ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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ファンタジーの中で描かれる、本当の自分らしさとは。
 
2017年2月3日公開
監督:ティム・バートン
出演:エイサ・バターフィールド
エヴァ・グリーン
サミュエル・L・ジャクソン 他
 
【賛否両論チェック】
賛:“自分らしくあることの大切さ”という普遍的なテーマが、ファンタジー色満載の世界観の中で描かれるのが印象深い。
否:小さい子が怖がりそうな演出や、グロシーンもあったりするので、家族サービス等には向かない感も。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・結構あり
アクションシーン・・・少しあり
怖シーン・・・急に驚かせるシーンがあり
 
 
 ごく普通の主人公の少年がひょんなことから、奇妙な能力を持つ子供達が暮らす時の中へと迷い込みます。
 
 フロリダで平凡に暮らす少年・ジェイク(エイサ・バターフィールド)は、ホームセンターでのアルバイトの最中、祖父のエイブ(テレンス・スタンプ)からの電話で呼び出されます。ジェイクが幼い頃は、忙しい両親に代わり、よくおとぎ話をして面倒を見てくれたエイブでしたが、最近は認知症なのか、
「奴らから身を守らなければ・・・」
と、うわ言のように繰り返しているのでした。同僚のシェリーの車に乗せてもらい、エイブの家へと向かうジェイクでしたが、途中で白い目をした不気味な男を目撃します。その後家に到着したジェイクは、裏の森の中で息絶えているエイブを発見、その眼は無惨にもくりぬかれているのでした。ところが次の瞬間、死んでいるはずのエイブがジェイクの腕をつかむと、
「“島”へ向かえ。1943年の9月3日だ。“鳥”が教えてくれる。」
と、意味深な言葉を残します。その直後、ジェイクは異形のモンスターの幻影を目撃するのでした。
 
 エイブの死は心臓発作で、眼は野犬に食べられたものだと結論付けられ、ジェイクは精神科医のゴランのカウンセリングを受けることに。それでも“おじいちゃん子”だったジェイクは、なかなか心の傷を癒せずにいました。そんな時、かつてエイブが語ってくれたおとぎ話の中に、イギリス・ウェールズの小さな島と、そこにある屋敷で暮らすペレグリン(エヴァ・グリーン)と不思議な子供達が出てきたことを思い出したジェイクは、野鳥の本を執筆している父親の仕事も兼ねて、ウェールズの離島を目指すことになります。
 
 その島は人口が92人の、とても小さな島でした。島へと着いたジェイクは、早速屋敷を探しますが、見つけたその屋敷は既に廃墟となっていました。宿へと戻ったジェイクは、そこの主人の父親から、ミス・ペレグリンの屋敷は1943年9月3日にドイツ軍の空爆で焼失し、彼女達は全員亡くなっていることを知らされるのでした。気になったジェイクは、翌日も屋敷の跡を訪れますが、そこで彼は謎の子供達と出逢います。彼らに導かれるままに、そばにあった洞窟をくぐり抜けるジェイク。その先は、なんと1943年9月3日のその場所だったのでした・・・。
 
 異質であるがゆえに迫害を恐れ、“ループ”と呼ばれる安全な1日の中で永遠に暮らす子供達と、平凡で退屈な毎日から抜け出し、祖父の遺言に導かれてループへとやって来た主人公。ともすると奇妙な小旅行モノで終わってしまいそうなところですが、主人公には“彼らを守る”という使命と、そのための大切な能力が備わっているという、ハラハラすること必至のストーリーに仕上がっています。
 
 他人とは違う容姿や能力を持った時、子供達のように、閉鎖された同じ1日の中ではあれど、ありのままの自分で生きるのか、それとも他人と同じであることを追い求めた結果、ホローのように我を忘れた異形の怪物へと変わってしまうのか。その恐ろしくも哀しい対比に、“自分らしくあること”の本当の大切さが、伝わってくるようです。
 
 ただ、目玉を食べたりするグロいシーンや、急に驚かせたりする描写もあるので、家族サービスなんかには不向きかも知れません。不思議で奇妙な世界観を、是非お楽しみ下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※エイサ・バターフィールド・・・本作では、奇妙な能力を持つ子供達と出逢うジェイク役。最近の映画では、マーティン・スコセッシ監督の「ヒューゴの不思議な発明」でのヒューゴ役や、宇宙戦争を終わらせる使命を追った少年を描く「エンダーのゲーム」での主演等、話題作に出演されています。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>
 
 
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