ヒメアノ~ル | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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2つの世界観を楽しめる。異色のサイコ・サスペンス!!


2016年5月28日公開
監督:吉田恵輔
出演:森田剛・濱田岳・ムロツヨシ・佐津川愛美 他


【賛否両論チェック】
賛:青年少女達の恋模様がコミカルに描かれる前半と、猟奇殺人鬼が凶行を繰り返す後半、1つの映画で2つの相反する世界観を垣間見られるのが印象的。
否:グロシーンやラブシーンがかなり多い。主人公のキャラクターは、人によってはヘドが出るかも。


ラブシーン・・・かなりあり
グロシーン・・・メッチャあり
アクションシーン・・・少しだけあり
怖シーン・・・雰囲気はかなり怖いかも



 不気味な猟奇殺人鬼が、幸せを掴みかけた青年達の下に忍び寄ります。主演は森田剛さん。


 冴えない青年・岡田(濱田岳)は、ビル清掃の会社でアルバイトをしていました。ある日、岡田がしてしまったミスのせいで、班長の安藤(ムロツヨシ)は上司からこっぴどく怒られてしまいます。それでも全く動じない安藤に、岡田は後日、
「没頭する夢や趣味もなくて、焦っている。」
という相談をします。すると安藤は、
「どんな金持ちや成功者も、焦りを感じているのはみんな同じだ。」
と独自の理論を展開。その不思議な説得力に、岡田は半ば頷きつつ、
「安藤さんって、普段仕事終わった後、何してるんですか?」
と疑問をぶつけます。するとその答えは、
「俺は毎日・・・恋をしている。」
という、予想外のものでした。


 その日の仕事終わり、安藤に連れられて、お目当ての子がいるカフェにやってきた岡田。そこで安藤が指差したのは、とても可愛げな店員・阿部ユカ(佐津川愛美)でした。岡田は即答で、
「いや安藤さん、絶対に無理ですよ。」
とクギをさしますが、安藤はユカを
「運命の人だ。」
と呼んではばかりません。しかしその時、同じカフェのテラス席には、同じようにユカを見つめる、不気味な青年・森田(森田剛)の姿もありました。安藤が、
「あの野郎、また来てるよ・・・」
と森田の話題を出すと、岡田はふと何かを思い出した様子。実は岡田と森田は、高校時代の同級生。それを知った安藤は、
「ユカちゃんに良からぬことを企んでないか、聞いてこいよ。」
と、岡田を焚きつけます。渋々森田に声をかける岡田でしたが、森田の返事はそっけないものでした。


 その後岡田は、安藤からユカに接触するよう指示され、仕事終わりで帰ろうとするユカを待ち伏せます。しかし、やってきたユカの口から出たのは、
「森田からストーカーをされている。」
という事実でした。ユカの身を案じながらも、岡田と安藤はユカ達と食事をするまでの仲になっていきます。ところがある時、安藤の想いを代わりにユカへ伝えた岡田は、
「私の好きな人・・・岡田さんです。」
と、まさかの告白を受けてしまい、しかも悪いことに、その場面を安藤に見られてしまうのでした。安藤の手前、なかなか踏み切れない岡田でしたが、ユカから
「こっそり付き合っても、バレないですよ。」
と背中を押され、2人は晴れて恋人同士に。ユカの部屋で愛し合う2人でしたが、そんな様子を部屋の外から見つめる、森田の不気味な影があるのでした・・・。


 猟奇殺人鬼が主人公の作品ですが、前半はそのターゲットとなる青年少女達の恋模様が、コミカルかつハートフルに描かれ、それはそれで微笑ましくて心温まるストーリーに仕上がっています。


 そして、物語も中盤に差しかかった頃、ようやくタイトルが出てきて、本当の物語が始まります。学生時代の壮絶なイジメから、正常な思考回路が欠落し、いたずらに猟奇殺人や婦女暴行を繰り返す殺人鬼の姿が、森田剛さんの怪演と共に見事に描かれ、思わず背筋が凍る想いです。その主人公と、前半の青年少女達の運命が交錯し、狂気のクライマックスへと突き進んでいきます。


 人体損壊のグロシーンがメッチャあるほか、予想以上にラブシーンも多いので、ご覧になる時はご注意を。2つの相反する世界観を楽しめる、異色の映画です。



【ワンチャン・ポイント】
※土居志央梨さん・・・本作では、森田の犠牲になってしまうOL役。最近の映画では、奥田瑛二さん主演の「赤い玉、」での学生役や、三浦貴大さん主演の「マンガ肉と僕」での主人公のバイト仲間役で出演されています。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>



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