何者 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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開始80分の衝撃。豪華キャストの就活悲喜こもごも。


2016年10月16日公開
監督:三浦大輔
出演:佐藤健・有村架純・二階堂ふみ・菅田将暉・岡田将生・山田孝之 他


【賛否両論チェック】
賛:就職活動に挑む主人公が、次第に周りの人間達の違う一面を知るようになり、葛藤していく姿に、思わず考えさせられる。ツイッター等の現代を象徴するようなツールを駆使した演出は勿論のこと、開始80分辺りからの意外な展開や、耳に残る主題歌、そしてなにより超豪華なキャストと、見どころも満載。
否:就職活動を経験していないと、そもそもの感情移入は難しい。時間軸も分かりにくい。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし



 現代を生きる若者達の“就活”模様を描いた作品です。主演は佐藤健さん。


 学生バンド「overmusic」の引退公演。ボーカルを務める光太郎(菅田将暉)の友人・拓人(佐藤健)は、就活帰りにスーツ姿で公演に訪れ、2階席からその様子を眺めていました。するとそこへ、留学から帰国したばかりの瑞月(有村架純)が、声をかけてきます。光太郎の元カノで、拓人がずっと淡い恋心を抱いている瑞月は、
「光太郎・・・歌上手くなったよね・・・」
と、染々とつぶやくのでした。実はルームシェアもしている、大学生の拓人と光太郎。かつては拓人も演劇サークル「劇団プラネット」に所属しており、先輩のサワ(山田孝之)の下で、脚本の執筆や舞台の出演に情熱を注いでいましたが、今は演劇とは距離をとって、就職活動に明け暮れる日々を送っていました。なにかと分析屋で、どこか冷めたところのある彼は、小さな劇団を立ち上げて今も劇団を続けているかつての演劇仲間のツイートを見ながら、内心鼻持ちならない想いをしているのでした。


 そんなある日のこと、合同説明会から帰宅した拓人と光太郎の部屋を、同じくスーツ姿の瑞月が訪れます。実は真上の階に友人が住んでいて、一緒に就活の対策を練ったりしているという瑞月に連れられ、2人もその友人・ユカ(二階堂ふみ)の部屋へ。すっかり意気投合した4人は、ユカの部屋を就活対策本部にして、共に立ち向かっていくことを決めるのでした。一方で、ユカは演劇志望の隆良(岡田将生)と同棲しており、拓人達は自然と隆良とも交流を深めることに。しかし、
「就活生みたいに流されたくない。俺は俺で生きていたいから。」
と豪語する隆良に、拓人達は面食らってしまいます。


 こうして拓人達は、互いに情報交換をしながら就職活動に悪戦苦闘していきます。同時に拓人は、光太郎の秘めた想いやユカの葛藤、隆良の意外と脆い一面やサワ先輩の拓人への見方、そして瑞月の苦しい現状等、これまで知るよしもなかった周囲の人々の内心に気づかされていくのでしたが・・・。


 先の見えない就職活動に、ツイッターを駆使しながら挑んでいく大学生達の姿を通して、様々な人間が持つ様々な多面性を浮き彫りにしていく、なんとも面白い作品です。特に開始から80分後に明らかになる真実はちょっと驚きで、
「おっ!」
となること請け合いです(笑)。


 反面、終わり方はやや尻すぼまりで、消化不良感が残りそうです。時間軸も分かりにくいほか、そもそも“就職活動”というもの自体、人によっては感情移入しづらいと思います。


 良くも悪くも、現代を生きる若者達の葛藤を浮き彫りにする、不思議な雰囲気の作品であることは間違いありません。クセになる主題歌と共に、是非ご覧下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※冨手麻妙さん・・・本作では、(恐らくですが)拓人達が最初に参加した飲み会のシーンに登場されています。最近の映画では、「映画みんな!エスパーだよ!」での川の船頭役や、「女子高」でのいじめっ子役等が有名なところです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>



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