疾風ロンド | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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シリアスなのにコミカル。シュールな笑いに包まれた、異色のミステリー!!
 
2016年11月26日公開
監督:吉田照幸
出演:阿部寛・大倉忠義・大島優子 他
 
【賛否両論チェック】
賛:しがない研究員が、“スキー場に隠された生物兵器を探す”という突拍子もない事件に巻き込まれ、奮闘する姿が、シリアスな中にも非常にコミカルに描かれていくのが印象的。心が離れてしまった父と子の絆の修復にも注目。
否:終わり方はやや拍子抜け感が残る。笑いも結構シュールなので、人によっては面白くないかも。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・あり
怖シーン・・・基本的にはなし
 
 
 東野圭吾さん原作小説の実写映画化です。雪山に隠された生物兵器を巡り、ダメ研究員がドタバタ劇を繰り広げます。主演は阿部寛さん。
 
 雪山を疾走する、1人のスキーヤー。やがて辿り着いた林の中で、彼は地面に小瓶を埋めると、目印にとテディベアを近くの木にくくりつけます。そしてゴーグルを外すと、
「さぁ、ゲームの始まりだ・・・」
と、不適な笑みを浮かべるのでした。
 
 男の正体は、医科学研究所の研究員だった葛原(戸次重幸)。翌朝、出勤した研究所の研究主任・栗林(阿部寛)は、葛原がワクチンの開発中に作り出してしまった最悪の炭そ菌“K-55”が、保管庫からなくなっていることに気がつきます。慌てて所長の東郷(柄本明)に報告する栗林でしたが、何故か東郷は落ち着いた様子。それもそのはず、東郷の下には葛原から、
「K-55をとある場所に隠した。3億円を用意しろ。」
との脅迫メールが送りつけられていたのでした。警察に通報すれば、違法な研究のことがバレてしまうため、なんとか内密に事を進めたい東郷でしたが、その直後、警察から電話がかかってきます。なんと葛原が、トラックにはねられて亡くなってしまったという連絡でした。
 
 遺体の確認後、それとなく遺品の確認をした栗林と東郷は、葛原のパソコンに残っていた写真から、K-55がどこかのスキー場に埋められていることを突き止めます。そこで栗林は、スノーボードにハマっている息子の秀人(濱田龍臣)に、
「新しいウェアを買ってやるよ。」
と持ちかけ、彼の顔馴染みの店の主人に、写真に写っていたスキー場を調べてもらうのでした。その結果、そこは日本最大級のスキー場「野沢温泉スキー場」だと判明します。葛原が残した発信器の電池が持つのは、あと4日。かくして栗林は、東郷から強引にK-55の回収を指示され、秀人を上手く丸め込んで、野沢温泉スキー場へと向かいます。その後事態は、正義感に燃えるパトロール隊員・根津(大倉忠義)や、スランプ気味のスノーボーダー・瀬利(大島優子)、そしてみるからに怪しげなニット帽の男(ムロツヨシ)をも巻き込んだ、大騒動へと発展していくのでしたが・・・。
 
 “生物兵器を巡るサスペンス”というと、かなりシリアスなものを想像してしまいますが、こちらの内容はかなりコミカル。ダメダメな窓際の主任研究員が、ひょんなことから生物兵器の回収を任され、空回りしながらも周りを巻き込んで奮闘する様が、ユーモアたっぷりに描かれていきます。
 
 同時に、距離が出来てしまった中学生の息子との関係の修復も、この作品の魅力の1つ。お互いに素直になれない父と息子が、事件を通して時にぶつかり合いながら、次第に家族としての絆を取り戻していくのがステキです。
 
 シュールな笑いも結構あるのと、ラストがやや尻すぼまりな感はありますが、スノーボードの魅力も存分につまった異色のミステリーです。是非ご覧下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※志尊淳さん・・・本作では、食事処「カッコウ」を手伝う大学生の息子・高野誠也役。「烈車戦隊トッキュウジャー」での1号役で有名になった方で、最近の映画では芳根京子さん演じるヒロインとの恋模様を描いた「先輩と彼女」や、オムニバス映画「全員、片想い」内での、新川優愛さん演じる噓つきとの恋路を描いた「嘘つきの恋」にも出演されています。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>
 
 
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