セルフレス 覚醒した記憶 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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タイトルが持つ本当の意味。近かりし未来のSFスリラー。


2016年9月1日公開
監督:ターセム・シン
出演:ライアン・レイノルズ
ベン・キングスレー 他


【賛否両論チェック】
賛:新しい肉体を手に入れた主人公が、その身体の持ち主の家族との間で苦悩し、葛藤していく様が印象的。ハラハラする緊迫なアクションの中にも、人間ドラマが重厚に描かれている。
否:展開はかなり都合よく進むので、やや違和感がある。設定も結構ツッコミどころが多く、荒唐無稽感も否めない。


ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・殺害シーン等多数あり
アクションシーン・・・かなりあり
怖シーン・・・雰囲気は少しだけ怖いかも



 科学技術によって、若い肉体を手に入れたはずの大富豪が、その肉体の出生を巡り、思わぬ争いに巻き込まれていきます。主演は「デッドプール」のライアン・レイノルズ。


 大物建築家のダミアン・ヘイル(ベン・キングスレー)は、その日も旧知の仲であるマーティン(ビクター・ガーバー)と共に、ランチをしていました。その席に、彼を“老人”と批判する駆け出しの建築家・アントン(デレク・ルーク)を招いたダミアンは、アントンを皮肉たっぷりにあしらいます。アントンは激昂し、
「余命1年のくせに!!」
と捨てゼリフを残すと、立ち去ってしまいます。その後ろ姿を見ながら、苦笑いする2人。実はそんなダミアンは、末期のガンに冒されており、余命は既に半年と宣告されているのでした。食事を終え、帰りの車に乗り込んだダミアンは、自身の名刺入れに、見慣れない“フェニックス社”の名刺が入っているのを発見、裏には
「力になってくれる。」
と、誰かの手書きのメッセージが添えられていました。そしてそんな彼の車を、何者かが尾行しているのでした。


 半信半疑のまま、フェニックス社を訪れたダミアンは、オルブライト(マシュー・グード)という社員から説明を受けます。彼によるとフェニックス社では、人類にとって有益な人物の意識を、人工的に培養した新しい肉体に移植することで若返らせようという、“脱皮神経学”の研究を行っているとのことでした。悩んだ末に移植を決めたダミアンは、疎遠になっていた娘・クレア(ミシェル・ドッカリー)の下を訪れますが、移植はおろかガンのことも知らないクレアは、彼を敬遠。結局物別れに終わってしまうのでした。その後ダミアンはオルブライトの指示の下、ニューオーリンズにいるマーティンとカフェに行きますが、予めコーヒーに入れられていた薬物によって、ダミアンは発作を起こしてしまいます。実はこれはオルブライトによる工作で、ダミアンが表向きには死んだように見せかけるためのもの。その後、救急車でフェニックス社のラボへと運ばれたダミアンは、数百億という大金を払い、移植を受けるのでした。


 こうして、新しい肉体(ライアン・レイノルズ)を手に入れたダミアン。ラボの中で、新しい肉体に慣れるリハビリを経て、彼は“エドワード・キドナー”という名前で、新しい街での生活を始めるのでした。新しい友人も出来、エドワードとして毎日を満喫するダミアンでしたが、一方で彼は謎の幻覚にも悩まされており、フェニックス社から処方される薬を定期的に飲まなければなりませんでした。そんなある日のこと、ついつい薬を飲みそびれてしまった彼は、幻覚によって倒れてしまいます。そこで彼が見たのは、病気であろう幼い少女が、彼のことを呼んでいる姿でした。ダミアンはオルブライトに相談しますが、オルブライトは
「気分転換に、ハワイへ行ってくるといい。薬は倍にしておく。」
と告げるだけ。しかも、話していないことまで口を滑らせるオルブライトに、ダミアンは不信感を募らせ、夢に出てきた“カボチャの描かれた給水塔”をネットで調べると、ハワイへ発つフリをして、その場所を訪れます。そこで彼が知ったのは、今の自分の体が造られたものではなく、“マーク”という元軍人が、病気の娘・アナを救うために献体となったものだという、衝撃の事実でした・・・。


 死を前にして、「人工培養された新しい肉体」という言葉を信じ、身体を若返らせた主人公が、その肉体の本来の持ち主の家族と出逢ったことで、予想だにしなかったトラブルや葛藤に巻き込まれていく様子が、緊迫感の中にも重厚に描かれていくのが印象的です。苦悩する主人公の決断も、また見どころの1つだと思います。


 アクションもありますが、正直そこまでド派手なものではなく、むしろそこにある人間ドラマがしっかりと映し出されているようです。


 展開はかなりのご都合主義で、都合よくポンポン進んでいく感はありますが、現実にも起こりうる近未来のSFスリラーを、是非お確かめ下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※ベン・キングズレー・・・本作では、主人公のダミアン・ヘイル役。最近の映画では、「ヒューゴの不思議な発明」や「ディクテーター 身元不明でニューヨーク」、「エンダーのゲーム」や「エクソダス 神と王」、「ナイトミュージアム エジプト王の秘密」や「ザ・ウォーク」等々、話題作に多数出演されています。また、ジャングルで生きる少年を描いた「ジャングル・ブック」では、少年を拾った黒豹・バギーラの声を担当しています。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>



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