エヴェレスト 神々の山嶺(いただき) | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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小説原作ならではの世界観。壮絶すぎる男達の覚悟と戦い。


2016年3月12日公開
監督:平山秀幸
出演:岡田准一・阿部寛・尾野真千子 他


【賛否両論チェック】
賛:エヴェレストに執念を燃やす登山家と、彼を追う写真家。2人の運命が激しく共鳴し合っていく様子が、エヴェレストの過酷な自然の中で描かれるのが印象的。
否:展開はかなりご都合主義で、実際には無理がありそう。現実路線の人には不向き。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・ケガのシーンがあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・後半少しだけあり



 夢枕獏さんの小説の実写映画化です。伝説の登山家を追うカメラマンの姿を描きます。主演は岡田准一さん。


 1993年・ネパール。野心を燃やす写真家・深町(岡田准一)は、登山隊と共にエヴェレスト登頂を目指し、雪原を登っているところでした。ところがその直後、滑落事故が発生し、2人の隊員が転がり落ちてしまいます。深町はとっさにシャッターを切り、その瞬間をカメラに収めますが、この事故を境に登山隊は登頂を断念。帰国の途に着いてしまうのでした。


 一方、今回の撮影に写真家生命を賭け、方々に借金までして来ていた深町は、帰るに帰れず、1人ネパールの町をさまよっていました。そんな彼はふと、町外れにある骨董品店の店先に置かれた、1台の古いカメラに目をとめます。そのメーカーや型番をまじまじと見た深町には、そのカメラに思い当たる節がありました。なんとそれは、1942年にエヴェレスト登頂の目前で遭難した登山家、ジョージ・マロリーが持っていたものと同じものでした。一旦その場を離れ、現地ガイドの斎藤(山中崇)にも確認をした深町。
「もしそのカメラのフィルムに、登頂したマロリーが写っていれば、世紀の大発見になる。」
とのお墨付きをもらった深町は、店主からカメラを150ドルで譲ってもらうことにするのでした。ところがその直後、アン・ツェリンと呼ばれる謎の老人が来店。
「この店の物は盗品だ。返してほしい。」
と言い放ちます。しかもその盗品には、深町が買おうとしていたカメラも含まれていたため、深町は目前でカメラを持っていかれてしまうのでした。必死に止めようとする深町でしたが、老人の連れの男性を見て、驚きます。その男は、数年前に消息不明になっていた登山家・羽生丈二(阿部寛)なのでした。


 帰国した深町は、カメラと羽生の一件を、出版社の宮川(ピエール瀧)に話し、もう1度ネパールに行くための費用を頼み込みますが、宮川は難色を示します。それでも深町は、羽生にゆかりのある人物に、話を聞いて回ります。しかしそこで聞いた羽生の評判は、
「山屋としては天才だが、人間としては最低。」
というもの。そして深町は、かつて羽生のバディを務め、転落死した青年・岸文太郎(風間俊介)の存在を知り、その姉で羽生の恋人でもあった岸涼子(尾野真千子)の下を訪ねるのでした・・・。


 なりふり構わず、カメラマンとして功をなそうと必死に食らいついていく深町。そして己の全てを賭け、まるで何かにとり憑かれたように、エヴェレスト登頂へ執念を燃やす羽生。似たような境遇の2人の運命が交錯し、次第に共鳴していく様子が、エヴェレストの壮絶な環境下で、激しく叙情詩的に描かれていきます。


 写真を撮りたいという深町に対し、
「俺を撮れ。俺が逃げ出さないようにな。」
と告げる羽生のひたむきさには、畏怖すら感じてしまうほどです。一方の深町も、当初は登山隊の滑落事故にも構わずシャッターを切っていたのが、羽生の身に危険が迫った時、カメラを倒してでも夢中でそれを知らせようとするシーンなんかが印象的です。


 ただ、昨年公開された「エベレスト3D」なんかと比べてしまうと、展開としてはかなり強引で、出来すぎている感は否めません。その辺りも、小説が原作ならでは作品といえそうです。


 男達の壮絶な生き様が観られる、重厚な作品です。



【ワンチャン・ポイント】
※甲本雅裕さん・・・本作では、かつて羽生と決別したバディ・井上役。知る人ぞ知る、ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさんの弟さんで、「踊る大捜査線」での緒方役でもお馴染みの方です。最近の映画では「超高速!参勤交代」や「脳男」、「県庁おもてなし課」や「謎解きはディナーの後で」、「エイトレンジャー2」や「悼む人」等に出演されています。6月公開の「貞子VS伽椰子」にも出演されるそうですね。


オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>



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