ザ・シェフ 悪魔のレシピ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

<ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

観たい映画に迷った時は、このムービーナビをご活用下さい。現在公開中の映画の中から、目的や好みに合わせた映画を探せます。

※「声に出して読みたい映画のセリフ in 2018」 4月8日発売♪

グロすぎて要注意。哀しき怒りが生んだ、狂気の沙汰。
 
2017年1月31日公開
監督:ダン・プリングル
出演:ジアド・アバザ
スコット・ウィリアムズ 他
 
【賛否両論チェック】
賛:虐げられてきた主人公の怒りや哀しみが、狂気の沙汰に集約されていくまでが淡々と描かれ、恐怖の中にも考えさせられるものがある。
否:目を背けたくなるような人体解体のシーンが多いので、苦手な人は絶対に観られない。
 
ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・メッチャあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・雰囲気は結構怖いかも
 
 
 「スウィーニー・トッド」にインスパイアされて製作されたというR-18作品です。不条理に憤る青年が、〝人肉ケバブ”を作ってしまいます。
 
 物語の舞台はイギリス。病気で入院中の父・サビールを見舞いに来た、大学生の青年・サラール。その場でサラールは、サビールが経営しているケバブ店を手伝うことを提案します。サビールは
「バイトを雇うよ。」
と断ろうとしますが、サラールは半ば強引に準備を進め、論文を書きながら店番を始めるのでした。
 
 しかし問題は、その立地環境でした。近隣はクラブ街で、治安は最悪。若者達が道端でところ構わず吐いて回ったり、すぐにケンカを始めたりと、マナーの悪さは際立っていました。ある夜のこと、店内で酔った客同士のケンカが起こり、サラールは通報しますが、やって来た警官は
「忙しい。」
と、一言二言質問しただけですぐに立ち去ってしまい、サラールは憤ります。やがてサビールは退院し、親子での商いが始まりますが、それも長くは続きませんでした。ある夜、閉店後に無理やり入ろうとしてきた若者達を止めようとしたサビールは、若者達に路上へと突き飛ばされてしまい、持病が悪化。そのまま帰らぬ人になってしまうのでした。
 
 サビールの死は病死と診断されますが、悲しみに沈むサラールは、論文の提出もままなりません。そして彼の若者達への怒りは、日に日に増していくのでした。そんなある日の閉店後、店内には酔いつぶれている大学生・スコットの姿がありました。
「あと5分だぞ。」
と声をかけ、目を離したサラールでしたが、やがておもむろに起き出したスコットは、キッチンで勝手にフライドポテトを揚げ始めます。止めさせようとしたサラールはもみ合いになり、誤ってスコットを油の中へと突き飛ばしてしまいます。スコットは顔に大ヤケドを負い、そのまま死んでしまうのでした。突然の事態に途方に暮れるサラールでしたが、やがて思いついたのは、支払いが滞って届かないラム肉に変えて、切り刻んだスコットの肉をケバブに使うという、狂気の沙汰でした・・・。
 
 
 クラブ通いの若者達の傍若無人具合に翻弄され、移民特有の差別にもさらされてきた主人公が、父の不審死が引き金となって、“人肉ケバブ”という狂気の沙汰に手を染めて行くまでの過程が、妙にリアルに描かれていきます。
 
 そこにあるのは、身勝手な人間達への警鐘はもちろんのこと、次第に道を踏み外していく主人公の悲哀も、切なく映ります。
 
 ご想像の通り、描写はメチャメチャグロいので、苦手な人は絶対に観られませんが、怖いもの見たさでご覧になってみるのもイイかと思います(笑)。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>
 
 
<「映画の通信簿2016」近日発売!!>