沈黙 -サイレンス- | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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“信仰”の差異が生んだ悲劇。哀しすぎる迫害の歴史。
 
2017年2月4日公開
監督:マーティン・スコセッシ
出演:アンドリュー・ガーフィールド
アダム・ドライバー 他
 
【賛否両論チェック】
賛:宣教師が目の当たりにした迫害の数々を通して、“信仰”の持つ意義や、異教徒同士の価値観の違いを浮き彫りにすることで、人間の生きる本質を問いかけてくる。
否:目を背けたくなるような処刑シーンが続くので、苦手な人には向かない。上映時間も少し長く、終盤はやや蛇足感もあり。
 
ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・むごい処刑シーン等が多数あり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・雰囲気は結構怖いかも
 
 
 遠藤周作さんの小説の映画化です。キリシタン弾圧下の江戸初期、長崎へとやって来た宣教師が辿る、壮絶な半生を描きます。
 
 物語の舞台は17世紀。イエズス会のヴァリニャーノ神父の下へ、日本で布教を行っていたクリストバン・フェレイラ(リーアム・ニーソン)からの、報告の手紙が途絶えたことから始まります。その直前までのフェレイラの手紙には、長崎での激しい迫害の様子が記されており、宣教師達が雲仙で磔にされ、湧き出る熱水を少しずつ浴びせられる様子が、事細かに記されていました。同時にヴァリニャーノの下へは、
「フェレイラが公然と神を侮辱し、棄教した。」
という噂が舞い込んできます。ヴァリニャーノからその話を聞いた、宣教師でフェレイラの弟子でもあるセバスチャン・ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とフランシス・ガルペ(アダム・ドライバー)は、
「危険すぎる。」
というヴァリニャーノの忠告にもかかわらず、
「現地に行って確かめなければ!!」
と懇願。結局2人は、日本への最後の宣教師として派遣されることになるのでした。
 
 その後2人の姿は、マカオにありました。日本への密航の手引きをしてくれる船を見つけた2人は、日本から漂流してきたキリシタン・キチジロー(窪塚洋介)と出逢いますが、何故かキチジローは、
「俺はキリシタンじゃない!!」
と、怯えたように繰り返します。それでも故郷へ帰りたいというキチジローと共に、セバスチャンとガルペは長崎へと密航を果たすのでした。
 
 彼らが上陸したのは、長崎にある〝トモギ村”という村。キチジローが村人と引き合わせてくれますが、彼らは皆いわゆる〝隠れキリシタン”で、幕府の取り締まりの目をかいくぐっては、密かに祈りを奉げる日々を送っているのでした。長のイチゾウ(笈田ヨシ)を始め、村人達に匿われることになったセバスチャンとガルペは、昼間は山奥の炭焼き小屋に隠れ、夜だけ村に下りてきてミサを行うという生活を続けますが、そんなある日のこと、つい日中に外へと出てしまった2人は、峠の向こうから他の村の者に目撃されてしまいます。2人に気づいてやって来たのは、近くの島・五島の村の村人達。彼らの村にもまた宣教師がおらず、信仰が揺らいでいるのでした。いたたまれなくなったセバスチャンは、単身でキチジローの生まれ故郷でもある五島へと行くことを決めます。
 
 こうして2つの村では、セバスチャンとガルペによって信仰が取り戻されつつありましたが、そんなある日、トモギ村へ長崎奉行の井上筑後守(イッセー尾形)がやって来ます。井上達はキリシタンを探し出そうと、踏み絵を始めキリスト教を冒とくする行いを村人に強要し、拒んだ者は容赦なく処刑していくのでした・・・。
 
 キリスト教が弾圧されていた時代の日本へ、恩師の棄教の真偽を確かめるべく、殉教を覚悟でやって来た宣教師。その彼らが直面する残酷な迫害の現実を通して、“信仰”ということの意義が投げかけられます。
 
 決して踏み絵をせずに、進んで過酷な死を受け入れた者。生きるために、踏み絵や裏切りを選んだ者。様々な者達の生きる様、そして死に様を見せられた宣教師が、最後にどんな決断を下すのか、その葛藤にも胸か痛みます。
 
 残酷な処刑シーンも多く、決して軽い気持ちで観られる映画ではありませんが、人間が生きていく上で、
「何を信じるのか?」
という普遍的なテーマを、観る者全てに問いかけてくる作品です。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※アダム・ドライバー・・・本作では、主人公のセバスチャンと行動を共にする宣教師・ガルペ役。最近ではなんといっても、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」でのカイロ・レン役で一躍有名になった方ですね。他にも「ヤング・アダルト・ニューヨーク」では、アマンダ・セイフライドと夫婦役で出演されています。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>
 
 
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