、彼は幸田家を飛び出しており、高校生ながらに一人暮らしをしながら、学校はそこそこに、将棋会館へと通いつめる日々を過ごしているのでした。そんなある日のこと、会館の先輩達に招かれるままに、飲み会へと顔を出した零は、ついつい酒を飲んでしまい、道端で酔い潰れてしまいます。そんな彼を見かけ、放っておけなかったのが、彼の近所に住む川本あかり(倉科カナ)。翌朝零が目を覚ますと、そこは川本家の布団の上で、末っ子のモモ(新津ちせ)が
「生き返った!!」
と、大はしゃぎをしているところでした。あかりとモモ、そして次女のひなた(清原果耶)の3人は、母親を早くに亡くし、父親は行方知れずになってしまったため、家はあかりが切り盛りしながら、それでも一家は明るく暮らしていました。挨拶もそこそこに、あかりはモモを連れて出かけてしまい、ひなたもカギを零に預けると、学校へと行ってしまったため、残された零は面食らうばかりでした。

 

 その後零は、盟友にしてライバルの御曹司・二階堂晴信(染谷将太)と自室で将棋を差していましたが、ふとカギのことを思い出し、慌てて言われていたお店へと走ります。こじんまりとした佇まいのその和菓子店には、川本一家の温かい雰囲気が漂っているのでした。叔父の相米二(前田吟)が将棋好きで、零を知っていたこともあって、その後も川本家に歓迎される零でしたが、やがてそんな彼の前途には、将棋の師でもあった柾近との対局や、不仲で疎遠になっていたはずの幸田香子(有村架純)との再会等、様々な出来事が待ち受けているのでした・・・。

 

 将棋そのものをよく知らなくても、緊張感はビシバシと伝わってくるので、問題はありません。むしろ将棋をよく知っている方の方が、詳しい試合展開等が分かりにくいので、消化不良かも知れません。

 

 幼くして家族を亡くし、生きるために必死に将棋の腕を磨き続け、孤独の中で生きてきた主人公。そんな彼が初めて〝家族”というものの温かさに触れ、もがき葛藤し続けながらも、再び自身の目指す高みへと挑んでいく、まさにその前哨戦ともいえる展開に、心が震えます。あまり言うとネタバレになってしまいますが、ラストの対局の終わり方は、思わずシビれました(笑)。

 

 やや上手く行きすぎな感はありますが、後編へと続く主人公の奮闘を、是非ご覧になってみて下さい。

 

 

【ワンチャン・ポイント】
※原菜乃華さん・・・本作では、有村架純さん演じる香子の幼少期役。最近の映画では、行き詰まった子役と小さな劇団との出逢いを描いた「はらはらなのか。」で主演していらっしゃいます。

 

オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>

 

 

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