ハドソン川の奇跡 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

<ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

観たい映画に迷った時は、このムービーナビをご活用下さい。現在公開中の映画の中から、目的や好みに合わせた映画を探せます。

※「声に出して読みたい映画のセリフ in 2018」 4月8日発売♪

押し寄せる深い感動と、人命を救った英雄の苦悩。

2016年9月24日公開
監督:クリント・イーストウッド
出演:トム・ハンクス
アーロン・エッカート 他

【賛否両論チェック】
賛:瞬時の決断で多くの人命を救った機長の毅然さと、命を助けるために奔走した人々の心の温かさに、思わず泣けてしまう。同時に、事故後の一連の疑惑の様子も詳細に描かれ、苦悩する主人公の姿にも、改めて考えさせられる。
否:ストーリーのメインは「事故の後の人間ドラマ」なので、奇跡の生還劇自体のドラマとしてみると、やや物足りない感は残るかも。

ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・なし


 クリント・イーストウッド監督最新作です。2009年に実際に起きた、旅客機不時着事故を描きます。主演はトム・ハンクス。

 市街地上空を飛ぶ旅客機。やがて制御を失ったその飛行機は、ビル街へと墜落してしまうのでした。ここで悪夢から目覚めた主人公、チェズレイ・サレンバーガー(トム・ハンクス)。彼こそがその直前の1月15日、ハドソン川への不時着によって乗客乗員155名全員を救い、一躍時の人となった機長でした。その後彼は、副操縦士のジェフリー・スカイルズ(アーロン・エッカート)と共に、国家運輸安全委員会の事情聴取に臨みます。

 ところが委員会の面々は、チェズレイの判断に懐疑的な見方を示します。事件発生時、バードストライクによって両エンジンが停止したため、機は当初、離陸したばかりのラガーディア空港へと引き返そうとしましたが、チェズレイは高度不足から不可能と判断。管制塔は近くにあるテターボロ空港への緊急着陸を提案しますが、チェズレイはそれも無理だと直感し、40年以上の経験から瞬時の判断でハドソン川への不時着を決断・決行しました。しかし委員会は、
「コンピューターのシミュレーションでは、ラガーディアとテターボロのどちらにも着陸出来た。」
とする調査結果を示すのでした。

 自分の判断が正しかったのか、自問自答するチェズレイでしたが、乗ったタクシーの運転手を始め、世論は口々に彼を称賛。ジェフリーや妻のローリー(ローラ・リニー)、組合の面々も、彼を励ますのでした。しかしそこへ追い打ちをかけるように、
「左のエンジンが動いていた可能性がある。」
という、衝撃の分析結果が伝えられるのでした・・・。

 乗客乗員の生命を背負い、瞬時の判断を迫られる中で、究極の決断を敢行、見事に成功させた機長の技術・精神力に、まずは頭が下がります。そしてそんな状況下にあって、多くの人々が協力し合ったからこそ、極めて困難な救出劇が生まれたことに、思わず涙腺が緩くなってしまいます。病院へと向かった機長が、
「生存者・・・155名。」
という報告を聞き、安堵する瞬間なんかが、観ていて感動的です。

 同時に、多くの人命を救ったはずの機長が、
「その判断で、逆に乗客乗員を危険にさらしたのでは・・・?」
という疑惑をかけられ、自身でもその疑念に苛まれていってしまう姿に、なんともやりきれない想いも感じます。それでもラストのシーンは、機長の毅然とした姿勢にある種の痛快感もあって、非常にステキです。

 極限状態の中で、人々の持つ心の温かさに触れることの出来るような、そんな作品に仕上がっています。


【ワンチャン・ポイント】
※アーロン・エッカート・・・本作では、副操縦士のジェフリー・スカイルズ役。最近の映画では「ダークナイト」での判事役で有名ですが、他にも「世界侵略:ロサンゼルス決戦」や「アイ、フランケンシュタイン」での主演、「エンド・オブ・ホワイトハウス」「エンド・オブ・キングダム」でのアメリカ大統領役でも出演していらっしゃいます。


オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>


<「映画の通信簿2015」発売中!!>