Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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避けられぬ“老い”。最後に出逢った真の友とは。


2016年3月18日公開
監督:ビル・コンドン
出演:イアン・マッケラン
ローラ・リニー
マイロ・パーカー 他


【賛否両論チェック】
賛:名探偵が老いの苦しみに抗いながら、最良の理解者を得て、平安を見出だしていく姿が、胸に響く。
否:ミステリーのようなハラハラ感や、謎解きの痛快感はほとんどないので、期待して観ると裏切られてしまう。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・ほんの少しだけあり
アクションシーン・・・なし

怖シーン・・・雰囲気は少しだけ怖いかも



 引退したシャーロック・ホームズが、かつて自身が解決した最後の事件を回想します。主演はイアン・マッケラン。


 イギリスの山奥を走る、1台の列車。そこに、93歳になったかつての名探偵、シャーロック・ホームズ(イアン・マッケラン)の姿がありました。老体に鞭打って、はるばる日本まで旅をして来た彼は、ついの住みかである田舎街の一軒家まで、ようやく帰ってきたのでした。留守の間、家は家政婦のマンロー(ローラ・リニー)と、その息子のロジャー(マイロ・パーカー)が守ってくれていましたが、養蜂もしているホームズは、巣箱のミツバチが大量に死んでいるのを発見し、残念がります。そんな彼は、書斎に入ろうとして、誰かが入った痕跡に気がつき、すぐにロジャーの仕業だとピンと来ます。実は書斎で、ホームズが書きかけていた自叙伝小説を読んでいたロジャー。ロジャーはその話の続きを知りたがるのでした。


 ホームズが書こうとしていたのは、自身を引退させるきっかけとなった、探偵時代の最後の事件。しかし、彼には既に認知症の症状が出始めており、30年前のその事件の詳細を、思い出せずにいるのでした。実は、彼が日本まで旅をして来たのも、知り合いの日本人・ウメザキ(真田広之)に、ローヤルゼリーよりも効果があるという山椒をもらうためなのでした。早速山椒を服用し、趣味である養蜂にも勤しみながら、ホームズは当時の事件を思い出そうとするのでした。


 その事件は、30年前に起きました。名探偵として名を馳せていたホームズの下へ、1人の紳士トーマス・ケルモットがやって来ます。彼を一目見るなり、
「奥さんのことですか?」
と見抜いたホームズ。トーマスによると、妻のアンとの間にはなかなか子供が授からず、2回も流産してしまったとのこと。それ以来、深刻なうつ状態にあった妻のために、トーマスはガラスを使った楽器“アルモニカ”を習わせたそうで、アンは予想以上に熱中。しかしやがて、1人でアルモニカを弾きながら、産まれなかった2人の子供を呼ぶなど、奇怪な言動が目立つようになったとのこと。トーマスはその原因を、アルモニカの講師のマダム・シルマーが“呪い”をかけたからだと、思っているのでした。ホームズは真相を探るために、アンの後をつけるのでしたが・・・。


 一方の現代では、事件の断片を日に日に思い出し、少しずつ小説を書き進めていくホームズの姿がありました。その内容に、ロジャーはどんどん興味を惹かれていきますが、そんなある日のこと、母屋で立ちくらみを起こしたホームズは、とうとう倒れてしまうのでした・・・。


 天下の名探偵にも、老いの苦しみが押し寄せ、〝忘れてしまう”という脅威に必死に抗おうとする姿が、とても切なく映し出されます。そしてワトソン亡き今、そんなホームズの頼れる相棒となり、心の支えともなっていく少年・ロジャーの健気さもまた、非常に純朴で胸に響く存在です。


 一方で、基本的には引退したホームズの回想録のようなものなので、ミステリー特有のハラハラ感はほぼ皆無です。なので、
「シャーロック・ホームズモノだから・・・」
と期待して観ると、予想外に退屈なこと必至です。


 基本的には、1人の重厚な人間ドラマを楽しみたい方にオススメです。



【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D



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