高慢と偏見とゾンビ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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まさに異色作。純文学とパニック映画の、奇跡の融合。

2016年9月30日公開
監督:バー・スティアーズ
出演:リリー・ジェームズ
サム・ライリー 他

【賛否両論チェック】
賛:純文学とゾンビという、異色の組み合わせが面白い。その独特な世界観の中で、反発していた者同士が愛に目覚めていく様が描かれていくのが新鮮。
否:展開がかなり淡々としていて文学的なので、苦手な人は眠くなってしまいそう。

ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・結構あり
アクションシーン・・・結構あり
怖シーン・・・急に驚かせるシーンがあり


 純文学小説「高慢と偏見」が、ゾンビに感染しました(笑)。主演はリリー・ジェームズ。

 物語の舞台は、18世紀のイギリス。世界では、感染するとゾンビ化するウィルスが蔓延しており、人類は少しずつその生活区域を追われていました。今では、裕福な貴族達は防備を固めた田舎へと移住しており、未婚の姉妹5人を養うべネット家もその1つでした。結婚出来ず、ゾンビと戦うための武術を磨くばかりの彼女達の隣り近所に、有名な家柄のビングリー(ダグラス・ブース)の一家が引っ越してくることになり、5人は花婿を探すべく、着飾ってパーティーへと向かうのでした。

 ところが、次女のエリザベス(リリー・ジェームズ)だけは、結婚に全く関心がなく、あからさまに退屈な態度を示します。と、そんなパーティーに、ビングリーの旧友でもあるダーシー大佐(サム・ライリー)が訪れます。彼もまた、パーティーには全く興味がない様子でしたが、そんなダーシーを差し置いて、エリザベスは外の空気を吸いに出るのでした。するとそこへ、死んだはずの貴婦人が姿を現すと、
「話があるの・・・」
と歩み寄ってきます。ところが次の瞬間、ダーシーがピストルで婦人の頭を撃ち抜いてしまいます。それが合図となったかのように、パーティー会場にも大量のゾンビ達がなだれ込んできます。しかし、そこは武術に長けたべネット家の姉妹達。華麗な剣裁きで、見事返り討ちにしてしまうのでした。

 一方、ビングリーはというと、どうやら長女のジェイン(ベラ・ヒースコート)に好意を抱いた様子で、後日彼女をディナーに招待します。ジェインもその気で、意気揚々と出かけていきますが、その途中、襲ってきた男のゾンビを倒します。しかしその後ろにいたのは、なんと男の妻のゾンビと、まだ幼い赤ん坊のゾンビ。あまりにも過酷な現実に、ジェインはひどくショックを受けてしまうのでした。その後、ビングリーの家へと辿り着いたジェインでしたが、彼女は体調を壊しており、滞在しているダーシー達は感染を疑います。一方、知らせを聞いて駆けつけたエリザベスは、ジェインを警戒するダーシーに不快感を露にします。やがてこの2人が恋仲になっていこうとは、この時はまだ誰も想像するしていませんでした・・・。

 純文学がベースの物語なのに、舞台がゾンビウィルスの蔓延した世界という、まさに異色の組み合わせが斬新です。毛嫌いしていたはずなのに、次第にお互いがどこか惹かれ合っていくとの姿が印象的です。
「人類が持つ最強の武器は“愛”。」
という言葉が、非常に説得力を持って聞こえます。

 ただやはり難点は純文学小説の映画化なので、物語がかなり詩的なところ。ゾンビ映画を期待して観ると、淡々としていて思わず眠くなってしまいそうです(笑)。

 基本的には元ネタが好きな方向けの、変わり種の作品といえそうです。


【ワンチャン・ポイント】
※リリー・ジェームズ・・・本作の主演。最近の映画では、なんといっても実写映画化された「シンデレラ」での主演でお馴染みの方ですが、他にもサム・ワーシントン主演の「タイタンの逆襲」や、ブラッドリー・クーパー主演の「二ツ星の料理人」等にも出演していらっしゃいます。

オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>


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