ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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後味の悪さだけが残る。裏社会を生きる人々の過酷な生き様。

2016年9月3日公開
監督:熊切和嘉
出演:松田翔太・浜野謙太・須賀健太 他

【賛否両論チェック】
賛:裏社会を舞台に、奮闘する主人公と半狂乱の犯人の物語が、それぞれに綴られていくのが印象深い。演者さん達の熱演・怪演も見どころ。
否:不条理な暴力が浮き彫りになるだけで、伝えたいことはよく分からない。

ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・暴力シーン等多数あり
アクションシーン・・・少しあり
怖シーン・・・雰囲気は結構怖いかも


 ドラマの劇場版です。不法入国者達が暮らす裏社会の治安を守る、“裏警察”の主人公を描きます。主演は松田翔太さん。

 15万人もいるとされる、東京に住む不法入国者。彼らは裏社会に都庁や病院、銀行までも作り、生活をしていました。物語の主人公は、そんな“裏警察”の警察署長・久保塚早紀(松田翔太)。相棒の鈴木(浜野謙太)はいるものの、あまり役には立たず、久保塚はほぼ1人で裏東京の治安を守っていました。そんなある日のこと、水商売をしていた女性・マリアが誘拐され、知人の女性に身代金100万円を要求する電話がかかってきます。久保塚は二日酔いの体を押して捜査を開始、指定された口座に金を振り込ませる一方で、犯人達が潜伏するホテルを特定し、鈴木と共に踏み込むのでした。しかしあと一歩遅く、マリアは惨殺されており、犯人達も久保塚の目前で逃げ仰せてしまうのでした。

 犯人は、密入国者の周(須賀健太)と林(NOZOMU)の2人。彼らは上納金を集め、密入国者のギャング「DIRTY YELLOW BOYS」へ加わろうとしていましたが、仲介したヤクザ・横島忠男に上前をはねられてしまい、憤慨した周は林に命じ、横島を撃ち殺してしまうのでした。その後、DIRTY YELLOW BOYSの東京支部を訪れた周と林は、支部長を射殺すると、虐げられていたメンバーと共に、行動を開始。全国に5ヶ所ある支部の支部長を皆殺しにしようと企み、まずは資金集めに現金輸送車を襲撃しようとするのでした。

 一方久保塚の下には、兄弟分の横島を殺された若頭・伊佐久が、犯人の手がかりを聞き出そうとやってきます。ヤクザ達に袋叩きにされる久保塚でしたが、如何せん彼も何も分かりません。そんな久保塚に伊佐久は札束を渡すと、
「周と林を捕まえて、引き渡せ。」
と告げますが、久保塚はこれを拒否。あくまでも2人を“逮捕”しようとするのでしたが・・・。

 一般市民が足を踏み入れることのない裏社会を舞台に、独自の正義を胸に孤軍奮闘を続ける主人公と、幼い頃から虐げられ、歪んだ感情が交錯し続けてきた犯人との人間模様が、それぞれの立場から描かれていくのが印象的です。演者さん達の鬼気迫る演技からも目が離せません。

 一方で、終わり方の後味の悪さは半端なく、最終的に伝えたいことも、正直よく分からなかったりします。

 サスペンスとしてもかなり物足りない感がありますが、ドラマ版の知識がなくても楽しめますので、ちょっとでも気になった方は是非。


【ワンチャン・ポイント】
※須賀健太さん・・・本作では残忍な犯人・周役。最近の映画では、「ALWAYS 三丁目の夕日」や「青鬼」、「劇場版 媚空 ビクウ」や「シマウマ」等に出演されています。「シマウマ」では狂気に満ちた回収屋を怪演していらっしゃいましたが、本作でもなかなかのクレイジーな役どころですので、要注目です。

オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>

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