走れ、絶望に追いつかれない速さで | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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静かに紡がれる物語。旅の果てに知った“生きること”。


2016年6月4日公開
監督:中川龍太郎
出演:太賀・小林竜樹・黒川芽以 他


【賛否両論チェック】
賛:死んだ友への旅を通して、少しずつ“生きること”への感じ方が変わっていく主人公の姿が印象的。過剰にならず、自然のままを切り取った演出も粋。
否:展開はかなり淡々としていて、退屈しそう。時間軸もやや分かりにくいか。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし



 死んだ親友を忘れられない主人公が、1枚の絵をきっかけに、彼の故郷を訪れます。主演は太賀さん。


 その日、大学を卒業して大阪の会社への就職が決まっていた薫(小林竜樹)の、送別会が開かれていました。会には、薫のかつての恋人である理沙子(黒川芽以)も訪れており、その場は多いに盛り上がりますが、その中で1人、薫の親友・蓮(太賀)だけは、どこか浮かない表情を隠せないでいるのでした。その後、薫は二次会の誘いを断ると、足早に帰っていくのでした。


 それから時は流れ、1年後。蓮達は薫の1周忌に参列していました。実はあの日の直後、車で富山に向かった薫は、岸壁から身を投げてしまったのでした。薫の両親からも、優しい言葉をかけてもらった蓮。その直後、薫は他の友人から、薫が生前に持っていたという1枚の肖像画を渡されます。そこに描かれていたのは、富山にいる薫の初恋の人だという女性・“斉木環奈”の姿でした。


 あの日まで、薫と蓮は2人で共同生活をしていました。2人で朝まで飲み歩き、馬鹿馬鹿しいことを語り合ったその日々に想いを馳せた蓮は、斉木環奈に彼の死を伝えようと、富山に向かうことを決意します。そんな蓮と久しぶりに再会した理沙子は、
「私も行こうかな。明日から会社休みだし。」
と言い出します。かくして蓮は理沙子と共に、かつての親友の初恋の人に会うために、車で一路富山へと向かうのでしたが・・・。


 多くを語らず、演者さんの雰囲気と風景描写でお話が進んでいくのが、粋でステキです。“親友の死”から抜け出せずにいる主人公が、友の思い出の地への旅を通して、その死と向き合い、自分の生きる力へと変えていく様子が、淡々と描かれていきます。


 ただ、悪く言ってしまうと「死んだ親友の故郷に行くだけの映画」で片づけられてしまいそうなのも、たまにきず。ストーリーそのものはかなり単調で、それでいてとても静かな演出なので、人によってはメチャメチャ眠くなってしまうかも知れません(笑)。


 いずれにせよ、青年達の生き様を自然に切り取った作品ですので、気になった方は是非。



【ワンチャン・ポイント】
※藤原令子さん・・・本作では、主人公が通う食堂の店員役。「内村さまぁ~ず THE MOVIE エンジェル」のヒロイン役で有名な方で、他にも幕末の彰義隊を描いた「合葬」や、閉館する老舗映画館を描いた「シネマの天使」等にも出演されています。


オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>



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