嫌な女 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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憎たらしいのに憎めない。女同士の不思議な“絆”。

2016年6月25日公開
監督:黒木瞳
出演:吉田羊・木村佳乃・中村蒼 他

【賛否両論チェック】
賛:内向的だった主人公が、奔放な従姉妹の尻拭いをしていくうちに、次第に自分の気持ちに素直になっていく様子が、切なくも温かく描かれる。癖があるのにどこか憎めない登場人物達もステキ。
否:登場人物の人間関係がやや複雑で、少し分かりにくいか。


ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし


 黒木瞳さん初監督作品です。奔放な従姉妹に振り回される、生真面目な弁護士の女性を描きます。主演は吉田羊さん。

 始まりは幼少期でした。徹子は従姉妹の夏子とお揃いのヒマワリのワンピースを、祖母からプレゼントされます。引っ込み思案な徹子は、母親に促されてようやくお礼を言いますが、次の瞬間、夏子が徹子のワンピースを引ったくると、ハサミでビリビリに破いてしまいます。その場にいた全員が呆気に取られるのをよそに、夏子は
「他人と同じなんて、絶対に嫌!!」
と言い放つのでした。

 その後の徹子(吉田羊)は、他人との関わりを避けながら勉学に励み、やがて見事司法試験に合格、晴れて弁護士として小さな法律事務所で働くようになります。そして結婚し、順風満帆な毎日を送って・・・いるはずでしたが、元々他人に心を開かない徹子は、結婚してからは“誰かといると余計に感じる虚しさ”に苛まれる日々でした。そんなある日のこと、法律事務所に彼女を訪ねてきた依頼人がいました。それこそが、久しぶりに再会した夏子(木村佳乃)なのでした。夏子は徹子に、
「婚約を解消した相手から、慰謝料を請求されているから、取り下げさせてほしい。」
と相談されます。従姉妹であるのをいいことに、報酬を払う気のない夏子に半ば呆れながらも、徹子はその婚約相手の下を訪れるのでした。

 ところがいざ相手に会ってみると、それは農家の真面目な好青年で、
「夏子は、自分が持っているマンションの名義を変えさせようとし、ダメだと分かると途端に婚約を破棄してきた。」
とのこと。話を聞けば聞くほど、徹子は
「夏子が実は結婚詐欺をしているのでは・・・?」
と疑うようになっていきます。早速電話で問いただそうとしますが、夏子は全く聞く耳を持たないばかりか、青年との話し合いの場に勝手に乗り込んでくると、自ら請求を取り下げるよう懇願します。結局青年は、夏子の言葉に負け、慰謝料請求を取り下げるのでした。

 しかしこれで終わりかと思ったのも束の間、再びやってきた夏子は、
「頼まれて売った絵の代金を、返還するよう請求されている。」
と、また徹子を頼ってきます。渋々依頼された件を調べていった徹子は、夏子が絵画詐欺にも手を染めていることを知るのでした。一方私生活では、徹子は夫との溝を埋めることが出来ず、
「しばらく距離を置いた方がイイ・・・」
と告げられてしまうのでしたが・・・。

 他人に心を閉ざし、自分の世界の中で生きてきた主人公が、自分とは正反対の自由奔放な従姉妹に振り回されながら、少しずつ変わっていく姿が印象的です。

 そして主人公が、始めはただの男たらしだと軽蔑していた従姉妹にも、実は悲しい物語があり、次第に彼女のために主人公が突き動かされていくのにも、なんだか心がホッとさせられます。結婚式のシーンなんかは、不思議と痛快ですね(笑)。

 展開は結構予定調和でもありますが、気になった方は是非。


【ワンチャン・ポイント】
※中村蒼さん・・・本作では、主人公の後輩弁護士・磯崎役。最近の映画では、普通の大学生がホームレスに転落する様を描いた「東京難民」や、死んだ夫が他人の身体を借りて戻ってくる「トワイライト ささらさや」、そして岡田准一さん主演の「図書館戦争 THE LAST MISSION」等に出演していらっしゃいますね。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


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