はらはらなのか。 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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不思議なファンタジー。夢を追い辿った、母の軌跡。
 
2017年4月1日公開
監督:酒井麻衣
出演:原菜乃華・松井玲奈・吉田凜音 他
 
【賛否両論チェック】
賛:夢を追いかける少女の葛藤と成長が、不思議な雰囲気の中で紡がれていくのが印象的。
否:急に入るミュージカルや、メルヘンチックな描写等、世界観への好みは分かれそう。
 
ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・急に驚かせるシーンが一瞬あり
 
 
 女優を目指す少女が、亡き母のいた劇団で稽古に励むことになる、ファンタジー色満載の作品です。主演は原菜乃華さん。
 
 主人公は、この春中学生になる原ナノカ(原菜乃華)。女優だった今は亡き母・マリカ(松本まりか)の影響で、6歳から子役として活動をしているナノカでしたが、女優としてはなかなか芽が出ず、契約も12歳で切れる直前でした。オーディションにも落ち続けるナノカを案じた父・直人(川瀬陽太)に連れられ、田舎町へと引っ越してきたばかりの彼女。それでも夢を追いかけるナノカは、毎日のようにオーディションへと出かけていくのでした。
 
 そんなある日のこと、ナノカは直人の荷物の中に、マリカがかつて所属していた劇団「Z-lion」のチラシを偶然見つけます。なんでもそのZ-lionが、久しぶりに町に戻ってくるらしく、しかも新しい舞台「まっ透明なASOべんきょ~」で、役者を募集しているとのこと。早速応募しようと意気込むナノカでしたが、直人は大反対し、チラシを鍵のかかった引き出しへとしまい込んでしまいます。それでも、マリカのかつての舞台をいつもDVDで鑑賞していたナノカは、はやる気持ちを押さえられず、夜中にこっそりチラシと応募用紙一式を盗み出すのでした。家で記入するわけには行かず、ナノカは翌日公園で応募用紙を書き始めますが、応募用紙が風に飛ばされ、近所の喫茶店の中へと飛び込んでしまいます。慌てて追いかけたナノカは、喫茶店の店主のリナ(松井玲奈)と出逢います。実はこのリナこそが、かつてZ-lionに所属し、以前の「まっ透明なASOべんきょ~」ではマリカと親子役で共演した、元女優だったのでした。
 
 ナノカとリナはすぐに打ち解け、ナノカはオーディションの台本を、リナの喫茶店へと送ってもらうように取り計らってもらいます。その後迎えたオーディションで、図らずも母親への想いを口にしたナノカは、見事に主役に抜てきされるのでした。ところが、連絡を聞いた直人はカンカン。勝手に応募したことで、ナノカは事務所をクビになってしまいますが、直人はそれよりも相談せずに黙っていたことに対して、怒りを隠せずにいました。そんな直人と口論になってしまったナノカは、遂に家出を決意。荷物をまとめると、リナの喫茶店へと転がり込みます。直人と顔見知りでもあるリナが、なんとか間に入り、その後ナノカは喫茶店に寝泊まりしながら、稽古と学業の両立に取り組み始めるのでした・・・。
 
 “女優になる”という夢を幼い頃から追いかけ続け、行き詰まった12歳のヒロイン。そんな彼女が運命のいたずらで出逢った、亡き母のいた劇団で奮闘するうちに、次第に“演じる”ということの意味を見出だしていく姿が、時に切なく、また時に微笑ましく描かれていくのがステキです。
 
 そしてそんな彼女を温かく見守りながらも、それぞれの複雑な想いを抱え、葛藤し合う登場人物達の心の変化にも、思わずハッとさせられるものがあります。
 
 変にファンタジーなシーンが始まったり、かと思えば怪しいカメラマンに詰め寄られたりと、変にリアルな描写も交じったりするので、世界観に好き嫌いは分かれるかも知れませんが、真っ直ぐなヒロインの成長ドラマを是非ご覧になってみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※上野優華さん・・・本作では、劇団員のユウカ役。シンガーソングライターの方で、最近の映画では、主題歌も歌っている「1/11 じゅういちぶんのいち」や、ホラー映画の「心霊写真部 劇場版」、そして復讐が合法化された島でのサバイバルを描いた「復讐したい」や、人気コミックの実写化「白鳥麗子でございます! THE MOVIE 」等にも出演していらっしゃいます。「瀬戸内海賊物語」等では主題歌も担当されているので、これからもそのマルチな活躍に期待です。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>
 
 
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