スキャナー 記憶のカケラをよむ男 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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悲しすぎる真相。異色だが本格的なミステリー!!

2016年4月29日公開
監督:金子修介
出演:野村萬斎・宮迫博之・杉咲花 他

【賛否両論チェック】
賛:先の読めない展開と、伏線の見事な回収が、まさに本格ミステリー。人間不信だった主人公が、事件を通して少しずつ変わっていく姿も印象的。
否:結構ホラーテイストなシーンが多いので、苦手な人には不向きかも。展開も少しだけ強引。

ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・殺害シーン多数あり
アクションシーン・・・少しだけあり
怖シーン・・・ホラーチックなシーンがあり


 物や大気中に残った記憶を読み取る能力を持つ主人公が挑む、本格ミステリーです。主演は野村萬斎さん。

 とある高校の音楽室。コンクールを目前に控え、教師の沢村雪絵(木村文乃)と共に練習に励んでいた、高校生の秋山亜美(杉咲花)。しかしミスが続き、亜美は途中で弾くのを止めてしまいます。優しく諭す雪絵でしたが 、亜美は
「自分の夢を押しつけないで!!」
と、その場を飛び出していってしまうのでした。練習後、一人で帰路についた雪絵でしたが、途中の暗い路地で1人の女性がしゃがみこんでいるのを見つけ、声をかけます。ところが次の瞬間、女は雪絵に襲いかかり、雪絵はあえなく倒れてしまうのでした。

 ところ変わって、小さな商店街のお祭りに呼ばれた、“マイティー丸山”こと丸山竜司(宮迫博之)。しかし借金苦の彼は、控え室のテントにまで借金取りに押しかけられる始末でした。それでもなんとか舞台に立つ丸山でしたが、客を罵倒する品のないネタに、舞台はすぐさま切り上げられてしまいます。カンカンの主催者と借金取りに挟まれた丸山は、やむなく隙を突いて逃走するの でした。その後、事務所の社長・峠久美子(高畑淳子)から、契約解除通知書を渡されてしまいますが、丁度その時、彼の後をつけてきた亜美が事務所へとやって来ると、
「相方さんに依頼したいことがあるんです。」
と告げます。その内容は、行方不明になってしまった雪絵の捜索でした。かくして丸山は亜美と共に、かつての相方で今はマンションの管理人をしている男・仙石和彦(野村萬斎)の下を訪れるのでした。

 実は仙石は、物や大気中に残った他人の記憶を読み取る“スキャニング”という能力を持っていました。それを使って、以前は丸山と「マイティーズ」という漫才コンビを結成していましたが、スキャニングで人間の醜い部分を嫌というほど見せられてきた彼は、人間嫌いが悪化し、今はほとんど誰とも関わらない生活を送っているのでした。そんな仙石に対し、
「30万円ほどカンパを募った。」
という亜美の言葉に躍起になっている丸山は、なんとか能力を使って探すよう説得しますが、仙石は全く聞く耳を持ちません。結局亜美と丸山は帰ってしまいますが、仙石はふと、足元に亜美が置いていった爪用のやすりが落ちているのに気がつきます。それを手にした仙石は、雪絵が亜美に優しく話しかけている姿を見るのでした。その姿が忘れられず、夜も寝られなくなってしまった仙石は、やむなく2人の捜索に手を貸すことにするのでしたが、それは悲しすぎる真実への始まりに過ぎないのでした・・・。

「記憶を読み取れる」という異色な人物が主人公ではありますが、ストーリーはまさに本格的なミステリーです。散りばめられた伏線の回収も見事で、ラストも1本取られます。
「そう来ましたか!!」
っていう感じです(笑)。

そして主人公自身も、その能力ゆえに人間が持つ醜い部分を知りすぎて苦しみ、他人と関わらずに生きてきたという傷を背負っています。そんな彼が、亜美や雪絵の純粋な心に出逢い、事件を通して少しずつその人柄が変化していく様子も、また印象に残ります。

若干ホラーチックなところもありますが、ミステリー好きな人には是非オススメです。


【ワンチャン・ポイント】
※コンクール会場・・・劇中、亜美がコンクールで演奏するホールは、恐らく島崎遥香さん主演のホラー「劇場霊」で登場したホールと同じところかと。

オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>


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