ドロメ 男子篇 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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「女子篇」よりもやや怖め。異色の青春ホラー映画!!


2016年3月26日公開
監督:内藤瑛亮
出演:小関裕太・森川葵 他


【賛否両論チェック】
賛:〝ドロメ”を始めとする様々な恐怖に襲われながらも、〝誰かを好きになる”という気持ちに正直になろうとする主人公の勇姿が、遊び心満点に描かれていく。「女子篇」との絶妙なリンクも秀逸。
否:話そのものは荒唐無稽で、ツッコミ出すとキリがない。また、本作だけではどうしても謎の一部は残る。グロシーンもあり。


ラブシーン・・・お色気シーンがあり
グロシーン・・・後半にかなりあり
アクションシーン・・・あり
怖シーン・・・急に驚かせるシーンがあり



 「女子篇」とリンクする〝青春ダブルアングル・ホラー”です。主演は小関裕太さん。


 山奥の男子校・泥打高校の演劇部員・颯汰(小関裕太)達は、大はしゃぎをしながら、教室の掃除をしていました。彼らが首を長くして待っているのは、女子校・紫蘭高校の演劇部員達。翌年に統合が決まっている両校の演劇部は、親睦を深めるべく、泥打高校での合宿を計画したのでした。そんな時、今日から女子達が泊まることになるその教室で、颯汰はふと壁に、泥を塗りたくったような汚れを見つけます。一抹の不安がよぎる中、遂に紫蘭高校の生徒達が到着し、泥打高校の生徒達は、大喜びで出迎えるのでした。ところが、紫蘭高校の部員の中に、小春(森川葵)を見つけた颯汰は驚きます。実は小春はかつて、颯汰が〝とある理由”で、ひどいフリ方をしてしまった女子なのでした。そんな2人の様子を、颯汰の背後から恨めしげに睨んでいる女の幽霊の姿がありました。


 到着後、練習の前に、女子達は準備をすることに。男子達はここぞとばかりに、着替えをしている女子の部屋を覗こうと企てます。1人だけ行かないと言っていた颯汰も、親友の龍成(中山龍也)に強引に連れて行かれそうになりますが、次の瞬間、颯汰は何かに引っ張られ、教室の中へと連れ戻されます。何故か青ざめた颯汰は、覗きには行かず。教室に残ることを決めるのでした。その後、合同練習が始まります。障害物を前に目隠しをしたパートナーを、言葉だけで誘導する練習で、小春を颯汰が誘導することになりますが、その最中に小春は突然後ろに引っ張られ、転びそうになってしまいます。しかし、実際には引っ張った者は誰もおらず、小春は困惑します。しかしそれ以上に愕然としていたのは、他ならぬ颯汰。彼には、あの女の幽霊が小春を引っ張る姿が、はっきりと見えていたのでした。


 その日の夜、出てきた夕食に小春達は唖然。一応颯汰達の手作りではありましたが、“匂いはカレー、味は水”というひどいものでした。ところが、紫蘭高校演劇部の顧問・持永(菊池明明)の一言で、翌日からは女性陣がご飯を作ることになり、料理の出来ない小春達は大慌て、一方の男性陣は、
「女子の手料理が食べられる!!」
と大喜び。そんな中でふと壁を見た小春は、とある女性の写真が、飾られているのに気がつきます。しかしそのことを聞こうとすると、何故か颯汰達は口をつぐんでしまいます。代わりに泥打高校演劇部の顧問・桐越(東根作寿英)が、重たい口を開きます。それによると、泥打高校の通学路にあるほこらには、“泥ぶち観音”と呼ばれる観音像があり、かつては願いをこめて泥をぶつけると、叶うと言われていたものでした。ある時その頭がなくなると、行方不明者が続出。人々は、他人の不幸を願って投げられた泥が実体化した“ドロメ”という化け物の仕業だと、これを恐れたとのこと。そして最近になってその頭がなくなり、同じ日に泥打高校の女性教師が、失踪してしまったのでした・・・。


 〝とある理由”から、女子と距離を置くようになってしまった主人公が、初恋の人と意外な形で再会し、〝ドロメ”というバケモノに遭遇しながらも、自分の気持ちに素直になって立ち向かっていく姿が、爽やかかつコミカルに描かれていきます。〝エロ画像”のシーンなんかは、ホラーなのに思わず笑ってしまいます(笑)。


 そして何といっても、この作品の最大の魅力は、「ドロメ 女子篇」とのリンクです。同じ事件を前にして、本作では颯汰達男性陣からの視点が描かれていますが、「女子篇」では同じ時間軸で、小春達女性陣からの視点が描かれているので、意外なシーン同士が繋がったりします。そうした対比によって、物語が何倍にも面白くなります。どちらかというと、「女子篇」を先にご覧になった方が、
「ああ、そういうことだったのね!!」
と、納得出来る部分が多いかと思います。


 勿論本作だけでも楽しめる作品ですが、折角ですので「男子篇」「女子篇」両方ご覧になって、見比べてみるのをオススメします(笑)。



【ワンチャン・ポイント】
※岡山天音さん・・・本作では、OBながら合宿に参加した光輝役。最近の映画では、幕末の彰義隊を描いた「合葬」や、ドS男子に翻弄される主人公を描いた「黒崎くんの言いなりになんてならない」等に出演されています。本作の内藤瑛亮監督作品の、大人になることを拒んだ少年達を描いた「ライチ☆光クラブ」にも出ていらっしゃいますので、そちらもチェックしてみて下さい。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>



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