ふきげんな過去 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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シュールもここまでくれば哲学的。好みは真っ二つの人間ドラマ。

2016年6月25日公開
監督:前田司郎
出演:小泉今日子・二階堂ふみ・高良健吾 他

【賛否両論チェック】
賛:平凡な毎日に悩む女子高生が、自由奔放過ぎる叔母と出逢ってその価値観に触れるうちに、次第に閉塞的な毎日を少しだけ変えていく様子が心に残る。シュールな笑いも、見方によってはおかしくて楽しい。
否:コミカルなシーンはかなりシュールで、物静かな場面も非常に多いので、興味を惹かれないと眠くなること必至。好き嫌いはものすごくはっきりと分かれそう。

ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・少しあり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・基本的にはなし


 平凡な毎日に飽き飽きしている女子高生の家に、死んだはずの叔母がやってきます。主演は小泉今日子さんと二階堂ふみさん。

 主人公は、北品川にある小料理屋の娘の高校生・果子(二階堂ふみ)。夏休みで暇を持て余している彼女は、毎日のように近くの運河でワニを探したり、近所の喫茶店で頻繁に現れる謎めいた男(高良健吾)を観察したりしていました。そして夕方自宅に帰ると、小学生の姪っ子・カナの面倒を見させられるのでした。

 そんなある日のこと、果子の一家の下を、とある1人の女性が訪れます。ところがその顔を一目見るなり、その場にいた親族は全員驚き、彼女と熱い抱擁を交わすのでした。訳が分からず混乱する、果子とカナ。実はその女性は、18年前に事件を起こして服役後、失踪して死んだとされていた果子の叔母・未来子(小泉今日子)だったのでした。

 そうは言っても、死んだはずの未来子が外を出歩く訳にも行かず、彼女は果子達の家に転がり込むことに。しかも果子の部屋を共同で使うことになってしまい、果子は嫌悪感を露にします。そんな中、例の喫茶店の男の後をつけた果子は、逆に男の部屋に招き入れられます。男の正体は、なんと十数年前に近所で誘拐された“康則ちゃん”。そして男は、自分と未来子が〝とある組織”から追われている身であることを告げられるのでした・・・。

 「人生はほとんど予想通りのことしか起きない。仮に起きても、すぐに予想の範囲内になる。だから、人生ってつまんないものなんだよ。」
と平凡な毎日を嘆きながらも、どこかで達観している果子が、突然やってきた死んだはずの叔母に翻弄されながらも、何となく退屈な毎日に風穴を開けていく姿が、どこかおかしくも微笑ましく描かれていくのが印象的です。2人の名前が果子(過去)とミキ(未来)コなのも、遊び心があってステキですね。

 一方で、作品自体にはコミカルなシーンが数多く登場する訳なんですが、その笑い自体がかなりシュールなので、楽しめるかどうかは観る人次第になりそうです。笑える人にはメッチャ笑えそうですし、笑えない人には全く面白くなくて苦痛だと思います。個人的には、“「海苔の安田」の奥さん”やシナモンスティックのくだりが好きでした(笑)。

 気に入るか気に入らないか、1度試しにご覧になってみるのをオススメします。


【ワンチャン・ポイント】
※黒川芽以さん・・・本作では夏子の叔母・レイ役。最近の映画では「愛を語れば変態ですか」での主演を始め、「走れ、絶望に追いつかれない速さで」「忍者狩り」「きみはいい子」「福福荘の福ちゃん」「劇場版 東京伝説 歪んだ異形都市」「僕たちの家族」等々、挙げれば枚挙にいとまがありません。これからもその活躍に期待大です。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D


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