溺れるナイフ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

<ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

観たい映画に迷った時は、このムービーナビをご活用下さい。現在公開中の映画の中から、目的や好みに合わせた映画を探せます。

※「声に出して読みたい映画のセリフ in 2018」 4月8日発売♪

理解は出来ても共感はしづらい?独自の世界観で描く、若すぎる愛の物語。

 

2016年11月5日公開
監督:山戸結希
出演:小松菜奈・菅田将暉・重岡大毅・上白石萌音 他

 

【賛否両論チェック】
賛:同じように居場所をなくした少年少女が、互いに惹かれ合い、惹かれ合う故に傷つけ合ってしまう様が、痛々しくも切なく描かれていくのが印象的。楽曲や自然の描写等、世界観も独特。
否:主人公達の言動にはなかなか共感しにくい部分も多く、腑に落ちるかどうかは観る人次第。展開もかなりのご都合主義か。

 

ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・少しあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・雰囲気は少し怖い部分があるかも

 

 

 少女コミックの実写映画化です。田舎へと引っ越してきた人気モデルの少女と、自由奔放に生きる少年との恋模様を描きます。主演は小松菜奈さんと菅田将暉さん。

 

 東京で人気ティーンモデルとして活躍していた中学生・望月夏芽(小松菜奈)。しかし今回、両親が祖父の営む旅館「あづまや」を手伝うことになり、田舎の浮雲町へと引っ越してきます。歓迎の宴会の席が退屈で1人抜け出し、立ち入り禁止の浜辺へとやって来た夏芽は、そこで悠々と泳ぐ1人の少年を見つけます。彼こそがこの辺り一体の土地を所有する長谷川家の息子・“コウ”こと航一朗(菅田将暉)でした。翌日登校した夏芽は、たちまちクラスの人気者になりますが、同じクラスだったコウは、そっけない態度をとり続けるのでした。

 

 その後、自由奔放なコウに惹かれながらも、対抗意識を燃やす夏芽は、人気写真家・広能(志磨遼平)からの誘いを受け、浮雲で写真集の撮影を敢行します。ところが林の中での撮影中、どこからか飛んできた小石が、広能に当たります。投げたのはコウ。慌てて追いかける夏芽を小馬鹿にするかのように、コウは逃げていってしまうのでした。それでもお互いを意識し合う2人が付き合うようになるまでに、時間はかかりませんでした。

 

 いつも自由奔放なコウに振り回されながらも、充実した毎日を送る夏芽。やがて広能が撮るという映画への出演も決まり、その前途は順風満帆かと思われました。ところが事件は、浮雲で毎年行われる火祭りの夜に起こります。祭りに演者として出演するコウを観に来ていた夏芽の下へ、あづまやに宿泊していた男がやって来ると、
「おじいさんが倒れて、病院に運ばれた。」
と告げられ、一緒に病院へと向かうことに。しかし実は男の正体は、夏芽によこしまな想いを抱いていたストーカー。幸いにも、男に連れていかれる夏芽の姿を、コウや同級生のカナ(上白石萌音)が目撃していたため、夏芽は間一髪のところで助けられますが、夏芽は心ない噂の的になってしまい、コウとも絶縁状態に追いやられてしまうのでした・・・。

 

 片や、華やかな世界から急に何もない現実へと引き戻され、居場所を失っていた夏芽。そして片や、地主の息子で自由奔放であるが故に、同じように居場所をなくし、破滅的な生き方しか出来ずにいるコウ。2つの孤独な魂が、ぶつかり合いながらも惹かれ合い、惹かれ合うが故に傷つけ合ってしまう、そんな青春時代ならではの歯がゆい感情が、独特の世界観と共に描かれていくのが印象的です。

 

 ただ、夏芽の行動やコウの言葉の端々には、理解は出来てもやや納得しづらい部分も多く、共感出来るかどうかは観る人次第なところがありそうです。

 

 展開もかなりのご都合主義で、ツッコミどころもありますが、居場所をなくした者達がもがく青春の生き様を、是非ご覧になってみて下さい。

 

 

【ワンチャン・ポイント】
※上白石萌音さん・・・本作では、主人公・夏芽の友人であるカナ役。最近の映画では、「君の名は。」でのヒロインの三葉役や、「舞妓はレディ」の主役、そして広瀬すずさん主演の「ちはやふる」にも、かるた部のチームメイトとして出演していらっしゃいます。

 

オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>

 

 

<「映画の通信簿2016」発売決定!!>