静かなる叫び | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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言葉を失う。身勝手な凶弾が壊した未来と、一縷の希望。
 
2017年1月14日公開
監督:ドゥニ・ビルヌーブ
出演:マキシム・ゴーデット
セバスティアン・ユベルドー 他
 
【賛否両論チェック】
賛:犯人の凶弾に倒れた女性達の悲劇が淡々と描かれ、胸が締め付けられる。そんな中でも希望の見える終わり方が印象深い。
否:時間軸がやや分かりにくい感がある。全編を通してモノクロなのと、全体として雰囲気が淡々としているのとで、好みは分かれそう。
 
ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・殺害シーン等多数あり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・雰囲気はかなり怖いかも
 
 
 カナダのモントリオール理工科大学で、実際に起きた銃乱射事件を基にしたモノクロ作品です。
 
 1989年12月。外は一面の冬景色の中、大学の寮の一室で、猟銃の用意をしている1人の男子学生の姿がありました。その後彼は、殴り書きで遺書をしたため始めます。それは、
「フェミニスト達を全滅させ、自分も死ぬ。」
といった内容のもの。やがて遺書を書き終えた彼は、猟銃をしまい、車で大学へと向かうのでした。
 
 同じ頃、女子寮で暮らす大学生・ヴァレリーは、機械工学のインターンの面接の準備をしていました。親友のステファニーに励まされながら、大学内の面接会場へと向かったヴァレリー。しかし面接官は昔かたぎの男性で、
「女子大生の志望者は珍しいが、出産の時に辞められるから困るんだ。」
と、彼女を見下した態度をとってきます。それでも結果はなんとか合格。その後ヴァレリーはステファニーと落ち合い、その日の講義のために、教室へと向かうのでした。
 
 講義の直前、広間で小休止をしていたヴァレリーは、友人のジャンから、
「ノートを貸してほしい。」
と頼まれます。講義まではまだ15分もあったため、彼女は快くノートを貸すのでした。ジャンは早速コピー機を使い始めますが、思いのほか時間がかかりそうだったため、途中で次の女子にコピー機を譲り、ヴァレリー達の教室へと向かいます。
 
 時を同じくして、例の男子学生は校内をうろついているところでした。やがて彼は、偶然講義へと向かうヴァレリーとステファニーに目を留め、2人が入っていた教室へ、猟銃を持って乱入します。彼は男子学生と女子学生を分けさせると、男子学生は外へ逃がし、残った女子学生達に銃を乱射。その後は校内を移動しながら、女子学生だけを狙って発砲を続けるのでした・・・。
 
 女性に対して一方的な偏見を抱き、女子学生だけを狙い撃ちするという、まさに卑劣極まりない事件の実像に、背筋が凍ります。しかもそれが実際に起きた事件とあって、その凶行には言葉を失ってしまいます。
 
 犯人の凶弾に、志半ばで倒れていった人々の哀しさは勿論ですが、助かった者の心にも深い傷を残してしまう事実にも、また胸が締めつけられるようです。そんな中、唯一ともいえる希望が垣間見えるラストに、思わず救われます。
 
 時間軸が分かりにくかったり、全編モノクロだったりはしますが、ジェンダーというデリケートな問題に踏み込んだ、注目の作品です。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>
 
 
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