スノーデン | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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現在進行形の暴露。監視社会がもたらした、自由と代償。
 
2017年1月27日公開
監督:オリバー・ストーン
出演:ジョセフ・ゴードン=レビット
シャイリーン・ウッドリー 他
 
【賛否両論チェック】
賛:今まさに起こっている問題として、監視社会の是非を観ている者に問いかける内容が印象的。
否:主人公の人物像に迫っていく物語なので、本筋とは関係なさそうな描写等もあり、淡々としている感がある。
 
ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・基本的にはなし
 
 
 アメリカ政府による個人情報の監視の実態を告発した人物、エドワード・スノーデンを描いた実話です。主演はジョセフ・ゴードン=レビット。
 
 2013年6月3日、ドキュメンタリー映画監督のローラ(メリッサ・レオ)と、イギリスの「ガーディアン」誌のグレン(ザッカリー・クイント)の姿は、香港にありました。彼らはそこで、ルービックキューブを持った青年と合言葉を交わすと、青年に近くのホテルの一室へと案内されます。早速インタビューの準備を始めるローラとグレン。その青年こそが、アメリカのNSA(国家安全保障局)の局員であり、同局による行き過ぎた諜報活動を暴露しようとしていた張本人、エドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レビット)でした。
 
 2004年、スノーデンは特殊部隊の隊員を目指して軍へ入隊し、訓練に明け暮れていました。しかし元々頑強ではなかった身体は悲鳴を上げており、ある時高いベッドから転落した彼は、両脚を骨折してしまいます。医師からは、
「次に高いところから落ちたら、両脚が粉々になる。」
と警告され、除隊を余儀なくされてしまいます。その後彼はCIAの試験を受け、IT部門での能力を教官のコービン・オブライアン(リス・エバンス)に見出だされます。こうして彼は“ザ・ヒル”と呼ばれるCIAの訓練施設へと通うことになるのでした。
 
 スノーデンのザ・ヒルでの成績は極めて優秀で、通常5時間かかる試験を40分でこなしてしまう等、コービンを驚かせます。同じ頃、インターネットを通して知り合った女性、リンゼイ・ミルズ(シャイリーン・ウッドリー)とも、スノーデンは次第に深い仲へとなっていくのでした。そんなある時、スノーデンはコービンの指示の下、スイスのジュネーブでの仕事を任されることになります。しかしそこで彼が目の当たりにしたのは、“脅威の監視”という名目の下で、一般人のメールや写真、そしてパソコンのカメラからの映像といった膨大な個人情報が、密かに集められているというものでした・・・。
 
 物語は告発前後の2013年6月と、スノーデンの過去を行き来する形で描かれていきます。前者では、告発に際して起こりうる最悪の事態に緊迫しながら、それでも暴露を敢行しようとするスノーデン達の情熱に、思わず圧倒されるようです。そして後者では、愛国心に溢れていたごく普通の青年が、その能力を買われて携わった国家の仕事で、個人のプライバシーを極限まで覗き見ることの出来る実態を知り、苦悩していく様が淡々と描かれ、監視社会の是非を改めて考えさせられます。
 
 「テロとの戦い」の名の下に行われ、治安維持の面では一定の成果を上げてきたであろう監視の実態。その代償を受け入れて安全を享受するのか、それともその監視に異議を突きつけるのか。決して他人事でも過去の話でもない、まさに現在進行形の課題を、観ている者に訴えかける内容です。
 
 自伝的なストーリーでやや退屈かも知れませんが、自分にも関わりのある問題として、考えてみたい作品といえます。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※シャイリーン・ウッドリー・・・本作では、スノーデンの恋人となるリンゼイ・ミルズ役。最近の映画では、ジョージ・クルーニー主演の「ファミリー・ツリー」や、難病のヒロインを描いた「きっと、星のせいじゃない。」、そして「ダイバージェント」シリーズ等々、話題作に出演していらっしゃいます。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>
 
 
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