海賊とよばれた男 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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未来を見据えて戦った男。逆境に挫けなかった一代記!!
 
2016年12月10日公開
監督:山崎貴
出演:岡田准一・吉岡秀隆・染谷将太 他
 
【賛否両論チェック】
賛:小さい商店を一代で大会社にした主人公のバイタリティや人柄が、非常に魅力的。降りかかってくる困難を、社員を見捨てずに仲間達とどう乗り越えていくのか、その手腕も感動を呼ぶ。
否:上映時間が長めなので、惹かれないと眠くなってしまいそう。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・傷口のシーンだけあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・基本的にはなし
 
 
 出光興産の創業者・出光佐三をモデルに描いたといわれる小説の映画化です。主演は岡田准一さん。
 
 始まりは1945年、終戦直後の東京。石油会社「国岡商店」の創業者で、60歳になっていた主人公・國岡鐡造(岡田准一)は、奇跡的に空襲を焼け延びた本社に、従業員を集めます。その誰しもが、商店の解散を覚悟する中、鐡造は
「この国は再び立ち上がる。下を向いとう暇はない!!」
と従業員達を鼓舞すると、
「1人もクビにはしない。もしどうしようもなくなったら、みんなで乞食にでもなろう。」
と宣言するのでした。
 
 その後鐡造は、その足で石油配給統制会社に出向き、なんとか石油を回してもらえるように懇願します。しかし彼の若かりし頃から、両者の間には深い因縁があり、社長の鳥川(國村隼)は鐡造の申し入れを固辞。それでも諦められない鐡造は、せめて石油配給統制会社に加われるよう頼みますが、鳥川は
「甘いね・・・」
と言い残すと、部屋を出ていってしまうのでした。気落ちしながら自宅へと戻った鐡造を、家族が出迎えます。笑顔を見せる鐡造でしたが、自室で1人になると、悔しさを露にします。その脳裏には、若かりし日々の出来事が蘇ってくるのでした。
 
 鐡造がまだ27歳の頃、その姿は下関にありました。大手ではない国岡商店の石油は思うように売れず、袖の下を使わない鐡造の商いでは、全く歯が立たないでいました。それでも彼の姿勢に共感し、投資を続けてくれる木田(近藤正臣)の心意気もあり、なんとか策を練っていた鐡造はふと、海の沖合いに浮かぶ漁船に目をとめます。早速彼は、商店に漁船のエンジンを持ち帰ると、重油に代わりダブついている軽油を使用し、問題なく作動することを確認。その後鐡造達は、沖合いの船に燃料を売ることで、商売に活路を見出だしていきます。その後、時に強引とも思える手段で、幾多の妨害や困難を乗り越えていくうちに、いつしか鐡造は“海賊”と呼ばれるようになっていくのでした・・・。
 
 始めは小さな石油商店の店主だった鐡造が、そのバイタリティ溢れる不屈の精神と、媚びることのない真っ直ぐな人柄で、やがて商店を大きく成長させていく様子が、淡々とした中にもしっかりと描かれていきます。店員が油まみれになって重油を汲み出しているのを視察した鐡造が、スーツのまま
「仲間に入れろや!!」
と入ろうとして必死で止められたり、
「服が汚れます!!」
と言われても、
「洗えば落ちる。」
と言ってしっかり抱き合うシーンなんかは、鐡造の人柄がにじみ出ていて、とってもステキです。
 
 同時に、古い慣習や体制に縛られない商店だからこそ、次々と襲い来る困難に対し、知恵や工夫でどう乗り越えていくのか、主人公の手腕にも要注目です。戦時中や戦後を知らない世代でも、胸に響くものがあると思います。
 
 主人公の半生を描いているので、上映時間が長めなのがネックではありますが、それを感じさせない重厚感のある作品です。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>
 
 
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