ヒーローマニア -生活- | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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教育上はよろしくない。ヒーローに憧れた青年達の戦い。


2016年5月7日公開
監督:豊島圭介
出演:東出昌大・窪田正孝・小松菜奈・片岡鶴太郎 他


【賛否両論チェック】
賛:虐げられてきた弱者達が、自分達の力で悪を懲らしめようと立ち上がる姿が、非常に痛快。
否:シリアスなのかコミカルなのか、若干どっちつかずな印象。ツッコミどころもありすぎるほか、情操教育にも全く向かない。


ラブシーン・・・お色気シーンのみ少しあり
グロシーン・・・殺害シーン・おう吐シーン等あり
アクションシーン・・・あり
怖シーン・・・悪役の雰囲気は結構怖いかも



 ヘタレな主人公達が、自力で町のヒーローになろうとする姿を描きます。主演は東出昌大さん。


 物語の舞台は、片田舎の小さな町・堂堂市。“ヌートリア”というカピバラのような生物が異常繁殖しているその町で、主人公・中津(東出昌大)は、コンビニのしがないバイト店員をしていました。店内は荒れ放題で、近所のおじさん達は床で宴会を始め、中学生はコピー機で遊び、ギャルは携帯電話で大声で通話中。もう1人の店員はというと、見て見ぬふりで音楽を聴いている始末でした。そんな彼らをぶっ飛ばす妄想をしていた中津でしたが、その時チンピラが買ったカップ麺にお湯を入れようとしたところ、途中でお湯がなくなってしまいます。中津は当然のように土下座をさせられ、さらに
「誠意が見えねえな。」
と、財布まで奪われてしまうのでした。チンピラの背中を恨めしそうに見つめる中津でしたが、次の瞬間、チンピラの姿は何者かによって、闇夜に引きずり込まれていくのでした。


 好奇心に駆られて後を追いかけた中津は、先ほどまで店内で立ち読みをしていた青年・土志田(窪田正孝)が、驚異の身体能力でチンピラを倒したことを知り、驚きます。ところが、そのまま土志田の後を追った中津は、さらに仰天。なんと土志田の正体は、その身体能力と手首からスパイダーマンのように出すワイヤーを駆使した、異色の下着泥棒でした。今まさに犯行に及ぼうとしていた土志田に、中津はついつい声をかけてしまいます。すると次の瞬間、土志田が下着を盗った部屋の住人の少女が顔を出したため、慌てた土志田はベランダから転落してしまいます。ところが少女は驚くこともなく、冷静に2人を携帯のカメラで写真に収めるのでした。実は彼女こそが、後に仲間となる女子高生・カオリ(小松菜奈)なのでしたが、2人はまだ知るよしもありません。その後、河原で佇んでいた中津と土志田でしたが、中津は人並み外れた身体能力を持つ土志田に、
「俺と組まないか?」
と持ちかけます。かくして2人による、悪党退治が始まるのでした。


 手始めに、ガード下でたむろして花火を振り回していたヤンキー達を相手に、2人は大立ち回りを演じますが、そこへ突如、金づちを手にした1人の男性が乱入してきます。彼こそが、最近ちまたで話題になっている“若者殴り魔”こと日下(片岡鶴太郎)なのでした。日下は巧みな金づち裁きでヤンキー達を殴り倒すと、ついでに中津と土志田も殴り倒してしまいます。それでも、その後に打ち解けた3人は、乱れた町の治安を正すべく、世直しを決意。まずは捕まえたヤンキー達を天井から吊るし、見せしめにすると、3人の犯行は“吊るし魔”としてたちまち話題になります。その後も中津達は、
「仲間に入れなさい!!」
とやって来たカオリも加え、自警団としての活動を繰り返すのでしたが・・・。


 笑ってしまうくらい秩序が乱れた町にあって、ずっと虐げられてきた主人公達“ヘタレ”が、自分達自身の力でヒーローになっていこうとする姿が、とっても痛快です。そして、そんな彼らの活動に目をつけ、巧みに利用しようとする真の悪党の存在も、物語をより一層面白いものにしていきます。


 ただ、タイトルから連想するような子供向け感は全くなく、内容的にも教育上はよろしくないストーリーではあるので、家族サービスには向かない作品でもあります。


 個人的には、最後の主人公のシーンが、すごくカッコイイなと思いました(笑)。タイトルにある「生活」の意味が最後に分かる、そんな痛快娯楽映画に仕上がっています。



【ワンチャン・ポイント】
※小松菜奈さん・・・本作では、変わり者の女子高生・カオリ役。まさに新進気鋭の女優さんで、「渇き。」の女子高生役を始め、「予告犯」「近キョリ恋愛」「黒崎くんの言いなりになんてならない」等々、どちらかというと若い方向けの作品に多数出演していらっしゃいます。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>



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