太陽 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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異色の角度から問いかけられる、生きていくことの意味。


2016年4月23日公開

監督:入江悠
出演:神木隆之介・門脇麦・古川雄輝 他


【賛否両論チェック】
賛:舞台の設定が斬新。新人類として制約の中で豊かな暮らしを生きるか、旧人類として貧しくも自由に生きるか、決断を迫られる若者達の悲哀がしっかりと描かれるのも印象的。
否:展開はかなり淡々と進むので、興味を惹かれないと眠くなりそう。グロシーンやラブシーンもあり。


ラブシーン・・・乱暴するシーンがあり
グロシーン・・・手首を切断するシーンがあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・基本的にはなし



 人類の大半が滅び、“ノクス”と呼ばれる新人類が台頭した世界を舞台に、農村部で貧しく暮らす旧人類の姿を描きます。主演は神木隆之介さん。


 物語の舞台は、新型ウイルスがまん延し、人類の大半が死滅した世界。そんな中で、ウイルスへの抗体を持つ進化した人類“ノクス”が台頭していました。しかしノクスの弱点は、日の光に当たると死んでしまうこと。物語は、貧しい旧人類“キュリオ”が暮らす村で、奥寺克哉(村上淳)がノクスの駐在員に暴行を加え、日光に当てて焼き殺してしまったところから始まります。克哉は
「四国の(キュリオの)自治区に行く。」
と言い残し、村から逃亡。この事件を受け、村はノクスからの経済封鎖を受けることになってしまったのでした。


 時は流れ、10年後。克哉の甥である鉄彦(神木隆之介)は、近所の子供達と共に、母の純子(中村優子)と恋仲の生田草一(古舘寛治)から、道徳の授業を受けていました。授業といっても、教室はただのほったて小屋で、先生は近所の大人達が持ち回りでやっているだけのもの。そんな彼らの下へ、都市からノクスの使者がやってきます。やってきた曽我(鶴見辰吾)は、10年に渡った経済封鎖の終了を告げ、同時にこの間途絶えていた、キュリオからノクスへの転換手術の抽選を再開することを告げるのでした。対象となるのは、鉄彦のような20歳未満の者。ノクスになって、高等な教育を受けたいと思っていた鉄彦は喜びますが、一方で草一の娘・結(門脇麦)は、母親の玲子(森口瑤子)が自分達を捨ててノクスになった過去から、ノクスになることには反発します。そんな結の様子を知りつつも、草一はこっそり結の応募用紙に記入をするのでした。


 同じ頃、鉄彦は新しくやってきたノクスの駐在員・森繁(古川雄輝)と出逢います。最初こそ距離のあった2人でしたが、鉄彦は森繁のために、日の光を遮れる仮面を作り始め、2人は次第に打ち解けるようになっていきます。一方の結は、健康診断で草一の幼馴染み・金田(高橋和也)がやってきたことがきっかけとなり、今は曽我の妻となっている玲子と再会します。それぞれがノクスへの複雑な想いを抱えていたその頃、村へ克哉が舞い戻ってきたことから、事態は思わぬ方向へと進み始めてしまうのでした・・・。


 設定はかなりSFチックな印象ですが、本作で描かれているのは、農村で貧しく暮らしていた“キュリオ”の主人公達が、都会の“ノクス”からの接触によって、次第にその生活をかき乱されていく様子が淡々と描かれていく、あくまでも静かな雰囲気の作品です。そのため、人によっては退屈で眠くなるかも知れません。


 日の光を浴びられなくなるが、文明的な生活を送れるノクスを選ぶか、生活は貧しいが、あくまでも人間として生き続けるか。若き少年少女達に突きつけられる究極の選択に、なんとも考えさせられます。


 グロシーンや乱暴するシーンも少しありますが、「生きていく」ということの意義を変化球な角度から問いかけてくる、異色の作品といえそうです。



【ワンチャン・ポイント】
※古川雄輝さん・・・本作では、新任の駐在員としてやってくる森繁役。人気の若手俳優さんで、最近の映画では「脳内ポイズンベリー」での真木よう子さんの相手役や、「ライチ☆光クラブ」での絶対的権力者・ゼラ役が有名なところです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D



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