マネー・ショート 華麗なる大逆転 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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精神はカッコイイが難しい。全く優しくない経済映画。


2016年3月4日公開
監督:アダム・マッケイ
出演:クリスチャン・ベイル
スティーブ・カレル
ライアン・ゴズリング
ブラッド・ピット 他


【賛否両論チェック】
賛:先見の明を持って、世界の流れに敢えて逆らい、勝ち抜けていった主人公達の気概には、考えさせられるものがある。
否:「経済の仕組みについて知っている」という前提で話が進むので、そもそもの予備知識がないと、何が何だか全く分からないまま、退屈して終わってしまいそう。“第4の壁”を破って話を進める演出にも、好き嫌いがあるかも。


ラブシーン・・・お色気シーンのみあり
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし



 リーマン・ショックに端を発した世界経済の破綻を予測し、空売りに挑んだアウトロー達を描きます。


 不動産担保契約による銀行の債権を商品化した「モーゲージ債」。銀行はこうしたモーゲージ債を分割して組み合わせ「CDO」という金融商品として、投資家に販売を続け、莫大な利益を得ていました。2005年、そんなアメリカ金融界でトレーダーをしていたマイケル・バーリ(クリスチャン・ベイル)は、このCDOに疑問を抱き始めます。というのも、モーゲージ債には回収不可能に陥りやすい「サブプライムローン」も数多く含まれているからでした。マイケルは、
「債務不履行が急増し、やがては経済破綻が起こる。」
と予測。そこで彼は、手持ちの債権が暴落した際、損失分を保証してもらえる〝保険”のような金融商品「CDS」に目をつけます。周囲がCDOを買い漁る中、逆にこのCDSを利用して利益を上げるべく、「ゴールドマン・サックス」を始め、複数の投資銀行にCDSの購入を申し出ます。経済破綻など夢にも思わなかった銀行は、マイケルから多額の〝保険料”が転がり込むため、どこも二つ返事でこれを了承するのでした。


 ところ変わって、銀行への怒りを露わにするトレーダー、マーク・バウム(スティーブ・カレル)。彼は敬愛する兄が最近亡くなり、情緒が不安定になっていました。そんな彼のいるヘッジファンドの下へ、トレーダーのジャレッド・ベネット(ライアン・ゴズリング)からの間違い電話がかかってきます。ジャレッドもまた、マイケルと同様に経済の破綻を察知し、CDSによる利益を得ようと、投資話を持ちかけているところでした。その電話がきっかけとなり、マークもまた、CDSの購入を検討するようになります。


 さらにもう1組、ガレージで創業を始め、一攫千金を夢見る新米トレーダーのチャーリーとジェイミー。しかし、大手の投資銀行には相手にされず、途方に暮れる彼らも、ひょんなことからCDOの問題点に気がつきます。そこで彼らは、友人である伝説のトレーダー、ベン・リカート(ブラッド・ピット)に連絡を取り、行動を開始するのでしたが・・・。


 恐らく大抵の人が観た第一印象は、
「とにかく難しい!!」
ということだと思います(笑)。観る方が経済の仕組みを知っている前提で話がどんどん進んでいくので、知らないと
「え?それで結局、損したの?得したの?」
なんて、訳が分からなくなってしまいます。それが映画の最初から最後までずっと続くので、予備知識は必要です。


 とはいえ、世間に対する“ウソ”が蔓延したウォール街にあって、先見の明を持って、敢えて大勢に勝負を挑み、勝ち抜けたアウトロー達の姿は、観ていて勇ましいものがあります。ブラッド・ピット演じるベンが、空売りに成功して浮かれるチャーリーとジェイミーに対し、
「〝経済の負け”に賭けたんだ。破綻で1万人が死ぬ。はしゃぐな。」
と叱るシーンが印象的でした。


 なんとなく、頭がイイ人向けの作品かも知れませんね(笑)。



【ワンチャン・ポイント】
※マーゴット・ロビー・・・本作ではご本人役で、モーゲージ債の仕組みを解説してくれます。「フォーカス」での、ウィル・スミス率いる詐欺グループに加わる新米スリ役や、9月公開の「スーサイド・スクワッド」での“ハーレイ・クイン”役で有名なお方です。


※セレーナ・ゴメス・・・こちらも本作ではご本人役で、“債権に対する債権”という発想をカジノで解説してくれます。「スプリング・ブレイカーズ」での女子高生役や、「ゲッタウェイ スーパースネーク」での謎めいたヒロイン役が有名なところです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>



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