64 ーロクヨンー 後編 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

<ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

観たい映画に迷った時は、このムービーナビをご活用下さい。現在公開中の映画の中から、目的や好みに合わせた映画を探せます。

※「声に出して読みたい映画のセリフ in 2018」 4月8日発売♪

子供を想う心の強さ。悲劇の連鎖に埋もれた愛情の行方。

2016年6月11日公開
監督:瀬々敬久
出演:佐藤浩市・綾野剛・三浦友和 他

【賛否両論チェック】
賛:子供を失った刑事が、同じような遺族の悲しみに触れながら、悲劇を繰り返さないよう奔走する姿が、感動を呼ぶ。豪華なキャストにも注目。
否:前編の知識は必須。登場人物が複雑なほか、真実にはやや消化不良感も。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・殺害シーンあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・雰囲気は少しだけ怖いかも


 ミステリー小説の映画化・後編です。昭和64年に起きた誘拐殺人事件と、14年後にそれを模倣して起きた誘拐事件を描きます。主演は佐藤浩市さん。

 前作のラストで、昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件“ロクヨン”を模倣した誘拐事件が発生。捜査本部に押しかけた広報官の三上義信(佐藤浩市)は、捜査一課次席の御倉(小澤征悦)から、
「記者クラブと、直ちに報道協定を締結して下さい。」
と指示されますが、被害者の名前は、
「言えません。」
の一点張り。誘拐事件の報道では実名が常であるだけでなく、直前の記者クラブとの騒動で、
「今後は実名での発表を原則とする。」
と約束したばかりの三上は、激しく反発しますが、御倉は聞く耳を持ちません。一旦広報室へ戻った三上は、諏訪(綾野剛)に時間を稼ぐよう指示し、情報を集めようとするのでした。

 折しも翌日は、警察庁長官視察の日。警務部長の赤間(滝藤賢一)は、
「(来春に刑事部長人事が本庁預りになるため)刑事部が反発して起こした狂言誘拐だ!!」
と苛立ちを隠せません。それでも三上は、事件の管轄である警察署を訪れ、トイレの個室で待ち伏せ、捜査一課長でかつての上司・松岡(三浦友和)がやってくると、被害者の情報を教えるよう説得します。その熱意に負けた松岡は、被害者がスポーツ洋品店経営の目崎(緒方直人)の娘だということを話します。しかしその直後、警察庁長官視察の中止が発表され、三上は今度はロクヨンの遺族・雨宮(永瀬正敏)の下を訪れ、お願いしていた慰問の中止を詫びるのでした。

 その後、記者クラブ向けに会見が開かれますが、会見を担当するのは捜査一課長でも次席でもなく、捜査二課長の落合(柄本佑)。しかも発表は、事前に配られたレジュメの情報しかなく、秋川(瑛太)を始めとする記者クラブの面々は、怒り心頭。会見は怒号の中で中断され、落合は三上達に守られながら、退席を余儀なくされてしまうのでした。その後も落合は、捜査本部から小出しにされる情報を読み上げるしかなく、記者達は怒りを押さえきれません。一方の三上は、捜査指揮所が設置された擬装トラックのそばで待ち伏せ、到着した松岡にかけ合い、
「報告に20分のタイムラグを設けること。」
を条件に、同行を許されるのでしたが・・・。

 まず登場人物が多いので、前編の知識は必須です。その分キャストも豪華な顔ぶれがどんどん登場しますので、ご期待を。

 自らも娘が失踪してしまった元刑事が、娘を失ったかつての被害者遺族の悲劇に触れながら、新たに発生した誘拐事件の被害者家族のために奔走する姿が、胸を打ちます。
「娘がいなくなる・・・それがどういうことか、刑事はそんなことも分かんねえのか!?」
という言葉が、痛烈です。

 前編が、過去の事件の“今”がメインだったのに対し、後編は新たに起きた事件を現在進行形で追うので、前作よりもさらに緊迫感があるかと思います。

 真相はやや盛り上がりに欠ける感はありそうですが、それでも“家族愛”を描いた、重厚な人間ドラマに仕上がっています。


【ワンチャン・ポイント】
※黒川芽以さん・・・本作では、吉岡秀隆さん演じる幸田の妻役。最近の映画では「横道世之介」や「ぼくたちの家族」、「劇場版 東京伝説 歪んだ異形都市」や「忍者狩り」、「福福荘の福ちゃん」や「きみはいい子」、「愛を語れば変態ですか」や「走れ、絶望に追いつかれない速さで」、「ふきげんな過去」等々、多数に出演されています。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>


<「映画の通信簿2015」発売中!!>