聖(さとし)の青春 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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圧倒される。命懸けで挑み続けた勝負師の半生。
 
2016年11月19日公開
監督:森義隆
出演:松山ケンイチ・東出昌大・染谷将太 他
 
【賛否両論チェック】
賛:病と闘いながらも、自らの命を削ってまで将棋の世界で戦い続けた主人公の姿が、時に痛々しく、時に凄みをも感じさせる。
否:展開はかなり淡々と進むので、興味がないと眠くなりそう。将棋の試合内容のスゴさそのものも、あまり伝わっては来ない。
 
ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・おう吐のシーン等があり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし
 
 
 難病と闘いながら将棋に挑み続けた棋士・村山聖(さとし)を描いた小説の映画化です。主演は松山ケンイチさん。
 
 1994年・大阪。朝方、店のガレージを開けた商店の店主は、店の前に1人の青年が倒れているのを見つけ、駆け寄ります。すると青年は、
「おじさん、将棋会館へ連れてって下さい!!」
と訴えるのでした。店主は青年に言われるまま、彼を将棋会館の対局室へと連れていきます。そこでは対局相手が待っており、青年はすぐに将棋の対局を始めます。呆気に取られる店主が下の階へと降りると、そこでは大勢の棋士達が、対局の真っ最中。それを見た店主は思わず、
「あのあんちゃん・・・ナニモンなんや・・・?」
と呟くのでした。
 
 青年の正体は、“怪童”の異名をとる八段・村山聖(松山ケンイチ)でした。幼少の頃、タンパク質が尿へと溶け出してしまう難病・ネブローゼを発症し、入院生活を送っていた聖。そんな彼が病室で出逢ったのが、父親が退屈しのぎにと買ってきた“将棋”だったのでした。以来、将棋に打ち込んできた聖は、世代交代が進む将棋界にあって、一目置かれる存在になっていました。
 
 そんな彼にとって、今1番の目標は、七冠を獲得していた羽生善治(東出昌大)でした。しかし初めて対戦では、聖は完敗してしまいます。そこで一念発起した聖は、羽生の将棋を間近で感じるために、単身での上京を決意。後輩の江川(染谷将太)は反対しますが、師匠の森(リリー・フランキー)は大賛成。東京の将棋会館の橋口(筒井道隆)の協力もあり、聖は東京で将棋の腕を磨き続けます。ところがそんな彼に、病魔は再び“膀胱ガン”という形で襲いかかるのでした・・・。
 
 “怪童”と呼ばれ、その将来を嘱望されながらも、重い病に苦しめられ、それ故に次第に偏屈になっていってしまう主人公の葛藤が、淡々とした中にも切なく描かれていくのが印象的です。
 
 同時に、そんな彼が文字通り命を削りながらも、“将棋”という命懸けの勝負の世界に身を投じ、迫り来る命の終わりと共に戦い続ける姿には、鬼気迫るものを感じます。そしてそんな彼と対峙し、真剣勝負をし合ったからこそ生まれた、羽生善治とのライバル故の絆にも、また考えさせられるものがあります。
 
 展開は淡々としているので、思わず眠くなってしまうかも知れませんが、勝負の世界に生きた1人の男の生き様を、是非ご覧になってみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※新木優子さん・・・本作では、聖が大阪時代に通い詰めていた書店の店員役。新進気鋭の女優さんで、最近の映画では、実在するインターンシップに挑戦する女子大生を描いた「インターン!」での主演や、難病の青年と見習いピエロの恋路を描いた「泣き虫ピエロの結婚式」等にも出演されています。2017年には、Hey! Say! JUMPの中島裕翔さんと共演した「僕らのごはんは明日で待ってる」にも出演していらっしゃるので、そちらにも注目です。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D
 
 
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