ちはやふる 上の句 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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古典に彩られた粋な世界観。笑って泣ける青春ドラマ!!


2016年3月19日公開
監督:小泉徳宏
出演:広瀬すず・野村周平・真剣佑 他


【賛否両論チェック】
賛:競技かるたを通じて絆を深めていく主人公達の爽やかな姿に、期せずして感動させられる。百人一首の1つ1つが、物語を巧に深く彩っていくのも、粋でステキ。
否:終わり方は、かなり出来すぎ感がある。百人一首に興味がないと、かなり退屈かも。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし



 人気コミックの実写映画化です。競技かるたに情熱を燃やす高校生達を描きます。主演は広瀬すずさん。


 都内の瑞沢高校へ入学した真島太一(野村周平)。放課後になり、部活の勧誘が激しくなる中、隣りのクラスの男子から、
「ウチのクラスの男子は、全員『かるた部』志望だぜ。」
と聞き、耳を疑います。理由は単純で、
「かるた部を作りたい!!」
と言っている1年生の女子が、人気モデル(広瀬アリス)の妹で、可愛いから。同じ頃、別室でその本人・綾瀬千早(広瀬すず)から、競技かるたの説明をされつつも、ニヤニヤが止まらない男子達の姿がありました。ところが、いざ彼女が実戦を披露し始めると、そのあまりの迫力に、男子達はほうほうのていで逃げ出してしまうのでした。
「この際、太一でもイイ!!」
と叫びながら、男子達を追いかける千早。それを見かけた太一は、慌てて身を隠します。実は2人は、幼い頃に町の同じかるた会「府中白波会」で、切磋琢磨していた間柄なのでした。


 それからしばらくしたある日、太一は2人の女子生徒に屋上に呼び出されると、そのうちの1人から告白されます。しかし、やむなくフッてしまった太一は、付き添っていた女子に激怒され、そのまま屋上に閉じ込められてしまいます。慌てて助けを求める太一でしたが、あいにく誰にも気づいてもらえません。するとそこへ、運よく千早がやってきますが、千早は太一を見つけるなり飛びついてきたため、今度は2人して閉じ込められてしまうのでした。その場で千早は、太一にもかるた部に入るよう頼み込みますが、太一はこれを頑なに断り続けます。その後、偶然剣道部の奏(上白石萌音)がやって来たため、難を逃れた2人。それからも千早は精力的に勧誘活動に明け暮れ、その姿に根負けした太一も、かるた部創設を手伝うことになるのでした。


 新しい部を作るためには、最低でも部員が5人必要。かつて同じかるた会に通っていた実力者・“肉まんくん”こと西田優征(矢本悠馬)も加わり、3人は必死に勧誘を試みます。しかし瑞沢高校は部活動が必須だったため、大方の生徒は既に所属先が決まっており、無所属で残っているのはあと1人だけになっていました。その1人・ガリ勉の“机くん”こと駒野勉(森永悠希)の知性に、西田はかるたの素質を確信します。必死の勧誘の末、駒野は
「校則だから仕方なく。」
と言いながら、入部を決めるのでした。時を同じくして、奏をつかまえた千早。呉服屋の娘で、生粋の古典マニアの奏は、当然かるたにも興味を示しますが、歌の内容ではなく速さを極める競技かるたを見るなり、奏は拒絶反応を示してしまいます。それでもなんとか説得し、〝かなちゃん(奏)”も入部。かくしてようやく、瑞沢高校競技かるた部が発足するのでした。無事にかるた部を作った千早は、その下校途中、意を決したように誰かに電話をかけ始めます。そんな千早を、複雑な表情で眺める太一。その電話の相手は、幼い頃2人と共にかるたをやって来た無二の親友・綿谷新(真剣佑)なのでした・・・。


 「競技かるた」というちょっと特殊な世界に飛び込み、何度も壁にぶち当たりながらも、仲間を信じて乗り越えていく千早の姿が、非常に爽やかに描かれています。広瀬すずさん、そのキャラクターもまた、とってもキュートです(笑)。


 そして、そんな千早を温かく見守りながらも、彼女が新を想い続けていることにどこかで嫉妬し、その心の傷を背負い続けている太一の葛藤や、そんな2人を想いながらも、家族のために別れる道を選んだ新。主人公を取り巻く幼馴染み2人の絶妙な三角関係も、青春ドラマに欠かせない重要な要素になっています。


 また、大会までバラバラだった「かるた部」が、実戦の中でぶつかり合い、やがて1つになっていく辺りは、ありがちだと分かっていても、感動してしまうところです。特に、人一倍かるたとは距離を保っていた〝机くん”が、何度も挫折しかけ、その度に成長していく姿は、なんだかすごくカッコイイです(笑)。


 それから何といっても、劇中で登場する
「ちはやぶる 神代(かみよ)も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは 」

「このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向山(たむけやま) 紅葉の錦 神のまにまに」
等々、主人公達の絆が百人一首によって繋がっていく描写が、とっても粋ですね。個人的には、
「もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし」
の解釈のシーンが、とっても印象的でステキでした。


 ラストはやや出来すぎていて、思わず
「いやいや~(笑)」
とニヤけてしまいそうですが、それでもなお感動してしまうくらい、とっても純な青春ドラマに仕上がっています。「下の句」抜きでも楽しめると思いますので、是非ご覧になってみて下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※上白石萌音さん・・・本作では、古典マニアの変わり者・奏役。言わずと知れた「舞妓はレディ」の主役でお馴染みの方です。ちなみに妹さんの上白石萌歌さんも、「脳漿炸裂ガール」等に出演されています。これからも姉妹揃っての活躍に注目です。


※森永悠希さん・・・本作では、一匹狼だったガリ勉の〝机くん”役。最近の映画では、山田悠介さん原作の、突如として理不尽なレースに巻き込まれる「ライヴ」に出演されているほか、「カノジョは嘘を愛しすぎてる」等にも出ていらっしゃいますね。


※清水尋也さん・・・本作では、主人公達のライバルの北央学園のエース・須藤暁人役。「ソロモンの偽証」での、被告人となる不良役で有名ですが、他にも「ストレイヤーズ・クロニクル」では、超記憶を持つ青年役で登場しています。


オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>



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