ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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自由のために立ち上がった勇姿。淡々と語られる奴隷解放の現実。
 
2017年2月4日公開
監督:ゲイリー・ロス
出演:マシュー・マコノヒー
ググ・バサ=ロー
マハーシャラ・アリ 他
 
【賛否両論チェック】
賛:脱走兵となり、同じように迫害される者達のために立ち上がる主人公の姿が、雄々しくて圧倒される。解放宣言だけではなくならない、奴隷差別の実態も浮き彫りになる。
否:ストーリーそのものは、自伝のように淡々と進むので、興味がないと眠くなりそう。損壊した遺体のシーン等、グロいシーンが結構あるので、苦手な人には向かないかも。
 
ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・殺害シーン等かなりあり
アクションシーン・・・あり
怖シーン・・・雰囲気は少し怖いかも
 
 
 リンカーンの奴隷解放宣言よりも早く、「自由州」を設立した実在の人物、ニュートン・ナイトを描いた作品です。主演はマシュー・マコノヒー。
 
 南北戦争が激化していた時代。主人公のニュートン・ナイト(マシュー・マコノヒー)は、南軍の医療班として、負傷した兵士達の搬送に追われていました。ある夜そんな彼の下へ、別の部隊に徴兵されていた甥のダニエルがやってきます。ニュートンはダニエルを匿い、日々悪化する戦況の中をなんとか生き延びようとしますが、塹壕から飛び出そうとした時、ダニエルの胸を銃弾が貫き、彼はそのまま帰らぬ人になってしまいます。その後ニュートンは、ダニエルの遺体を故郷のミシシッピ州ジョーンズ郡に届けることを決め、密かに群を脱走し、ジョーンズを目指すのでした。
 
 なんとか無事に帰ってくることが出来たニュートンでしたが、ダニエルの家族は悲しみに暮れます。その夜、幼い息子のウィルが高熱を出してしまい、ニュートンは危険を冒しながら街へと向かい、馴染みの酒場の女主人・サリーに助けを求めます。サリーは知り合いの家の召使いの女性・レイチェル(ググ・バサ=ロー)を、ニュートンの家へと向かわせ、彼女の介抱のお陰で、ウィルの熱は無事に下がるのでした。時を同じくしてニュートンは、近隣の農民達が、軍の徴収部隊による略奪に苦しんでいることを知ります。ニュートンはいてもたってもいられず、行動を開始。洋服の徴収をされそうになっていた家の子供達に銃を持たせ、自らも先頭に立って、徴収部隊を追い返してしまうのでした。しかし当然ながら、お尋ね者のニュートンの下にはすぐに捜索隊が差し向けられ、彼はやむなく逃げることに。その途中、捜索犬に噛みつかれ、負傷してしまったニュートンは、サリーの手引きで沼地の奥へと逃げ延びるのでした。
 
 指示された場所で待っていると、案内役としてやって来たのはあのレイチェル。その後彼女に連れられて辿り着いたのは、脱走した黒人奴隷達が身を寄せ合って暮らしている場所でした。その中の1人、首に枷をつけられたままの男・モーゼズと意気投合したニュートンは、彼の枷を外してやることを決めます。しかしそれは同時に、外す時の金属音で捜索犬に見つかってしまうため、捜索隊と一戦を交えなければいけないということを意味していました。それでもニュートンは、黒人奴隷達と示し合わせると、奇襲をかけることで捜索隊を倒すことに成功。その後、同じように逃げてきた黒人奴隷達や、軍の徴収に苦しむ農民達が少しずつ増えていき、次第にニュートンはリーダーとして、彼らを率いていくようになるのでしたが・・・。
 
 南北戦争最中の南軍から脱走し、追われる身となった主人公が、同じように虐げられていた黒人奴隷達や、搾取され続けていた農民達と力を合わせ、自らの自由のために反旗を翻す姿に、痛々しさ以上の雄々しさを感じさせてくれます。こんな人物が歴史の中に埋もれさせられていたことに、驚かされます。
 
 同時に、理不尽に人間の本質を奪うだけの戦争の虚しさや、解放宣言だけでは変わらなかった黒人差別の実態等も赤裸々に描かれ、世界が変わることの難しさを改めて痛感させられます。
「金持ちの戦争を、貧乏人が戦う。」
というニュートンの言葉や、彼の子孫の辿る運命の端々に、それが滲み出ているようです。
 
 展開そのものは、まるで自伝をなぞるようにかなり淡々と進むので、思わず眠くなってしまうかも知れませんが、忘れてはいけない人々の戦いの記憶を、是非ご覧になってみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>
 
 
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