本能寺ホテル | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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「やりたいかやりたくないか、やるかやらぬかだ。」
 
2017年1月14日公開
監督:鈴木雅之
出演:綾瀬はるか・堤真一・濱田岳 他
 
【賛否両論チェック】
賛:自分のやりたいことが見つからず、途方に暮れていた主人公が、本能寺の前日にタイムスリップしたことがきっかけで、信長に背中を押される姿が、観ていて勇気をもらえる。同時に、そんな信長の本当の想いや人間としての生き様が、深く描かれているのも印象深い。
否:設定にはやや無理があるか。登場人物の行動にも、人によって賛否がありそう。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・殺害シーン等多数あり
アクションシーン・・・あり
怖シーン・・・基本的にはなし
 
 
 ひょんなことから、とあるホテルのエレベーターと、本能寺の変の1日前とを行き来するようになってしまった主人公を描きます。主演は綾瀬はるかさん。
 
 京都へとやって来た主人公・倉本繭子(綾瀬はるか)。先に来て仕事をしている婚約者・吉岡恭一(平山浩行)の両親に会うためにやって来た繭子でしたが、泊まるはずのホテルの宿泊日を1ヶ月間違えて予約してしまっていました。あいにくその日の京都は、どこに行っても混雑しており、泊まる当てがない繭子は、やむなく京都の町をウロウロしていました。やがて彼女が辿り着いたのは、路地の突き当たりにひっそりと佇む「本能寺ホテル」。ダメ元で空き室がないか聞いてみたところ、支配人(風間杜夫)から空きがあることを告げられ、繭子は喜びながらエレベーターへと乗り込ります。エレベーターの中で、信長が好んだといわれる金平糖を食べ始める繭子。するとその時、ロビーにあった壊れているはずのオルゴールが、キレイな音色を奏で始めるのでした。
 
 繭子が次にエレベーターを降りてみると、なんとそこはどこかのお寺の廊下でした。慌てて振り返ると、そこにエレベーターはなく、あるのは扉だけ。訳が分からずお寺の中をウロウロしていた繭子を呼び止めたのは、織田信長の小姓・森蘭丸(濱田岳)でした。繭子を警戒しながらも、どうやら腹痛に悩まされている様子の蘭丸に、繭子は持っていた胃薬を渡します。蘭丸の腹痛はすぐによくなりますが、彼の腹痛の原因は、この後開かれる信長主催の茶会でした。蘭丸はすぐに繭子を逃がそうとしますが、同僚の大塚(田口浩正)に見とがめられてしまい、とっさに〝異国からの客人”ということにして、繭子も茶会に出席させることにするのでした。事ここに至って、今自分がいる場所がどうやら現代ではないことに、薄々感づき始めていた繭子。実は彼女がタイムスリップしてきていたのは、1582年の本能寺。やがてやって来たのは、織田信長(堤真一)その人でした。
 
 蘭丸に言われるがままに、茶会の隅でジッとしていた繭子でしたが、信長が自身の権力をちらつかせながら、豪商から茶器を強引に献上させるのを見て、納得がいかずに割って入ってしまいます。これに対して信長は大激怒し、繭子を手打ちにしようとします。慌てて逃げ出す繭子でしたが、怒りが収まらない信長に追いかけられ、とっさに物置の中へと逃げ込むのでした。信長はすぐに物置を蹴破りますが、間一髪で繭子の体は元のホテルのエレベーターへと引き戻されます。
 
 狐につままれたような気持ちのまま、繭子はその後、京都の有名な料亭「よし岡」で、恭一の父・征次郎(近藤正臣)と顔を合わせます。実はその料亭の創業者でもある征次郎は、絵に描いたような優しい人柄でした。そんな征次郎に仕事のことを聞かれる繭子でしたが、実は彼女は勤めていた会社が倒産してしまい、現在は求職中の身。しかも繭子にはやりたいことが何もなく、困っているのでした。そんな繭子はその後も事あるごとに、ホテルのエレベーターとかつての本能寺を行き来しながら、織田信長の本当の一面を知っていくのでしたが、同時に彼女はタイムスリップしている先が、あの「本能寺の変」の1日前であることを知るのでした・・・。
 
 誰もが知っている本能寺の変。その前日にタイムスリップしてしまった悩める主人公・倉本繭子が、気難しかった信長と次第に打ち解け、お互いの考え方を知っていく姿が印象的です。
 
 “やりたいことがない”“自分には出来ない”と、どこか後ろ向きな繭子に、
「絶対に出来ないと、誰か決めたのだ?」
「大きい小さいではない。やりたいかやりたくないか、やるかやらぬかだ。」
と、そっと背中を押してくれる信長の言葉は、同じように悩んでいる人にとっては、すごく心に響く言葉だと思います。
 
 同時に信長の方も、
「人々が笑って暮らせる世の中にしたい。」
という想いが先走るあまり、ついつい周囲への配慮を忘れていたところを、繭子の言葉で気づかされるところも、またステキなところです。
 
 タイムスリップの設定には、ちょっと無理がある感も否めませんが、笑って泣けるエンターテイメント作品です。是非ご覧になってみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※鈴木雅之監督・・・本作の監督さん。最近の映画では、木村拓哉さん主演の「HERO」や、堤真一さん主演で大阪にまつわる謎に迫っていく「プリンセス・トヨトミ」等で、監督を務めていらっしゃいます。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>
 
 
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