オートマタ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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機械を通して問いかけられる「生きる意味」。異色のSFサスペンス。


2016年3月5日公開
監督:ガベ・イバニェス
出演:アントニオ・バンデラス
ビアギッテ・ヨート・スレンセン 他


【賛否両論チェック】
賛:理性を失い衰退していく人類と、そんな人類をよそに、自我を身につけて進化していくオートマタとの対比が印象的。人間としての「生きる意味」を問いかけてくる、異色の作品。
否:お話そのものはかなり難解で、かつ淡々と進むので、観る人によっては退屈してしまうこと必至。


ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・殺害シーン多数あり
アクションシーン・・・少しあり
怖シーン・・・雰囲気は結構怖いかも



 人型ロボットが普及した近未来での、人類の衰退と人工知能の進化を描いた作品です。主演はアントニオ・バンデラス。


 物語の舞台は、2044年の地球。太陽フレアの増加により、地球では砂漠化が加速し、世界の人口は急激に減少していました。そんな中で台頭してきたのは、「ROC社」が開発した人型のロボット。“オートマタ”と呼ばれるそのロボットは、
「生き物に危害を加えてはいけない。」
「自他を修理してはいけない。」
という2つのプロトコルを内蔵し、町の外側に張り巡らされた防砂壁や、人工雲の建設を担っているのでした。


 主人公は、そんなROC社の調査員、ジャック・ヴォーカン(アントニオ・バンデラス)。その日も彼は、
「オートマタが飼い猫を殺したから、慰謝料を払え!!」
といちゃもんをつけてきた夫婦の家にいました。ジャックは冷静に、自分のIDをオートマタに読み取らせると、台所にあった包丁をオートマタの目の前で、自分の手の上に落とします。すると瞬時にオートマタが反応し、直前で包丁を受け止めるのでした。観念した妻の方がでっち上げを認めたため、ジャックはその日の仕事を終え、身重の妻・レイチェルが待つ家へと帰るのでした。ところが同じ夜、壁の外のスラム街をパトロールしていた刑事・ウォレスは、ホームレスに紛れて自分を修理しているオートマタを発見。ウォレスは怒りに任せて、その頭を拳銃で撃ち抜いてしまうのでした。


 ウォレスが破壊したオートマタの一件は、すぐにジャックの耳にも入り、彼はそのオートマタの体を分析します。その体には、かなり手の込んだ改造が施されており、他のオートマタの部品も多数組み込まれていました。ジャックは早速、部品が使われたオートマタのうちの1つが働いている工場を訪れます。ところが、肝心のそのオートマタは、ジャックと目が合うなり、まるで自我を持つかのように、そそくさとどこかへと逃げていってしまいます。後を追ったジャックは、用水路を通って壁の外へ。そこでようやくオートマタを見つけたジャックでしたが、なんとそのオートマタは、自らの体に燃料をかけると、火をつけて自殺してしまうのでした・・・。


 物語が進むにつれて、次第に明らかになってくる“オートマタ”の誕生と進化にまつわる秘密や、そんな彼らとは裏腹に、次第に理性を失い衰退の一途を辿る人類の愚かさ。そんな2つの相反する存在が交錯する、異色のサスペンスに仕上がっています。オートマタを殺そうとした人間達が、
「たかが機械が。」
と言い放った時に、逆にオートマタが
「たかが凶暴な猿が。」
と言い返すシーンが、印象に残りました。


 ただ、ストーリーそのものは思いのほか難しく、かつかなり淡々としているので、「人間とオートマタとの戦い」のような単純な物語を期待して観ると、退屈してしまうこと請け合いです。その辺りは、好みがはっきり分かれそうな気がします。


 何はともあれ、人類と機械の相反する運命を描いた異色作です。是非チェックしてみて下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D


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