スポットライト 世紀のスクープ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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難しいが考えさせられる。不屈の精神が暴いた驚愕の真実。


2016年4月15日公開
監督:トム・マッカーシー
出演:マーク・ラファロ
マイケル・キートン
レイチェル・マクアダムス 他


【賛否両論チェック】
賛:強大な権威の下で隠されてきた虐待を、不屈のジャーナリズム精神で暴いていった記者達の根性に、本当の正しさについて考えさせられる。
否:難しい内容の話が多いので、理解出来なかったり興味がなかったりすると、退屈すること必至。性的な単語も結構出てくるので、人によっては好き嫌いが分かれそう。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし



 神父による性的虐待と、教会による組織ぐるみの隠ぺいという事実を暴いた新聞記者達を描く実話です。主演はマーク・ラファロ。


 物語の始まりは、1976年のボストンでした。ボストン市警の第11分署に、
「ゲーガン神父が、子供に性的虐待を加えた。」
という通報が寄せられます。ところがその後、地元の判事がやってくると、教会のロウ枢機卿も身元を引き受けに来署。ゲーガンはそのまま車で連れて帰られます。当時ボストンでは、このような神父の虐待の教会によるもみ消しが、常態化していたのでした。


 それから時は流れ、現代。ボストンの地元紙「ボストン・グローブ」の記者、マイク・レゼンデス(マーク・ラファロ)や、その上司であるウォルター・ロビー(マイケル・キートン)達は、新しく赴任してくる編集局長の存在に、気を揉んでいました。やって来たマーティ・バロン(リーブ・シュレイバー)は、非常に正義感の強い男で、早速過去の記事に目を通したらしく、「ゲーガン神父が子供に性的虐待をした」とするかつてのコラムを指摘し、
「この続報は?」
と聞きます。かくしてロビー率いる新聞「スポットライト」のチームは、“神父の性的虐待”という過去の事件を追うことになるのでした。


 マイクは早速、教会への集団訴訟を行っている弁護士、ミッチェル・ガラベディアン(スタンリー・トゥッチ)の下を訪れますが、多忙を口実になかなか歩み寄ってもらえません。ロビーやサーシャ(レイチェル・マクアダムス)も、他の弁護士の下を訪れますが、守秘義務を理由に煙に巻かれてしまうのでした。しかも一連の訴訟の証拠書類は、教会によって封印されているとのことで、マーティは開示請求を行うことを決めます。〝性的虐待”という、被害者達が表沙汰にしたがらない性質の事件ということもあり、取材は困難を極めますが、そんな中チームのマット・キャロル(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)が、一連の騒動の前後に、ゲーガン神父が「病気療養」という名目で不自然な休暇を取っていることを発見。その後、教会が発行した膨大な数の年鑑を調べたマイク達は、同様に不自然な休暇を取っている神父が、ボストンだけでも90人は下らないことを突き止めます。そこから浮かび上がって来たのは、神父による性的虐待が教会によって日常的にもみ消されてきたという、恐るべき実態でした・・・。


 地元に深く根付き、信仰者も多数を占めるカトリック教会の不祥事とあって、誰もが薄々感づきながらも見て見ぬふりをしてきた事件を、記者生命を賭けて暴いた主人公達の不屈の姿勢が、淡々とした描写の中で、現実感たっぷりに描かれていきます。変に脚色感があまりないところが、かえって事件の不気味さや底知れなさを際立たせているようです。


 反面、どうしても法律上の手続きの話が分かりにくかったり、同じような取材のシーンが続いたりするので、興味がない人にとってはかなり退屈で、参ってしまうと思います。


 時に逆風にさらされる中でもめげずに、自らが信じる道を進み続けた者達の真実の姿を、是非観てみて下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※スタンリー・トゥッチ・・・本作では、人権派の弁護士、ミッチェル・ガラビディアン役。どこかで見たことがあると思ったら、あの「ハンガー・ゲーム」での、劇中テレビ番組の司会者・シーザー役の方でした。最近の映画では他にも、「ジャックと天空の巨人」や「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 魔の海」、「ワイルドカード」等にも出演していらっしゃいます。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D



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