映画 聲の形 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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重たいけれど、大事なテーマ。傷ついた者達の確かな絆。
 
2016年9月17日公開
監督:山田尚子
出演(声):入野自由・早見沙織・悠木碧 他
 
【賛否両論チェック】
賛:傷つき、生きる意味を見失っていた主人公が、かつて傷つけた相手と再会し、次第に惹かれていく様子が、切ない雰囲気の中で描かれるのが印象的。その過程で少しずつ他人の声を聴こうと、必死で心を開いていこうとする姿にも、またグッとくるものがある。
否:イジメや自殺未遂等、重たいテーマが続くので、軽い気持ちでは観られない。
 
ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・流血シーンが少しあり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・イジメのシーンが少しあり
 
 
 アニメ映画です。かつてイジめていた、聴覚障害を持つ少女と再会した少年が、彼女との日々を通して変わっていく姿を描きます。
 
 主人公は高校生の石田将也(声:入野自由)。姉とその娘と共に、姉の美容室で暮らしている将也はその日、高い橋から飛び降りて死ぬつもりでした。その日に合わせてアルバイトを辞め、銀行から今まで貯めた170万円を下ろすと、親代わりに育ててくれた姉の枕元にその金を置き、家を出た将也。しかしいざ橋の欄干に立つと、結局飛び降りることは出来ませんでした。
 
 彼がそこまで思いつめた原因は、小学6年生の時にありました。当時、やんちゃでイジメっ子だった将也(声:松岡茉優)のクラスにある日、耳が聞こえない少女・西宮硝子(声:早見沙織)が転校してきます。硝子は筆談用のノートを持っており、クラスメートもそのノートを使って、彼女と会話をするようになりますが、次第にその煩わしさや、空気を読むことが出来ない硝子に、クラスの雰囲気はぎくしゃくしていきます。中でも気の強い植野直花(声:金子有希)は、あからさまに硝子を毛嫌いするようになり、将也もまた軽い気持ちで硝子にちょっかいを出すようになるのでした。しかしその後、イタズラは次第にエスカレートし、イジメの領域へと変わっていきますが、それでも怒らずにいつも笑顔を見せる硝子に対し、将也はイライラを募らせます。やがて硝子は学校に来なくなってしまいますが、先陣を切ってイジメをしていた将也は、他のクラスメートから槍玉に上げられ、今度は将也が硝子と同じようなイジメに遭うことになってしまうのでした。
 
 それから月日は流れ、現在。罪滅ぼしの気持ちから手話を覚えた将也は、死のうとしていたその日、橋へと向かう前に、今の硝子が通っている手話教室を訪れていました。将也に驚いて逃げ出す硝子に追いつくと、将也は手話で謝罪をし、ずっと返せないでいた筆談ノートを渡します。これが2人の久しぶりの再会となったのでした。実は将也は、今も学校で浮いた存在で、クラスメートの顔もろくに見られずにいましたが、そんな彼にもふとしたきっかけで、永束(声:小野賢章)という親友が出来ます。そしてずっと離れたままだと思っていた硝子との心の距離も、少しずつ縮まっていくのでしたが・・・。
 
 軽い気持ちでイジめていたことが、全て自分に返ってきて、初めて他人の痛みに気がついた将也。彼が死ぬ前の身辺整理のつもりで再会したイジメの相手・聴覚障害を持つ硝子と打ち解け、次第に心惹かれていく姿が、切なくも温かな雰囲気の中で描かれていきます。
 
 イジメや自殺未遂等、重たいテーマではありますが、思春期の主人公達が葛藤し、ぶつかり合いながらも彼らなりの答えを探そうと模索していく様子に、胸が熱くなるようです。心を開けない相手の顔に「×」がかかって見える演出も意味深ですし、
「君に、生きるのを手伝ってほしい。」
というセリフは、本当に心に残る名言だと思います。
 
 なかなか気軽に観られる作品ではないかも知れませんが、生きることを改めて考えさせられる、そんな1本です。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>
 
 
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