エスコバル 楽園の掟 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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全てを変えられてしまった出逢い。悲しい運命の結末とは。


2016年3月12日公開
監督:アンドレア・ディ・ステファノ
出演:ベニチオ・デル・トロ
ジョシュ・ハッチャーソン 他


【賛否両論チェック】
賛:幸せな出逢いから一変し、やがて転落していく青年の姿が、緊迫した雰囲気の中で、切なく描かれていく。人間の持つ本性のあさましさにも、改めて考えさせられる。
否:救いのない展開には、好き嫌いが分かれそう。終わり方にも賛否は必至か。


ラブシーン・・・少しだけあり
グロシーン・・・殺害シーン多数あり
アクションシーン・・・少しだけあり
怖シーン・・・雰囲気は結構怖いかも



 実在した麻薬王をモデルにした、サスペンスです。


 物語の舞台は、コロンビアのとある小さな町。荷造りを急いでいたニック(ジョシュ・ハッチャーソン)とマリア(クラウディア・トライサック)の下を、男達が訪れると、
「パブロが呼んでいる。」
と告げます。そのまま目隠しをされたニックは、車で山奥の建物へと連れていかれるのでした。そこではニックの他にも、顔見知りが多数集められており、外にも労働者達が大勢集められていました。そこへ現れたのは、町の有力者パブロ・エスコバル(ベニチオ・デル・トロ)。彼によると、政府と取引をして、やむなくしばらく収監されることになったので、資産を隠すのを手伝ってほしいとのこと。集まっていた者達は、パブロに忠誠を誓う者ばかりだったため、彼らは二つ返事でこれを了承し、ニックもこれを承諾します。その後、労働者達に財産をトラックに詰め込ませ、それぞれ乗り込んだニック達。すると、ニックの下へパブロがやって来ると、
「待ち合わせ場所に農民が来るから、“72番”の洞窟へ案内してもらい、財産を隠し、入り口を爆破しろ。全てが終わったら、農民を殺せ。」
と、拳銃を手渡すのでした。


 全ての始まりは、数年前に遡ります。カナダ人のニックは、兄のディランとその妻のアンと共に、コロンビアへとやって来ました。ビーチで屋台を出そうと、木材の調達をしていたニックは、地元の女性・マリアと出逢い、車を借りるのでした。ところが翌朝、ピーチで寝ていたニック達の下へ、その辺りの土地を牛耳るチンピラ達・ロルリノ兄弟がやって来ると、
「ここで店を出すなら、俺達に金を払え!!」
と脅しをかけてきます。そんなある日、マリアの家を探し当てたニックは、彼女とすぐに親密になっていくと共に、マリアの叔父が、地元の有力者であるパブロだと知ることになるのでした。しかしその後、パブロに会うためのスーツを選びに紳士服店へと出かけたニックを、またしてもロルリノ兄弟がつけ狙ってきます。そして彼らは、ニックにシェパードを噛みつかせると、左腕に重傷を負わせてしまうのでした。


 それでもニックは数日後、マリアと共に正装をして、パブロ主催のパーティーを訪れます。すぐにパブロに気に入られたニックでしたが、彼は同時に、パブロがコカインの輸出で財をなし、貧しい人々に寄付をすることで名声を得ていることを知るのでした。その日の夜から、パブロの邸宅に泊まることになったニックは、彼に腕の傷のことを聞かれます。適当にごまかそうとしたニックでしたが、既にニックの経歴を知っているパブロには、何かピンと来たものがあるようでした。その後、すぐに深い仲になったニックとマリアは婚約を決め、パブロは結婚披露宴を開きます。ところがその席で、ニックはディランから、ロルリノ兄弟が殺されたことを知らされます。しかもその殺され方は、逆さ吊りにされ、生きたまま火をつけられるという、壮絶なものだったとのことでした・・・。


 楽園だと思ってやってきた国で、最愛の人と出逢い、幸せなはずだった主人公。しかし結果的にはその出逢いによって、冷酷な麻薬王の身内になってしまい、次第に転落の一途を辿っていく様が、切なくかつスリリングに描かれていきます。


 一方で、家族の大切さを声高に言い続けた麻薬王が、やがて自分の保身のために、その家族をも巻き込んでいく姿もまた、人間のあさましさを垣間見るようで、考えさせられます。


 終わり方はかなり賛否が分かれそうな感じではありますが、悲しい愛の行き着く果てを、是非ご覧になってみて下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※ジョシュ・ハッチャーソン・・・本作では、裏社会へと足を踏み入れてしまうカナダ人の青年・ニック役。あの「ハンガー・ゲーム」シリーズでの、主人公・カットニスと共に戦った青年・ピータ役で有名な方ですね。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>



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