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難解すぎるストーリー。異色の環境破壊警鐘映画。


2016年2月27日公開
監督:坪田義史
出演:リリー・フランキー
池松壮亮
寺島しのぶ
橋本愛 他


【賛否両論チェック】
賛:他人を避けてきた主人公が、ひょんなことから親子の絆を取り戻していく様が切ない。自然破壊への警鐘的意味合いも随所に見られる。
否:ストーリーはかなり単調かつ難解なので、感情移入出来ないと、訳が分からないまま終わってしまいそう。過激なラブシーンや、よく分からない自然の描写等、思っていたものと違ったという人もいるかも。


ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・傷口のシーン等があり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・雰囲気は結構怖いかも



 孤島で暮らす盲目の貝類学者を描いた人間ドラマです。主演はリリー・フランキーさん。


 物語の舞台は、南の島・向島の近くにある孤島。主人公の盲目の貝類学者(リリー・フランキー)は、この島で1人静かに貝を探しては、標本にする生活を送っていました。そんなある日のこと、いつものように浜辺を歩いていた学者は、1人の女性・いづみ(寺島しのぶ)が流れ着いているのを発見します。やむなく彼女を介抱する学者。折しも本土では、手足のしびれから水泡ができ、最悪の場合は死に至るという奇病がまん延しており、いづみもその病気に感染していました。そんな彼女との奇妙な共同生活が始まった学者でしたが、偶然見つけた猛毒を持つ貝・イモ貝を持ち帰ったところ、翌日家を空けている間に、いづみが誤ってその毒に刺されてしまいます。なんとか一命はとりとめますが、それから彼女の様子は、突然おかしくなってしまいます。いづみはどこか狂気じみた様子で、学者に関係を迫り、学者もこれを受け入れてしまうのでした。


 その後、病気が治ったいづみは、島に物資を届けに来る業者の船で向島に帰りますが、
「イモ貝に刺されて病気が治った。」
という噂は瞬く間に広がり、学者の元に地元の有力者・弓場が、手下を引き連れてやってきます。実は弓場の娘・嶌子(橋本愛)も病気に蝕まれており、弓場は学者に、娘の病気も治すよう圧力をかけてきます。
「あれば猛毒だ。」
と断ろうとする学者でしたが、弓場に
「断れば、お前の集めた貝が全て砂になるぞ。」
と脅され、仕方なく向島へと向かうのでした。


 弓場の邸宅で、嶌子の右手にイモ貝を握らせ、毒を盛った学者。その後、嶌子は奇跡的に回復し、邸宅の人々を驚かせるのでした。しかしそれ以降、静かだった学者の生活が戻ることはなく、島には病気に苦しむ者達が、次から次へと押し寄せるようになってしまいます。そんな病人達に交じって、島にやって来た1人の青年。彼こそが、学者が疎遠になっていた自身の息子・光(池松壮亮)なのでした・・・。


 孤島の海という大自然に抱かれながら、他人と関わることを避けて生きてきた主人公が、突然降ってわいた騒動に巻き込まれながら、なくしていた親子の絆を取り戻していく様子が、静かな中にも切なく描かれていきます。


 同時に、まん延する奇病や、近くの海での軍事演習、環境保護のボランティアに勤しむ息子との再会等、環境破壊に対する警鐘の意味合いも、随所に盛り込まれています。


 ストーリーそのものはかなり難解で、悪く言うと意味不明なシーンも結構あったりしますが、それら含めて非常に奥の深い作品といえそうです。気になった方はチェックしてみて下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※池松壮亮さん・・・本作では、主人公の貝類学者の息子・光役。今まさにノリにノッている俳優さんで、最近の映画では、「横道世之介」や「愛の渦」、「ぼくたちの家族」や「わたしのハワイの歩きかた」、「紙の月」や「バンクーバーの朝日」、「劇場版MOZU」等々多数にご出演。ちなみに橋本愛さんとは「大人ドロップ」で共演されていらっしゃいますね。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>